カスタム結果の応用例

ここでは、カスタム結果の応用例を 4 つ紹介します。

トレスカ応力のコンターを作成する

[結果][応力][トレスカ * 2]コマンドを使用すると、トレスカ応力の 2 倍のコンターを作成できます。トレスカ応力の実際の値のプロットを表示するには、既存の トレスカ*2 の結果に 0.5 を掛けます。これを示したのが次の図です。カスタム結果トレスカ応力が作成され、Tresca_2 という変数が作成されて[アクティブウンドウの結果]プルアウト メニューのトレスカ* 2 の結果に代入されます。この計算値に 0.5 を掛ける式が作成されます。

温度の結果を華氏からセ氏に変換する

カスタム結果の応用例として次に紹介するのは、結果の単位系の変換です。下の図は、華氏で解析されたモデルからセ氏の温度プロファイルを提供するカスタム結果の設定を示しています。カスタム結果「Temperature Celsius」が作成され、Fahrenheit という変数が作成されて[アクティブウンドウの結果]プルアウト メニューの温度の結果に代入されます。計算値をセ氏の値に変換する式が作成されます。

重要: このカスタム結果は、現在、すべての熱モデルで結果のプルダウン メニューに表示されます。セ氏を使用して解析されたモデルに対してこの結果を選択した場合、生成されるコンターは意味のないものになります。

要素の重量を計算する

各要素の重量は、質量密度、要素体積、重力定数の乗算で求められます。要素の重量のコンターを表示するためのカスタム結果を作成する方法は 2 つあります。1 つ目の方法を示したのが下の図です。カスタム結果「Element Weight」が作成されています。変数 V が作成され、[解析タイプの結果]プルアウト メニューの体積の結果に代入されます。また、変数 D が作成され、[解析タイプの結果]プルアウト メニューの密度の結果に代入されます。これらの値に、重力加速度 386.4 (in/s 2 ) を掛ける式が作成されます。

注: この例では、重量および重心の計算([解析][解析][重量と図心])が先に実行されている場合を除き、計算「Element Weight」の結果は結果のプルダウン メニューに表示されません。これは、[重量と図心]コマンドによって計算された値である重量が式に含まれているためです。

この方法の欠点は、メートル系単位で作成されたモデルに対してこの結果を使用する場合に、386.4 を別の値に変更する必要があることです。この問題を回避するには、AGSDB クエリを使用します。下の図に示すカスタム結果では、変数 D が AGSDB クエリ「Material(/p).General.Density.Mass」に変更されています。「/p」は、この値がパーツ番号によって変わることを表します。この処理により、複数の材料で構成されるアセンブリ モデルにこの結果を使用できるようになります。(: 前の例にある密度を求める方法も、材料が複数の場合に使用できます。ここでは単に、代わりとなる方法を紹介しています。)さらに、3 つ目の変数 G が作成されます。この変数には、AGSDB クエリ「LinearStress.Master.Loading.Gravity.Static.Value」が代入されています。データベース内のこの値には常にモデルの単位が使用されます。そのため、単位系に関係なく、カスタム結果をどのモデルにも適用することが可能になります。式の定数は変数 G に置き換えられます。

ひずみエネルギー密度を計算する

この例では、結果環境でのひずみエネルギー密度の計算を検証します。この計算の結果は、応力テンソルとひずみテンソルの積を合計した値に 0.5 を掛けて求められます。下の図は、このカスタム結果の設定画面です。カスタム結果「Custom Strain Energy Density」が作成されています。変数 Stress が作成され、[解析タイプの結果]プルアウト メニューの応力の結果に代入されます。また、変数 Strain が作成され、[解析タイプの結果]プルアウト メニューのひずみの結果に代入されます。使用されている関数は UOpTensorXX(x) 関数です。XX は応力テンソルとひずみテンソルの成分、x は Stress テンソル変数または Strain テンソル変数です。この式から求められる値が、ひずみエネルギー密度に一致します。