オブジェクトを定義すると、3ds Max では基本オブジェクトに影響する変更を評価し、結果をシーンに表示します。どのような変更があったかを確認する作業と、その評価の順序をオブジェクト データ フローといいます。
データ フロー ダイアグラム
マスター オブジェクト
マスター オブジェクトとは、作成パラメータのセットと、元の位置と基点の方向で定義されるオブジェクトのことです。マスター オブジェクトが表示されることはありません。ビューポートに表示されるのは常に、少なくとも次のようなデータ フローを経た結果です。
Master Object -> Object Transforms -> Object Properties
[修正](Modify)パネルのオブジェクト作成パラメータとトラック ビュー
異なる作成パラメータで作成されたマスター オブジェクトの例
オブジェクト空間モディファイヤ
データ フローにおける次の評価グループは、オブジェクト空間モディファイヤです。各モディファイヤは、[修正](Modify)スタックに配置された順序で評価されます。修正はすべてオブジェクトのオブジェクト空間で行われます。その結果のことを修正オブジェクトと呼びます。
[修正](Modify)パネルとトラック ビューのオブジェクト モディファイヤ
マスター オブジェクトに対するモディファイヤの効果
オブジェクトの変換
修正後のオブジェクトの評価が済むと、ワールド座標系で変換されます。変換では、ツールバーの変換ボタンによる位置、回転、スケールの変更を処理します。
最初にすべてのモディファイヤを評価し、次に複合変換を評価するという方式は、3ds Max でどのように作業をするかに影響があります。変換の効果は、その適用順序とは無関係です。一方、モディファイヤを適用する順序は、結果のジオメトリに影響があります。モディファイヤ スタックで特定の順序で評価される変換を適用する場合は、[X フォーム](XForm)モディファイヤを使用します。
修正したオブジェクトの変換
スペース ワープ
スペース ワープは、変換の後に評価されます。スペース ワープでは、ワールド空間のオブジェクトの位置を基点として、スペース ワープと結合したオブジェクトに歪みが生じます。たとえば、[波](Wave)スペース ワープでは、オブジェクトのサーフェスが波形状に波打ちます。オブジェクトかスペース ワープがワールド空間を移動すると、波もオブジェクトのサーフェスに沿って移動します。
スペース ワープと同様、ワールド空間モディファイヤも変換の後に評価されます。ワールド空間モディファイヤは、スペース ワープと同じように、単一のオブジェクトに結合します。
オブジェクト プロパティ
オブジェクト プロパティは、オブジェクトを表示する前に、評価プロセスの最後に評価されます。これらの値は、名前などのオブジェクトに固有の値か、[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスで指定する設定値です。たとえば、シャドウ キャスティング プロパティや、オブジェクトに適用したマテリアルなどがそれにあたります。
この処理はデータ フローの最後に実行され、結果は名前付きオブジェクトとしてシーンに表示されます。
[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスを表示するには、オブジェクトを右クリックして[オブジェクトプロパティ](Object Properties)を選択します。
オブジェクト プロパティは、オブジェクトのレンダリング出力の見た目に影響を与える。