はじめに

ファイバー フィラーの方向の予測を含む射出成形シミュレーションは、金型充填と成形品の反りの予測およびトラブル シューティングに広く使用されています。近年、二酸化炭素排出量削減を実現する手段として自動車の軽量化に注目が集まっており、荷重下の成形品の構造性能を考慮する設計検証ツールの必要性が高まっています。

繊維充填プラスチックの場合、繊維の方向は構造のパフォーマンスに重大な影響を及ぼします。したがって、プラスチックの繊維配向と非線形異方性の影響を考慮するための構造解析を実行できるシミュレーション ツールが必要です。

射出成形パーツに短繊維強化剤が含まれている場合、強化繊維のローカル配向のために複合材料の弾性、塑性、破壊応答の異方性が高いという事実によって、機械的応答の予測は複雑なものになっています[1]。これらのローカル繊維方向は射出成形プロセス中のフロー条件の空間的な変化のためにパーツ全体にわたって異なるため、さらに複雑さが増します。

したがって、繊維充填され、射出成形されたパーツの機械応答の正確なシミュレーションのために、モデルには次の条件が求められます。
  1. ローカルの繊維の方向によって影響を受ける複合材料の異方性弾性、塑性、および破壊応答を正確に表現する
  2. パーツ全体のローカル繊維方向の変化を正確に考慮する

次のトピックでは、Advanced Material Exchange を使用して繊維充填、射出成形されたパーツの機械的応答をシミュレートするために Autodesk によって使用される手法の概要を説明します。