Helius PFA 粘性材料の定義

適切なエントリを使用して、ユーザ定義の粘性材料を定義します。

Helius PFA のユーザ定義の粘性材料をまとめて定義するエントリは、CONNECT SERVICE、GENUDS、MCOHE、および MATUDS です。Helius PFA のユーザ定義の粘性材料を指定する MSC Nastran バルク データ ファイルからの次のエントリを検討してください。

CONNECT SERVICE hpfa 'autodesk.hpfa'

GENUDS, hpfa

MCOHE, 3002, -1, 0
MATUDS, 3002, MCOHE, hpfa, UCOHES
, REAL, 22, 8.0e+06, 8.0e+06, 8.0e+06, 4000., 3000., 3000.,
,     , 2.0

CONNECT SERVICE エントリは、ユーザ定義のサービスのサービス ID とサービス名を定義します。このエントリは、Helius PFA のユーザ材料サブルーチン ライブラリに接続するために、上記のように定義する必要があります。GENUDS および MATUDS エントリは、CONNECT SERVICE エントリで定義されたサービス ID を参照します。

GENUDS エントリは、荷重ケースの開始、増分の開始、増分の終了、および荷重ケースの終了時に、ユーザのサブルーチンに材料データを渡すように MSC Nastran に指示します。

MCOHE エントリは、はく離のシミュレーションに使用する非線形要素の粘性材料の特性を指定します。3002 は粘性材料の材料 ID 番号です。-1 は、使用するユーザ定義のサブルーチンを指定します。0 は、粘性エネルギー対温度の既定の表の識別子です。

MATUDS エントリは、Helius PFA で使用する拡張された材料モデルを定義します。3002 は粘性材料の材料 ID 番号を示します。MCOHE フィールドは、材料エントリ名を MSC Nastran に指示します。hpfa フィールドは、CONNECT SERVICE ステートメントに使用されるグループ名を MSC Nastran に指示します。UCOHES は、エントリに関連付けられているユーザ サブルーチン名を MSC Nastran に指示します。REAL キーワードは、次に続くデータに real の文字タイプがあることを示します。次に続くフィールドは、指定された粘性材料に対するユーザ材料定数を表します。

注: 個別の MCOHE と MATUDS エントリが、解析で使用する各 Helius PFA 粘性材料に対して必要です。

ユーザ材料定数

どの Helius PFA 粘性材料でも、ユーザ材料定数の数は、8~11 の範囲内である必要があります。「付録 B」には、各ユーザ材料定数の詳細な説明があり、各定数の許容値の範囲、各材料を表すために使用する構成関係に各定数が与える影響などを参照できます。Helius PFA 粘性材料を使用した解析でよく定義される各ユーザ材料定数のリストと簡単な説明を次に示します。特定のユーザ材料定数の詳細な説明については、「付録 B」の該当セクションを参照してください。

  1. 損傷基準: この 1 番目のユーザ材料定数は、損傷の開始および損傷の進展基準を選択します。2 桁の整数で、10 の位は損傷の開始基準の選択を示し、1 の位は損傷の進展タイプの選択を示します。損傷の開始フラグは、最大表面力には 1 を、二次ベースの基準には 2 を指定できます。損傷の進展フラグは、変位ベースの軟化には 1 を、エネルギー ベースの軟化には 2 を、または混合モードべき乗則を使用したエネルギー ベースの軟化には 3 を指定できます。たとえば、1 番目のユーザ材料定数が 12 である場合、最大表面力の損傷の開始基準がエネルギー ベースの軟化法則とともに使用されます。
  2. 剛性: ユーザ材料定数 2~4 は、法線、第 1 せん断、第 2 せん断方向における材料剛性を指定します。
  3. 強度: ユーザ材料定数 5~7 は、法線、第 1 せん断、第 2 せん断方向それぞれに損傷が開始する前に、材料が保持できる最大表面力を指定します。
  4. 変位ベースの損傷の進展: 変位ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 破損時の有効な変位: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、完全な破損時と損傷の開始時の有効な変位の違いを定義します。
  5. エネルギー ベースの損傷の進展: エネルギー ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 合計破断エネルギー: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。数学的には、これは表面力-分離曲線の下側の領域です。
  6. エネルギー ベースの損傷の進展(混合モードべき乗則): 混合モードべき乗則を使用したエネルギー ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 法線方向モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、純粋な法線方向モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • 第 1 せん断モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 9 は正の数値で、純粋な第 1 せん断モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • 第 2 せん断モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 10 は正の数値で、純粋な第 2 せん断モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • べき乗則指数(Alpha): ユーザ材料定数 11 は、べき乗則関数で使用される正の指数で、損傷した粘性材料の軟化速度を決定するために使用されます。