このセクションは、選択したオブジェクトのシェイプ ノードで見つかります。シェイプ ノードのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)の mental ray セクションを展開して、これらのオプションを表示します。
透明度の可視(Visible In Transparency)、透明度の伝播(Transmit Transparency)、反射のトレース(Trace Reflection)、屈折の伝播(Transmit Refraction)、ファイナル ギャザーの投影(Final Gather Cast)、ファイナル ギャザーの受像(Final Gather Receive)オプションは、既定ではオンです。
ほとんどのケースで、これらのオプションはオンのままにしておきます。たとえば、透明光線と屈折光線がオブジェクトを透過するようにしたり、反射光線をシーンを通じて数回反射させたりします。
ただし、これらのオプションの 1 つまたは複数をオフに切り替えて、シーンをカスタマイズするケースもあります。これらのアトリビュートをそれぞれオフにすることで得られる効果については、以下の説明を参照してください。
オブジェクトが透明なオブジェクトの後ろに位置する場合に、オブジェクトが可視でないようにするには、このオプションをオフにします。
透明光線がオブジェクトを透過せず、オブジェクトが不透明であるかのように扱うには、このオプションをオフにします。
反射光線がオブジェクトに当たるとすぐに停止し、1 つのシーン内で複数回バウンスすることのないようにするには、このオプションをオフにします。
透明光線はオブジェクトを透過させるが、屈折光線は透過させないようにするには、このオプションをオフにします。オブジェクトのシェーダ ノードのレイ トレース オプション(Raytrace options)セクションにある屈折率(Refractive Index)と組み合わせて使用します。
オブジェクトでライトがファイナル ギャザーに作用しないようにするには、このオプションをオフにします。
オブジェクトがファイナル ギャザー ライトを受けないようにするには、このオプションをオフにします。
オブジェクトのファイナル ギャザーの投影(Final Gather Cast)とファイナル ギャザーの受像(Final Gather Receive)の両方がオフの場合でも、選択したオブジェクトの周辺領域が暗くまたはシャドウがかかって表示されることがあります。このエフェクトが発生するのは、オブジェクトでライトがファイナル ギャザーに作用しないものの、ファイナル ギャザーの光線が依然としてオブジェクトに当たっており、オブジェクトが暗いと解釈されるためです。
レンダー プロキシ .mi ファイルを選択し、ベース ジオメトリ プレースホルダの代わりにレンダー プロキシをレンダーします。
ベース ジオメトリの各インスタンスに対して、ベース ジオメトリをレンダリングするか、またはそれをレンダー プロキシと置き換えるか選択することができます。インスタンス単位のレンダリング可能(Renderable)フラグを使用します。詳細については、レンダリング可能(Renderable)を参照してください。
レンダー プロキシ バウンディング ボックス アトリビュートとレンダー プロキシ ジオメトリの両方を使用して、プレースホルダ オブジェクトを更新します。これが既定の設定です。
レンダー プロキシ ジオメトリは使用せずにレンダー プロキシ バウンディング ボックスのみを使用して、プレースホルダ オブジェクトを更新します。
レンダー プロキシ バウンディング ボックス アトリビュートは使用せずにレンダー プロキシ ジオメトリのみを使用して、プレース ホルダ オブジェクトを更新します。
プレースホルダ オブジェクトを更新しません。
最小サンプル レベル(Min Sample Level)と最大サンプル レベル(Max Sample Level)アトリビュートで、選択したオブジェクトに使用するサンプルの範囲を設定します。各オブジェクトに設定された最小および最大サンプル レベルの値は、グローバルな最小および最大サンプル レベルの値によってバインドされます。グローバル サンプル レベルの値の詳細については、アンチエイリアシングの精度(Anti-Aliasing Quality)を参照してください。
これは、イメージ処理で使用されるピクセル単位での、オブジェクト特定の最小サンプル数です。この値は、グローバルな最小サンプル レベルの値にクランプされます。たとえば、オブジェクト特定の最小サンプル レベルが -1 に設定され、グローバル最小サンプル レベルが 1 に設定されている場合、グローバル設定の 1 が使用されます。必要に応じて Maya は、アンチエイリアシングのコントラスト(Anti-aliasing Contrast)(適応可能)設定に基づいてこのサンプル数を増加させます。
これは、イメージ処理で使用されるピクセル単位での、オブジェクト特定の最大サンプル数です。この値は、グローバル最大サンプル レベルの値にクランプされます。たとえば、オブジェクト特定の最大サンプル レベルが 3 に設定され、グローバル最大サンプル レベルが 2 に設定されている場合、グローバル設定の 2 が使用されます。
このアトリビュートでは、ラスタライザのシェーディング サンプルをオブジェクト単位で制御します。ラスタライザに関する詳細については、「レンダー設定: mental ray タブ」を参照してください。
これがオンの場合、レンダー設定ウィンドウ(Render Settings)ウィンドウで設定したグローバル ファイナル ギャザー設定を、オブジェクトがオーバーライドします。
間接照明を計算するためにファイナル ギャザリングの各段階で放射されるレイの数を制御します。既定値はサンプル ポイントごとに 1000 ですが、テスト レンダー(数時間かかる)では高めに設定される傾向があります。テスト レンダリングは、100 または 200 ぐらいの低い値で十分です。最終レンダーではこれより高く設定する必要があります。この値を大きくするとノイズは減りますが、レンダリング時間が長くなります。
最大半径(Max Radius)と最小半径(Min Radius)は、ファイナル ギャザー(Final Gather)レイが別のサーフェスから放射照度情報を検索するときのサンプリング領域のサイズを制御します。
Maya は既定値を使ってレンダー スピードを上げるために適切と思われる値をシーンの寸法に基づいて計算しますが、この計算では複雑なジオメトリを考慮できません。通常、最大半径(Max Radius)にはシーン全体の寸法の 10% の値を入力し、最小半径(Min Radius)には 0.0 の値を入力します。シーン内でジオメトリがどのように配置されているか、レンダーがどのように見えるかなど、ジオメトリの詳細に基づいてさらに調整する必要があります。たとえば、小さめの半径を使用して、シーン内の隅々にまで及ぶような優れたディテールを実現します。
このオプションは、ファイナル ギャザー レイの最小半径(Min Radius)と最大半径(Max Radius)をオブジェクト空間ではなく、ピクセル サイズで計算します。これによって、オブジェクトまたはシーンの大きさを知らなくても、ピクセル サイズで視覚的な画質を設定できます。
ファイナル ギャザー(Final Gather)で斑点除去フィルタを使用して、極端に明るいサンプルが、サンプリング領域に格納されたエネルギー全体を歪めないようにする方法を制御します。
隣接するサンプルがフィルタリングされ、極端な値はフィルタ サイズで切り捨てられます。既定のフィルタ サイズは 1 です。この値を 0 に設定すると、斑点除去が無効になります。そのため、斑点は除去できませんが、極端に低い精度の設定によってイメージ全体の明るさが正確になる可能性があります。この値を 1 より大きくすると、より斑点が除去されますが、サンプルのコントラストが弱くなります。この値を 4 より大きくすると正常に機能しなくなります。
これがオンの場合、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウで設定したグローバル イルミネーション設定を、オブジェクトがオーバーライドします。
グローバル イルミネーションの局所的な強さを計算するために使用されるフォトンの数を変更します。既定値は 64 です。数値が大きくなるほど、グローバル イルミネーションが滑らかになりますが、レンダー時間が長くなります。
mental ray for Maya がグローバル イルミネーションのために考慮するフォトンの最大距離を制御します。0 (既定値)のままにした場合、mental ray for Maya はシーンのバウンディング ボックス サイズに基づいて適切な半径を計算します。結果の画質が荒くなり過ぎた場合は、この値を大きくする(1 から始めて 2 以下の範囲で少しずつ増やす)ことによってノイズは減りますが、よりぼやけた結果になります。ブラーを減少させるには、光源から放出されるグローバル イルミネーション フォトンの数(GI の精度(Global illumination Accuracy))を増やす必要があります。
これがオンの場合、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウで設定したグローバル コースティクス設定を、オブジェクトがオーバーライドします。
コースティクスの輝度を測定するために使用するフォトンの数を制御します。既定値は 64 です。この値を大きくする(100 以下から始めて少しずつ増やす)ほどコースティクスが滑らかになります。
mental ray for Maya が、コースティクスのために考慮するフォトンの最大距離を制御します。0 (既定値)のままにした場合、mental ray for Maya はシーンのバウンディング ボックス サイズに基づいて適切な半径を計算します。結果の画質が荒くなり過ぎた場合は、この値を大きくする(1 から始めて 2 以下の範囲で少しずつ増やす)ことによってノイズは減りますが、よりぼやけた結果になります。ブラーを減少させるには、光源から放出されるコースティクス フォトンの数(コースティクスの精度(Caustic Accuracy))を増やす必要があります。
このオプションをオンにすると、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウで設定したグローバル最大ディスプレイスメント(Max Displace)設定を、オブジェクトがオーバーライドします。
オブジェクト コントロール ポイントに適用される法線方向への最大ディスプレイスメントを指定します。これによって、必要な場合に焦点テッセレーションに対して自動化される変形具合の範囲を制御できます。シーンにディスプレイスメント オブジェクトがある場合、この値を設定します。詳細については、最大ディスプレイスメント(Max Displace)を参照してください。
mental ray for Maya を使用してアンビエント オクルージョンのテクスチャのベイク処理を実行すると、これらの設定を切り替えることで、オブジェクトがアンビエント オクルージョンを投影するか受像するかをコントロールできます。