注:
このセクションの情報は、温度を適用できるすべての線形構造解析と非線形構造解析、および静電解析に適用されます。
温度は熱伝導解析にも適用できますが、このページの文脈の内容とは大幅に異なります。詳細については、このヘルプの「解析の設定と実行」>「解析固有の情報」>「熱解析」>「荷重および拘束」セクションの次のページを参照してください。
温度は、線形または非線形構造解析モデルの節点、表面、またはパーツ、あるいは静電解析モデルの節点または表面に適用できます。
温度の適用
節点、表面、またはパーツが選択されている場合、表示領域で右クリックし、[追加]プルダウン メニューを選択してください。[節点温度]または[表面温度]または[パーツ温度]コマンドをそれぞれ選択してください。このコマンドには、リボンからアクセスすることもできます([セットアップ]
[荷重]
[温度])。
選択した各オブジェクトに適用する温度値を[大きさ]フィールドに入力します。
注: 同じ節点に異なる温度が適用される場合は、最後に指定した温度が節点で使用されます。たとえば、パーツ 1 と 2 が接着している場合、パーツ 1 に 100 度の温度を割り当てた後にパーツ 2 に 75 度の温度を割り当てると、共通の節点の初期温度は 75 度になります。
モデル全体への定数温度の適用
温度の変化が均一なモデルの熱応力のみを決定する場合、モデル全体に節点温度を追加する必要はありません。代わりに、ブラウザで[解析タイプ]見出し下の[熱]見出しを右クリックして[編集]を選択します。温度を定義するまで、この見出しはグレー表示されることがありますが、コマンドは使用可能です。次の 2 つの手順を実行します。
- [温度のソース]ドロップダウン メニューから、[FEA エディタから入力]オプションを選択します。
- [既定の温度]フィールドに目的の温度値を入力します。節点温度が適用されていないモデルの節点はこの値に設定されます。温度を適用した場合は、既定値がオーバーライドされます。
熱解析の温度プロファイルを適用する
一部のケースで、モデルの温度プロファイルが定常熱伝導解析または非定常熱伝導解析のどちらかで既に計算されていることがあります。構造モデルのジオメトリが熱モデルと同一の場合、熱解析結果は温度プロファイルに使用できます。次の 2 通りの使用方法があります。
方法 1:
- 線形または非線形静解析の場合、ブラウザで[解析タイプ]見出し下にある[熱]見出しを右クリックして[編集]コマンドを選択します。固有値解析(初期応力考慮)または線形座屈解析の場合は、[解析タイプ]列を右クリックして、[解析パラメータを編集]コマンドを選択し、[熱]タブを表示します。
- 次に、[温度のソース]ドロップダウン メニューで、このモデルに前回実行した熱伝導解析タイプを選択します。次の中から選択することができます。
- 他の Simulation Mechanical ファイルまたは Simulation CFD モデルを使用する場合は、[ファイル名と設計シナリオ]見出しの横にある[参照]ボタンを押します。次に、目的の熱解析モデル ファイルにナビゲートして選択します。[ファイル名]フィールドの下にあるドロップダウン メニューで、使用する熱ソース モデルの設計シナリオを指定します。
同じモデル ファイル内の異なる設計シナリオを使用する場合は、
[設計シナリオの温度を使用]プルダウン メニューからどれを使用するかを指定します。
注: このメニューには、解析タイプが定常または非定常熱伝導解析である設計シナリオのみが一覧表示されます。熱伝導解析が完了した後に、解析タイプを熱以外のタイプに変更すると、熱解析結果ファイルがフォルダ内に存在する場合でも、設計シナリオは[設計シナリオの温度を使用]プルダウン メニューには表示されません。
- 線形静的応力解析の荷重として、非定常熱伝導解析結果を使用する場合は、応力解析の温度のソースとして使用する熱解析の時間ステップを指定します。これは、[使用するステップ]プルダウン メニューを使用して実行します。既定では、最後の時間ステップを使用します。
注: 方法 1 では、熱モデルと応力モデルで異なるメッシュを作成できます。詳細については、「
マルチフィジックス」の「
各種メッシュの要件」を参照してください。
方法 2:
- 何も選択していない状態で FEA エディタの表示領域を右クリックします。[ファイルから入力]コマンドを選択します。
- [結果ファイル]列で[参照]ボタンを押します。表示されたダイアログ ボックスで結果ファイルを選択できます。[ファイル タイプ:]プルダウンで[熱解析結果ファイル(*.to, *.tto)]を選択します。
- 温度解析結果が含まれるファイルを選択し、[開く]をクリックします。
- 選択したファイルの 1 つの荷重ケースまたは時間ステップの温度のみを応力モデルに適用できます。[ファイルからの荷重ケース]列で荷重ケースまたは時間ステップを選択します。
- [構造解析用荷重ケース]フィールドに入力した数字に関係なく、荷重ケース 1 に温度が配置されます。
- 温度に一定値を掛けてからモデルに適用する場合は、[乗数]列にその値を入力します。
- [OK]ボタンをクリックします。
重要: ファイルから入力する方法でモデルに他のタイプの荷重を適用する場合とは異なり、指定の節点に適用できる温度は 1 つだけです。複数の結果ファイルを指定(または同じファイルを複数回指定)することや、温度を同じ節点にまとめて追加することはできません。また、異なる荷重ケースの同じ節点に別の熱解析の結果ファイルを適用することもできません。直前に節点に適用した温度のみが保持されます。各温度結果ファイルが応力モデルの異なる部分に関連する場合に限り、複数の温度結果ファイルを使用することができます。
注: 方法 2 では、熱モデルと応力モデルで同じメッシュが要求されます。これは、(パーツごとではなく)全体モデルの座標によって温度が伝達されるためです。 詳細については、「
マルチフィジックス」の「
同一メッシュの要件」を参照してください。
線形解析で初期ひずみ条件のモデル作成に温度を使用する
温度を使用すると、パーツの初期ひずみのモデルを最も簡単に作成できます。既存のひずみの量と材料特性がわかっていれば、正確な温度差を適用できます。手順は次のとおりです。
- 膨張の基本的な計算式では、温度差と線膨張係数の積がひずみになります。関係を式で表すと次のようになります。α
- 温度差を求めるため、式を次のように変形します。
この手順により、モデルへの適用が必要な温度差を計算して、ひずみと材料特性を基に予ひずみの条件をシミュレートできます。
非線形解析で時間に対する温度をコントロールする荷重曲線を使用する
すべての温度は、割り当てられた負荷曲線の乗算器によって乗算されます。負荷曲線は[節点温度の荷重曲線インデックス]ドロップダウンで設定されます。均一なロッドの場合、温度による膨張は次のようになります。
L = L*α*(LCM*T - Tref)
ここで
- ΔL は長さの変化、
- L は長さ、
- α は線膨張係数です。この係数は、LCM*T ではなく、温度 T に基づきます。
- LCM は負荷曲線の乗算器です。
- T は、それぞれの節点における温度です。温度から節点に明示的に割り当てられる場合と、既定の節点温度の場合、または定常状態解析の結果による場合があります。
- Tref は、応力のないリファレンス温度です。
非定常熱伝導解析では、温度対時間の正確な履歴があると考えられるため、通常、これらの温度を読み込むことや、1 以外の荷重曲線乗数を使用することはありません。ただし、モデルが Tref 以外の温度で開始される場合などは、時間 0 における温度の適用によって生じる影響を、荷重曲線乗数を増加することで軽減できます。これにより解析の収束が容易になります。
定常熱解析結果を、非線形構造解析の温度のソースとして使用する場合、Tref から入力温度値まで徐々に温度を上昇させるために、荷重曲線を使用します。