CAT のマッスルは、レンダリングされないヘルパー オブジェクトです。マッスルを使用すると、皮膚の伸びや変形をリアルに表現できます。
たとえば次の図は、「Marama」のリグの肩と上腕を大きくひねって引っ張ったときの不具合を示しています(Marama は、CAT に含まれている標準の CATRig の 1 つです)。
Marama の肩の動きは、CATBone に CATMuscle を適用することで改善できます。
このような不具合が生じるのは、Marama のリグにマッスル オブジェクトが設定されておらず、CATBone の相対位置だけでスキンの形状が処理されているためです。
この図の紫色の部分は、胸と肩の筋肉として作成した CATMuscle のセグメントを表しています。このマッスルを完成させるには、次のような操作が必要です。
- セグメントを、CATBone の適切な位置の親として設定する
- CATBone ではなく CATMuscle でスキン処理をコントロールする
マッスルの種類
[作成](Create)パネルでは、次の 2 種類のマッスルを作成できます。
- CATMuscle: U および V 軸上に複数のセグメントを持つ平面(既定値)のヘルパー オブジェクト
- マッスル ストランド: 2 点間のベジェ カーブのように動作するヘルパー オブジェクト。既定値では、マッスル ストランドは真ん中が太く、先端へ向かって徐々に細くなっていく円柱のような形状をしています。
使用法
CAT のマッスル オブジェクトには、次の 3 通りの使い方があります。
- 手続き型のボーン変形のセットとして使用できます。どちらの種類のマッスル オブジェクトも、[ボーン](Bones)モードに設定すると、通常のボーンと同じように[スキン](Skin)モディファイヤに追加することができます。また、ゲーム エンジン用に書き出すことも可能です。
- どちらの種類のマッスル オブジェクトも、[メッシュ](Mesh)モードに設定すると、[スキン ラップ](Skin Wrap)モディファイヤと組み合わせて使用できます。通常は、[スキン](Skin)モディファイヤよりも[スキン ラップ](Skin Wrap)モディファイヤを使用した方が高解像度のメッシュを驚くほど高速に処理できるため、映画制作や広告関係の分野で効果を発揮します。
- CATMuscle オブジェクトはマッスル ストランドとすばやく効率的に衝突できるように設計されており、皮膚のスライド効果をリアルに再現できます。CATMuscle を使用してメッシュを変形させた後、CATMuscle の下にマッスル ストランドをセットアップして、ストランドをスライドさせます。マッスル ストランドは、押し潰したり伸ばしたりするためのコントロールがあります。