損傷の進展

破損開始後の損傷の進展を制御します。

複合材料が引張荷重の下で破損すると、材料の亀裂が進んで最終的には材料が 2 つ以上の破片に分裂し、破損した領域が荷重をサポートできなくなります。しかし、複合材料が圧縮負荷の下で破損した場合、破損した領域はあるレベルの残留荷重をサポートすることができます。このように、複合材料が引張荷重の下で破損すると、その領域の剛性は本質的にゼロとなり、一方、圧縮荷重の下で破損した領域の剛性はまだ力を持っています。破損した材料の破損後剛性は荷重に関わらず同じであるため、標準の Helius PFA 材料はこの効果を捉えません。 これは、破損後剛性が予期される荷重に対して適切でなければならないことを意味します。この問題を解決するため、*DAMAGE EVOLUTION キーワードでは、引張荷重および圧縮荷重に対して繊維の破損後剛性の値(瞬間的な劣化)または繊維の臨界破断エネルギー(エネルギー ベースの劣化)を入力することができます。対象の材料が正しく識別されるようにするには、このキーワードの前に *MATERIAL キーワードを指定する必要があります。

瞬間的な劣化

*DAMAGE EVOLUTION, TYPE=DISCRETE
MPFS, FTPFS, FCPFS

ここで、MPFS は母材の破損後剛性比率、FTPFS は繊維引張の破損後剛性比率、FCPFS は繊維圧縮の破損後剛性比率です。

エネルギー ベースの劣化

*DAMAGE EVOLUTION, TYPE=ENERGY, ETHICK=element thickness
GCM, GCTF, GCCF

ここで、GCM は母材の臨界破断エネルギー、GCTF は繊維引張の臨界破断エネルギー、GCCF は繊維圧縮の臨界破断エネルギーです。ETHICK パラメータは必須で、平均要素厚さを指定するために使用されます(「付録 A.10」を参照)。

*MATERIAL, NAME=AS4_3501
*DAMAGE EVOLUTION, TYPE=DISCRETE
0.01, 1.0E-6, 0.1

*MATERIAL, NAME=IM6_5201
*DAMAGE EVOLUTION, TYPE=ENERGY, ETHICK=0.008
15, 130, 180
注: この機能は、織物材料ではサポートされていません。