マット/シャドウ マテリアルは、オブジェクト全体(または任意の面のサブセット)をマット オブジェクトにして、現在のバックグラウンド カラーまたは環境マップに表示します。
写真立てに入った写真をレンダリングしただけでは、写真はバックグラウンドの前に表示される
マット オブジェクトで写真を部分的に非表示にし、バックグラウンドを表示して写真がゴブレットの背後にあるように見せる
また、シーンの中で、非マット オブジェクトから投影される影を受けることができます。この技法を利用してバックグラウンドに影を作ることができます。まず、マット オブジェクトの代わりになるオブジェクトを作成し、バックグラウンドで形が似ているオブジェクトの前に配置します。
バックグラウンド画像に対して影付けするためのマット オブジェクトの作成
マット/シャドウ マテリアルは反射を受けることもできます。
注: マット/シャドウの効果は、シーンをレンダリングしたときにだけ見ることができます。ビューポートでは効果を確認することはできません。
手順
バックグラウンド環境に対してシームレスにオブジェクトをレンダリングするには:
フォアグラウンドのオブジェクトをフィルタリングされていないバックグラウンドに合わせたいとき、あるいは 3ds Max 2.5 レンダラーのアンチエイリアシング品質に合わせたいときには、プレート マッチ/MAX R2.5 アンチエイリアシングを使用します。「プレート マッチ フィルタリング」を参照してください。
例: [アルファに影響](Affect Alpha)および[マット反射](Matte Reflection)の効果を見るには:
- ビューポートに 1 つまたは複数のオブジェクトを持つシーンと、1 つまたは複数の影付けスポットライトを作成します。
ヒント: スポットライトを 1 つしか使用しない場合は、そのスポットライトの[強度](Multiplier)の値を上げます。
- マット/シャドウ マテリアルをボックスに割り当て、既定値の[マット/シャドウ基本パラメータ](Matte/Shadow parameters)ロールアウト パラメータでシーンをレンダリングします([不透明アルファ](Opaque Alpha)チェック ボックスにチェックマークを付け、[アルファに影響](Affect Alpha)チェック ボックスのチェックマークを消します)。
- [レンダリング フレーム](Rendered Frame)ウィンドウが開いたら、 ([アルファ チャネル](Display Alpha Channel))をオンにします。
オブジェクトはすべて、プラットフォームも、白のシルエットで表示されます。
- [マット/シャドウ基本パラメータ](Matte/Shadow Basic Parameters)ロールアウトの[不透明アルファ](Opaque Alpha)チェック ボックスのチェックマークを消し、[シャドウを他から受ける](Receive Shadows)と[アルファに影響](Affect Alpha)の各チェック ボックスのチェックマークを付けます。
- F9 ([最新設定でレンダリング](Render Last))を押します。
ボックスのシルエットは消えますが、他のオブジェクトとその影が表示されます。
- [マット/シャドウ基本パラメータ](Matte/Shadow Basic Parameters)ロールアウトの[反射](Reflection)領域で[マップ](Map)ボタンをクリックし、[マテリアル/マップ ブラウザ(Material/Map Browser)]を使用して[フラット ミラー](Flat Mirror)マップをボックスのマテリアルに割り当てます。[フラット ミラー パラメータ](Flat Mirror Parameters)ロールアウトで、[レンダリング](Render)領域 [ID 付きのサーフェスに適用](Assign To Faces With ID)にチェック マークを付けて、値を 1 のままにします。
- F9 ([最新設定でレンダリング](Render Last))を押します。
- [レンダリング フレーム ウィンドウ](Rendered Frame Window)の[アルファ チャネル](Alpha Channel)ボタンをオフにします。
ボックスそのものは表示されなくても、オブジェクトの反射はボックスの上に表示されます。
インタフェース
[マット](Matte)領域
- 不透明アルファ
- アルファ チャネルにマット マテリアルを表示するかしないかを設定します。[不透明アルファ](Opaque Alpha)チェック ボックスのチェックマークを消すと、マット オブジェクトはアルファ チャネルを作成せず、シーンの中にシャドウ オブジェクトが存在しないものとして画像を合成することができます。既定値ではチェックマークが付いていません。
[環境効果](Atmosphere)領域
フォグ効果をマット サーフェスに適用するかどうか、また適用する場合はその適用方法を設定します。
- 環境効果を適用
- マット オブジェクトのフォグ効果をオン/オフにします。
フォグを適用する場合、次の 2 つの方法から選択します。1 つは、マット サーフェスが、カメラから無限の距離に置かれているとしてフォグを適用する方法です。 もう 1 つは、マット サーフェスが、実際に影をつけようとするオブジェクトの上にあるとして適用する方法です。つまり、フォグはマット サーフェスに 2D または 3D で適用できます。次に説明するコントロールで適用方法を制御します。
- バックグラウンドの深さに対してこれは 2D の方法です。 スキャンライン レンダラーがシーンにフォグ効果を与え、その影をレンダリングします。この場合、影がフォグで明るくなることはありません。影を明るくするには、影の輝度を上げる必要があります。
- [オブジェクトの深さに対して](At ObjectDepth)これは 3D の方法です。 レンダラーは最初に影をレンダリングして、シーンにフォグをかけます。この場合は、3D のマット サーフェス上にかけるフォグの量を調節するため、生成されるマット/アルファ チャネルはバックグラウンドに完全にはブレンドされません。2D のバックグラウンドが表すシーン内でマット オブジェクトを 3D オブジェクトとして使用する場合は、[オブジェクトの深さに対して](At Object Depth)を使用します。
[シャドウ](Shadow)領域
この領域では、マット サーフェスが投影される影を受けるかどうか、また受ける場合はどのように受けるかを設定します。
- シャドウを他から受ける
- マット サーフェスの上に影をレンダリングします。既定値ではチェックマークが付いています。
- アルファに影響
- チェック ボックスにチェックマークを付けると、マット マテリアルに投影される影が、アルファ チャネルに適用されます。後で合成するために、アルファ チャネルを持つビットマップをレンダリングできます。既定値ではチェックマークが付いています。
[アルファに影響](Affect Alpha)チェック ボックスは、[マット](Matte)領域にある[不透明アルファ](Opaque Alpha)チェック ボックスのチェックマークを消したときだけ使用できます。
[アルファに影響](Affect Alpha)チェック ボックスにチェックマークが付いているときは、[シャドウの輝度](Shadow Brightness)の値が高いほど、影の透過度が上がります。 これによりバックグラウンドはより透けて見えるようになり、影は薄くなります。
- シャドウの輝度
- 影の明るさを設定します。0.5 では、影はマット サーフェスの上で減衰します。1.0 では、影はマット サーフェスの色まで明るくなります。0.0 では、影はマット サーフェスを完全に覆い隠すほど濃くなります。
- カラー
- カラー見本をクリックすると[カラー セレクタ](Color Selector)が表示され、影の色を選択できます。既定値は黒です。
影の色の設定は、マット/シャドウ マテリアルを使用して、ビデオなどのバックグラウンド画像に影を合成する場合に特に有効です。画像の中に既に存在している影に位置合わせした新しい影を追加することもできます。
[反射](Reflection)領域
この領域のコントロールで、マット サーフェスを反射させるかどうかを設定します。マット反射は、シャドウ マップを使用して作成します。
ヒント: マット反射でアルファ チャネルを正しく作成するには、黒のバックグラウンドに対してレンダリングする必要があります。
- [量](Amount)
- 使用する反射の量を制御します。 0 から 100 の範囲をパーセントで指定できます。マップを割り当てていない場合、このコントロールは使用できません。既定値は 50 です。
このパラメータはアニメートすることができます。
- マップ
- クリックすると、反射マップが割り当てられます。反射は、[反射/屈折](Reflect/Refract)マップまたは[フラット ミラー](Flat Mirror)マップを選択しない限り、シーンの環境マップから独立しています。