デフォーマノードの例

このセクションでは、デフォーマノードの一例である yTwistNode プラグインについて説明します。このプラグインは、Maya Developer Kit で提供されています。

プロキシデフォーマノードを実装する

ytwist クラスは MPxGeometryFilter を継承し、1 つの仮想メソッド deform()を定義します。

class yTwist : public MPxGeometryFilter
{
public:
                         yTwist();
    virtual              ~yTwist();

    static  void*        creator();
    static  MStatus      initialize();

    // deformation function
    virtual MStatus      deform(MDataBlock&  block,
                         MItGeometry&        iter,
                         const MMatrix&      mat,
                         unsigned int        multiIndex);

public:
    // yTwist attributes
    static  MObject     angle;          // angle to twist    
    static  MTypeId        id;

private:

};

プラグインの初期化

新しいデフォーマノードは、プラグインの初期化時に MFnPluguin の registerNode() メソッドで登録する必要があります。

MStatus initializePlugin( MObject obj )
{
	MStatus result;
	MFnPlugin plugin( obj, PLUGIN_COMPANY, "3.0", "Any");
	result = plugin.registerNode( "yTwist", yTwist::id, yTwist::creator, 
								  yTwist::initialize, MPxNode::kDeformerNode );
	return result;
}

デフォーマノードを削除するには、MFnPlugin の deregisterNode()メソッドをコールして、これらのプラグインの登録を解除する必要があります。

MStatus uninitializePlugin( MObject obj)
{
    MStatus result;
    MFnPlugin plugin( obj );
    result = plugin.deregisterNode( offset::id );
    return result;
}

デフォーマのアトリビュートを追加する

プロキシノードに対して新しいアトリビュートを追加し構成する場合、initialize() メソッドを使用します。以下の例では、angle アトリビュートがノードに追加され、接続可能になっています。入力アトリビュート angle へのすべての変更は、出力アトリビュート outputGeom に作用します。

MStatus yTwist::initialize()
{
	// local attribute initialization
	//
	MFnNumericAttribute nAttr;
	angle=nAttr.create( "angle", "fa", MFnNumericData::kDouble );
	    nAttr.setDefault(0.0);
	    nAttr.setKeyable(true);
	addAttribute( angle); 

	// affects
	//
    attributeAffects( yTwist::angle, yTwist::outputGeom );

	return MS::kSuccess;
}

deform メソッド

deform() メソッドは、変形を計算するためのアルゴリズムを実装します。

yTwist クラス内で、deform()メソッドは yTwist アルゴリズムを使用してポイントを変形します。ジオメトリのデータは MDataHandle によってデータブロックから抽出され、ジオメトリの各ポイントを変形します。deform() メソッドは、変形の成功を示すため MS::kSuccess を返します。これが返らない場合、変形時に無効なデータ入力やメモリ不足などの問題が発生しています。

このメソッドには、4 つの必須の引数があります。block 引数は、ジオメトリの情報の保存先となる、ノードのデータブロックを表します。iter 引数は、変形するジオメトリのイテレータです。m はローカル空間からワールド空間にポイントをトランスフォームするのに使用される行列です。multiIndex は、要求した出力ジオメトリのインデックスです。yTwistNode のサンプルでは、block 引数と iter 引数のみが使用されます。

MStatus
yTwist::deform( MDataBlock& block,
				MItGeometry& iter,
				const MMatrix& /*m*/,
				unsigned int /*multiIndex*/)

{
	MStatus status = MS::kSuccess;
	
	// determine the angle of the yTwist
	//
	MDataHandle angleData = block.inputValue(angle,&status);
	McheckErr(status, "Error getting angle data handle\n");
	double magnitude = angleData.asDouble();

	// determine the envelope (this is a global scale factor)
	//
	MDataHandle envData = block.inputValue(envelope,&status);
	McheckErr(status, "Error getting envelope data handle\n");	
	float env = envData.asFloat();	

	// iterate through each point in the geometry
	//
	for ( ; !iter.isDone(); iter.next()) {
		
		MPoint pt = iter.position();

		// do the twist
		//
		double ff = magnitude*pt.y*env;
		if (ff != 0.0) {
			double cct= cos(ff);
			double cst= sin(ff);
			double tt= pt.x*cct-pt.z*cst;
			pt.z= pt.x*cst + pt.z*cct;
			pt.x=tt;;
		}

		iter.setPosition(pt);
	}
	return status;
}

この例では、頂点単位のウェイトはデフォーマに使用されません。頂点単位のウェイトの一例として Developer Kit サンプル offsetNode を参照してください。これは、MPxDeformerNode を継承し、weightValue()を使用して各頂点、CV、ラティスポイントのウェイト値を取得します。この例でも、アクセサリノードを実装する方法を示します。

その他のメソッド

その他にも、MPxGeometryFilter には、プラグインで次のことを可能にするメソッドがいくつかあります。

重要な修正イベントを受け取る
ポイントのセットの編集時における特殊なケースを扱う(セットからすべてのポイントが削除され、そのあと再び追加された場合に、古い入出力インデックスを使用して再接続する)

デフォーマ ノードの例

プロキシ デフォーマ ノードを実装する