ネームスペースは、Maya オブジェクト固有の識別方法を提供します。この固有の命名規則は、ネームスペース名の組み合わせにオブジェクトの名前、またはフル DAG パス(オブジェクトが DAG オブジェクトの場合)を追加して生成されます。ネームスペースは、ファイルをオープン シーンで参照または読み込む際に想定されるオブジェクト名のクラッシュの問題を解決します。
ネームスペースを使用すると、2 つのオブジェクトが別のネームスペースにあれば、同じシーンで同じ名前を付けることができます。たとえば、pSphereSoccerBall という名前で、異なるネームスペース soccerGame1 と soccerGame2 を持つ 2 つのオブジェクトをシーンに持たせることができます。
概念としては、ネームスペースはファイル システムの階層構造(ネームスペースはディレクトリ、シーン オブジェクトはファイル)に似ていると考えられます。ネームスペース名を区切るには、コロン(':')記号を使用します。スラッシュ('/')や円記号('¥')は使用しません。
ネームスペースをネストして階層を作成することもできます。ネームスペース階層はルート ネームスペースで始まり、親ネームスペースおよび子ネーム スペースが続きます。ネームスペース階層はネームスペース エディタ(Namespace Editor)を使用して作成することができます。
ネームスペースは、オブジェクトだけでなく、他のネームスペースを含むことができます。オブジェクト同様、1つのネームスペース内い含めるネームスペース名はそれぞれ固有でなければなりません。オブジェクトおよびネームスペースは、1つのネームスペースにしか存在できません。ネームスペース名とオブジェクト名は衝突しないため、1つのネームスペース内であっても、ネームスペースとオブジェクトは同じ名前にすることができます。
ネームスペースは、ネームスペース エディタ(Namespace Editor)を使用して作成および編集することができます。また、ネームスペースは、ファイルを参照する際はリファレンス オプション(Reference Options)ウィンドウ、ファイルを読み込む際は読み込みオプション(Import Options)ウィンドウでも作成することができます。ファイルを参照または読み込む際、参照または読み込み済みファイルの名前を使用するか、文字列をネームスペースとして指定するかを選択することができます。