特性

積層の有効な工学的特性を決定します。

積層の有効な工学的特性は、[積層特性]ウィンドウの[特性]タブを選択して計算します。[積層]タブで積層の定義が完了したら、[計算]ボタンをクリックして積層の工学的特性を計算します。Helius Composite は積層の 2D および 3D の特性を計算し、[特性]タブの[2D]および[3D]表示領域に結果を表示します(下の図を参照)。

注: この機能は、ファイル ツリーで既存の積層を右クリックし、[積層の工学的特性]を選択して表示させることもできます。

積層の工学的特性が表示されると、[特性]タブで次の 3 つのオプションを実行できるようになります。
  1. [ヤング率をプロット]: このボタンにより、伸張係数、曲げ係数、せん断係数の棒グラフを表示できます。この機能は、係数による違いの大きさを視覚化する場合に特に便利です。
  2. [CTE をプロット]: このボタンにより、全部で 6 種類の積層の熱膨張係数を示す棒グラフを表示できます。これには 3 種類の伸張係数(CTEx、CTEy、CTExy)と 3 種類の曲率係数(CTExk、CTEyk、CTExyk)があります。この機能は、CTE 間の大きさを視覚化する場合に特に便利です。曲率の CTE は、積層の非対称またはバランスの取れていない特質の大きさを示すことができるので、特に興味深いでしょう。CTE プロットで示される曲率係数の大きさが伸張係数よりも大きいまたは等しい場合はいつでも、積層にある程度の反りが見られます。
  3. [単層特性に追加]: このボタンにより、現在の積層の有効な 3D 特性と同等な特性を持つ新しい積層材料を自動的に作成できます。新しい積層材料の名前は、現在の積層の名前と同じになります。新しい積層材料は材料データ ファイル ツリーの積層ブランチの下位に表示されます。

以下のリストで、[積層の工学的特性]の機能によって計算される 2D および 3D の積層特性の一部について概要を示します。

積層の伸張係数とせん断係数:

EX (psi)
グローバル X 方向における積層の有効なヤング率
EY (psi)
グローバル Y 方向における積層の有効なヤング率
EZ (psi)
グローバル Z 方向における積層の有効なヤング率
Gxy (psi)
グローバル XY 平面における積層の有効なせん断係数
Gxz (psi)
グローバル XZ 平面における積層の有効なせん断係数
Gyz (psi)
グローバル YZ 平面における積層の有効なせん断係数

積層のポアソン比:

NUxy
グローバル X 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル Y 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
NUyx
グローバル Y 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル X 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
NUxz
グローバル X 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル Z 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
NUzx
グローバル Z 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル X 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
NUyz
グローバル Y 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル Z 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
NUzy
グローバル Z 方向における積層中立面の伸張の強制に反応して、グローバル Y 方向における積層中立面の自由収縮として解釈されるポアソン比。
注: ポアソン比の対応するペアの間には、次の関連性があります。

積層の曲げ特性:

Exb (psi)
グローバル YZ 平面における積層の曲げ係数。
Eyb (psi)
グローバル XZ 平面における積層の曲げ係数。
Gxyb (psi)
グローバル Z 方向で変位を発生させる、ねじれ変形に関連付けられた積層のねじれ係数。

熱変形係数:

CTEx (in/in/F)
グローバル X 方向における積層の熱膨張係数です。この係数は、等分布の温度変化によるグローバル X 方向における積層中立面の自由膨張または自由伸張に影響を与えます。
CTEy (in/in/F)
グローバル Y 方向における積層の熱膨張係数です。この係数は、等分布の温度変化によるグローバル Y 方向における積層中立面の自由膨張または自由伸張に影響を与えます。
CTExy (in/in/F)
グローバル XY 平面における熱せん断係数です。この係数は、等分布の温度変化によるグローバル XY 平面における積層中立面の自由面内せん断変形に影響を与えます。
CTExk (in/in/F)
グローバル YZ 平面における曲率係数です。この係数は、等分布の温度変化によるグローバル YZ 平面における積層中立面の自由曲げに影響を与えます。
CTEyk (in/in/F)
グローバル XY 平面における曲率係数です。この係数は、等分布の温度変化によるグローバル XZ 平面における積層中立面の自由曲げに影響を与えます。
CTExyk (in/in/F)
グローバル Z 方向における変位に関連付けられた熱ねじれ係数です。この係数は、等分布の温度変化による積層中立面の自由面外ねじれに影響を与えます。
注: 下の図では、積層の熱膨張係数と曲率係数のそれぞれに関連付けられた自由熱変形を示しています。

湿度膨張係数:

湿度膨張係数(CME)は、前述の熱膨張係数に完全に似ています。唯一の違いは、変形の大きさが等分布の温度変化に依存するのではなく、等分布の湿度の割合の変化に依存することです。