共通のサーフェス マテリアル アトリビュート

次のアトリビュートは、ほとんどのサーフェス マテリアルで共通して使用されます。

マテリアルの特定のスペキュラ シェーディング アトリビュートについては、個々のマテリアルを参照してください。たとえば、異方性(Anisotropic)マテリアルのスペキュラ シェーディング アトリビュートについては、異方性(Anisotropic)を参照してください。

タイプ(Type)

マテリアルの基本タイプ(Blinn シェーダ(Blinn)Phong シェーダ(Phong)など)

マテリアルのタイプを変更すると、変更前と変更後のタイプに共通のアトリビュート値(設定)だけが保持されます。たとえば、Blinn シェーダ(Blinn)マテリアル(カラー(Color)アトリビュートとスペキュラ カラー(Specular Color)アトリビュートがある)から Lambert シェーダ(Lambert)マテリアル(カラー(Color)アトリビュートはあるがスペキュラ カラー(Specular Color)アトリビュートはない)にマテリアルを変更すると、カラー(Color)設定は保持されますが、スペキュラ カラー(Specular Color)設定は失われます。

カラー(Color)

既定のマテリアル カラーです。

Maya にはカラーに関するさまざまな操作法が用意されています。以下は、一般的なカラー操作法の例です。

  • オブジェクトに適用されているマテリアルのカラー(Color)アトリビュートを調整して、オブジェクトの基本カラーを変更することができます。マテリアルのノード アトリビュートの詳細については、レンダー ノードのアトリビュートを参照してください。
  • テクスチャを、カラー(Color)アトリビュートのマテリアルに対するカラー マップとして適用します。
  • ランプ シェーダ(Ramp Shader)を使用して、ライトとビューの角度による色の変化を更に細かく制御します。さまざまな変わったマテリアルをシミュレートしたり、既存のシェーディングを細かく微調整したりすることができます。
  • ブレンド カラー(Blend Colors)クランプ(Clamp)ガンマ補正(Gamma Correct)などのユーティリティを使用して、適用したテクスチャのカラーの拡張、強化、操作を行います。たとえば、カラーのブレンド、コントラストの調整、HSV から RGB への変換をすることができます。カラー ユーティリティの詳細と用途については、「ユーティリティ ノード」を参照してください。
透明度(Transparency)

マテリアル カラーと透明度です。透明度(Transparency)の値が 0 (黒)の場合には、サーフェスは完全に不透明です。値が 1 (白)の場合には、サーフェスは完全に透明です。

オブジェクトを半透明にするには、透明度(Transparency)アトリビュートをグレースケール値で設定するか、マテリアルのカラー(Color)アトリビュートと同じ値に設定します。既定値は 0 (黒)です。透明度(Transparency)を既定の黒(0)から変更すると、マテリアルのハイパーシェード(Hypershade)スウォッチのバックグラウンドが格子パターンになります。これはビジュアルな補助機能で、レンダーはされません。

次のような方法で、オブジェクトの透明度を扱うことができます。

  • オブジェクトに適用されているマテリアルの透明度アトリビュートを調整すると、オブジェクトの透明度レベルを変更できます。マテリアルのノード アトリビュートの詳細については、レンダー ノードのアトリビュートを参照してください。
  • オブジェクトが不透明、透明、または半透明な領域を指定するには、テスクチャを透明度マップとしてマテリアルの透明度アトリビュートに適用します。
注: マテリアルにスペキュラ ハイライトがある場合、ハイライトは透明度の設定に作用を受けません。したがって、透明度アトリビュートでアニメートすることでオブジェクトが消えるようにしたい場合、スペキュラ ハイライトのアトリビュートをアニメートしなければならないこともあります。
アンビエント カラー(Ambient Color)

既定では黒に設定されます。つまり、マテリアルのカラー(Color)アトリビュートに作用しません。アンビエント カラー(Ambient Color)アトリビュートを明るくすると、マテリアルにライトが照らされ、2 つのカラーが混ざり合って、マテリアルのカラー(Color)アトリビュートが影響を受けます。シーン中にアンビエント ライトがある場合、これらの光のカラーと明るさは、アンビエント ライトがマテリアルの最終的なカラーに与える影響の大きさをコントロールするのに使用されます。

白熱光(Incandescence)

マテリアル自身から放出されるように見えるライトのカラーと輝度。白熱光オブジェクトは他のオブジェクトを照らしません(光源にはなりません)。たとえば、溶岩をシミュレートする場合は、白熱光(Incandescence)アトリビュートを明るい赤色に設定します。既定値は 0 (黒)です。

ヒント:
  • 白熱光を当てるとサーフェスは発光しているように見えますが、サーフェスがシーン内で光源として機能するわけではありません。
  • 白熱光(Incandescence)を少し使用して植物群を作成すると、自然に見えます。
バンプ マッピング(Bump Mapping)

バンプ マップ テクスチャのピクセルの輝度に従って(レンダリング実行中に)サーフェス法線を変更すると、凹凸のある粗い形状のようにサーフェスを見せることができます。バンプ マップによってサーフェスが実際に凹凸に変更されるわけではありません。サーフェスのシルエット(外郭線)はスムーズに見えます。

バンプ マッピングの詳細については、サーフェス レリーフの概要を参照してください。

拡散(Diffuse)

マテリアルが全方向にライトを反射できるようにします。拡散(Diffuse)値はカラー(Color)設定に適用されるスケーリング要素のようなものです。値が高いほど、実際のサーフェス カラーがカラー設定に近づきます。有効な範囲は 0 ~無限大です。スライダの範囲は 0 (0 は光がまったく反射しない状態を意味します) ~ 1 ですが、もっと高い値を入力できます。既定値は 0.8 です。

半透明(Translucence)

マテリアルが光線を伝達、拡散させます。半透明なサーフェスに注ぐ光は最初にサーフェスに吸収された後、すべての方向に拡散されます。既定の 0 に設定すると、オブジェクトを通して光は見えません。1 に設定すると、すべてのライトが通過して表示されます。既定値は 0 です。

ヒント:

半透明(Translucence)アトリビュートを使用すると、さまざまなマテリアル(クラウド、毛皮、毛髪、大理石、ひすい、ワックス、紙、木の葉、花びら、すりガラスの電球など)をシミュレートすることができます。

注:
  • 影を作らないライトによって照らされるサーフェスの半透明(Translucence)値は、0 または無限大(すべてゼロでない値)です。
  • 拡散サーフェスとスポットライトが作る影をシーンが統合する場合は、薄いグリッドのようなアーティファクトが見えます。そのような場合は、スポットライトのフィルタ サイズ(Filter Size)を大きくするか、解像度(Resolution)を小さくしてください。
  • 半透明(Translucence)の値を大きくした場合は拡散(Diffuse)の値を小さくして、色褪せを回避してください。
  • サーフェスの実際の半透明(Translucence)値はライトから受ける照度に基づいて計算され、サーフェスの透明度とはリレーションシップありません。ただし、サーフェスが透明になるほど、拡散する度合いは低くなります。
  • アンビエント ライト(環境光源)は半透明(もしくは拡散)の照度に影響を及ぼしません。
半透明の深度(Translucence Depth)

ライトが半透明のオブジェクト内を拡散的に貫通する方法を指定します。たとえば、ライトがオブジェクトの一方側を照らすと、反対側が部分的に照らされます。このアトリビュートは、クラウド、毛皮、ヘア、大理石、ひすい、ワックス、紙、木の葉などのエフェクトに使用することができます。(このエフェクトを確認するには、レイ トレース シャドウをオンにして、オブジェクトにライトが当たっている様子を表示します)

半透明の深度(Translucence Depth)はワールド空間を基準にしています。0 (既定値)に設定すると、ライトはオブジェクトを通しません。10 に設定すると、オブジェクトがシャドウの投影を受けるポイントから 10 単位先の位置でライトはサーフェスを通過します。

ヒント:

半透明の深度(Translucence Depth)のエフェクトを確認するには、透明度(transparency)を 0 以外の値に設定します。サーフェスを不透明にするには、透明度を 0.0001 などの非常に小さい値に設定します。

半透明の焦点(Translucence Focus)

半透明の焦点(Translucence Focus)値は、ライトの方向に応じてどのくらいライトが拡散するかコントロールします。

たとえば、ワックス紙や蒸気のような、ほとんどのライトがライトの方向に対して小さな角度で拡散される、非常に薄いマテリアルに対しては、高い値を使用します。背後にあるライト ソースから直接ライトを受けるとき、オブジェクトは最も明るく見えます。

注:

スポット ライトが半透明のマテリアルのあるオブジェクトを照らすのに使用されると、半透明の焦点(Translucence Focus)の値を小さくしても、ライトは、ライトが影響する円錐を越えて拡散しません。

葉のような項目には中程度の焦点を使用します。葉は背後からライトを受けると光りますが、前面からライトを受けると白っぽくなりません。

ワックスのような厚いオブジェクトには、低い焦点値を使用します。付加したライトを補正して白っぽくなるのを防ぐには、拡散値を低くしたり全体のカラーを低く(これは周囲のライトにも影響します)したりします。

ヒント:

明るいスペキュラ コンポーネントを持つ非常に輝きのあるオブジェクトに対してはカラー値を低くします。