検索システムでは、すべてのプロパティ値ではなく、トークンにインデックスが付加されます。トークンは、プロパティ値の個々のまとまりであり、システムでは、この情報の断片によってファイルの位置を特定します。この検索方法によってすばやい検索結果の表示が行われ、検索している Vault に大量のプロパティ値が含まれている場合でも、システムに与える影響が少なくてすみます。
同じタイプの隣接する文字は、1 つのトークンにまとめられます。アルファベット(A、B、C、...Z)、数字(1、2、...9)、特殊区切り記号(-、_、@...$)が同じタイプに分類されます。
検索可能な区切り記号は、次の 6 つです。
その他の区切り記号は検索できず、トークンにも含まれていません。
次の表は、3 つのファイル名がどのようなトークンで構成されているかを示しています。
[ファイル名] | トークン |
---|---|
A-055401-321.ipt |
|
Great White Shark.doc |
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Gr8work.xls |
|
Autodesk Vault の以前のエディションでは、検索文字列に自動的にワイルドカードが付加され、検索文字列で始まるすべての該当値が返されていました。たとえば、DES の基本検索を実行すると、Design00.idw というファイル名と、作成者のイニシャルが DES のファイルがすべて返されます。
プロパティ値がどのようなトークンで構成されているかを把握することで、トークンのみで検索するが可能になります。これにより、複数の検索結果が返されるとき、検索条件を絞ることができ、システムにかかる負荷を低減できます。ユーザが同じ DES の検索を実行するときに、作成者のイニシャルが DES のファイルのみが返されるようになります。結果には、Design00.idw のファイルは含まれません。これは、このファイル名の最初のトークンが Design であるのに対して、作成者のイニシャル DES は完結したトークンであるためです。
トークンに従って検索値を指定できることによって、検索を指定するときの自由度が向上します。ユーザはワイルドカードを追加して、検索範囲を広げたり、トークンを指定して返される検索結果を絞ったりすることができます。
検索条件を指定するときに、ワイルドカードとブール演算子を使用することができます。Boolean 演算子は、[検索]ダイアログの[詳細]タブでのみ使用でき、単一の検索条件内でのみ機能します。複数の検索条件間で Boolean 演算子は使用できません。
ワイルドカード
* |
文字列内の任意の数の文字を表します。 |
? |
文字列内の 1 つの文字を表します。 |
ブール演算子(大文字と小文字は区別しない)
AND |
x および y を検索します。順不同です。granny AND smith で検索すると、両方の単語を含むすべてを検索します。 |
OR |
x または y のどちらかを検索します。granny OR smith で検索すると、どちらかの単語を含むすべてを検索します。 |
NOT |
x を含まないドキュメントを検索します。NOT granny で検索すると granny を含まないドキュメントをすべて検索します。 |
" " |
引用符に囲まれた文字列と一致するフレーズを検索します。
注: この場合も、トークン化された検索ルールは引用符内の文字列に適用されますが、引用符で囲まれた特別な演算子(AND、OR、NOT)は文字として扱われます。
|
基本検索では、指定のプロパティのセットでテキスト文字列が検索されます。基本検索フィールドを使用し、単純な検索条件に基づいてファイル、アイテム、変更管理、またはフォルダを特定します。検索を実行すると、メイン ビューに検索結果が表示されます。検索フィールドをクリアし、メイン ビュー全体を表示します。[検索]フィールドを展開し、クエリ ビルダを使用して検索に条件を追加することができます。
検索を保存することも、検索フォルダを作成することも、または基本[検索]フィールドから[検索]ダイアログにアクセスすることもできます。
検索結果はメイン ビューに表示されます。
クエリ ビルダを使用して検索条件を追加する
クエリ ビルダを使用し、検索条件にプロパティと値を追加すると、より詳細なクエリを作成することができます。
パラメータ化された検索を使用する
[検索]ダイアログの[詳細]タブを使用すると、パラメータ化された検索フォルダを作成し、保存することができます。パラメータ化された検索フォルダは保存された検索です。検索を開始するときに、これらの値の入力が指示されます。
基本検索オプション
ファイルを検索するか、アイテムを検索するかに従って、基本検索に異なるオプションを利用することができます。
または
最近の検索 | 10 個の最も最近の検索文字列が保存され、クイック アクセスができます。[最近の検索]を選択して、リストから検索文字列を選択します。 |
サブフォルダを検索 | サブフォルダも検索するかどうかを指定できます。[オプション]メニューから[サブフォルダを検索]を選択し、検索するときにサブフォルダを除外することも、含めることもできます。既定では、サブフォルダが検索されます。このオプションが利用できるのは、ファイルを検索するときのみです。 |
ファイルの内容を検索 | 既定では、ファイル プロパティでのみ指定のテキスト文字列が検索されます。検索の範囲を広げてファイルのコンテンツを含めるには、[オプション]メニューで[ファイルの内容を検索]を選択します。このオプションが利用できるのは、ファイルを検索するときのみです。 |
検索条件を保存... | 現在の選択基準を保存するには、[検索条件を保存]を選択します。既定では、検索フォルダとして保存されます。 |
検索... | [検索]を選択して[検索]ダイアログを表示し、より複雑な検索を実行することができます。 |
[検索]バーまたは[検索]ダイアログ ボックスに入力した検索条件を保存して、同じ検索をもう 1 度実行することができます。検索条件は保存されますが、検索の結果は保存されません。検索条件はユーザ アカウント別に保存されるので、ユーザが保存した検索条件にはそのユーザだけがアクセスできます。保存した検索条件は、[検索]ダイアログ ボックスでのみ開くことができます。
検索フォルダは保存済みの検索条件と似ています。各検索フォルダは 1 つの保存した検索条件に関連付けられます。検索フォルダはナビゲーション ペインに一覧表示されます。検索フォルダが選択されると、その検索フォルダに関連付けられている保存済みの検索条件が自動的に実行され、実行結果がメイン ビューに表示されます。検索フォルダは、既存の保存済み検索条件から作成することも、[検索]ダイアログ ボックスから直接作成することもできます。
検索フォルダの結果がメイン ビューに表示されたら、[検索]バーを使用して検索結果の中からさらに検索を行い、検索範囲を絞り込むことができます。その後、結合した検索条件を保存して、「検索フォルダの検索条件 AND(かつ)[検索]の検索条件」という内容の保存済みの検索条件を作成することもできます。