Bifröst シミュレーションのさまざまな要素は、シーンがをモデリングされるスケールによって異なります。シーン内のオブジェクトのサイズに応じて調整する必要のある設定がいくつかあります。
特に Bifröst では、設定(Settings)プリファレンスの作業単位(Working Units)グループのリニア(Linear)の値が考慮されません。このプリファレンスは、位置の値と polysphere の半径(Radius) などの特定のアトリビュートの、インタフェースにおける表示方法にのみ影響します。具体的には、このプリファレンスが実際に何かのサイズを変更することはありません。
その代わり、リニア(Linear)の作業単位の既定値がセンチメートル(centimeter)に設定されている場合、Bifröst アトリビュートの既定値は、可視グリッド単位の 1 つが 1 メートルと等しいという仮定に基づいています。リニア(Linear)の作業単位をメートル(meter)に変更すると、Bifröst では、グリッド単位の 1 つが 100 メートルとみなされ、ミリメートル(millimeter)に変更すると、0.1 メートルとみなされます。
Bifröst は、速度と密度のような物理的で測定可能な数量の実世界の単位に基づいています。これにより、さまざまなシーン スケールおよびフレーム レートにおいてリアルで期待どおりの結果を得ることができます。
温度は例外で、入力に SI 単位系を使用しません。内部的にはケルビンが使用されますが、値を摂氏度単位で入力して、ビューポートの温度(Temperature)チャネルに数値を表示する場合にケルビン単位の値を確認することができます。Aero シミュレーションの既定の周辺温度は 20.0 で、これはほぼ室温です(°C)。
1 cm = 1 m 以外のスケールでシーンをモデル化する場合は、これらの値の一部を調整する必要があります。たとえば、1 cm = 1 cm のスケールでシーンをモデル化する場合は、重力のマグニチュード(Gravity Magnitude)を 980.0 (9.8 m/s2 = 980.0 cm/s2)に変更する必要があります。水の密度(Density)を 0.001 (1000.0 kg/m3 = 0.00 1kg/cm3)に変更する必要もあります。この場合、各単位が長さとは無関係のため(質量には関係している)、表面張力(Surface Tension)を変更する必要はありません。
ただし、1 cm = 1 cm のスケールでモデル化されている特定のシーンでは、CGS 単位系を使用するほうが簡単な場合があります。距離の cm と密度の g/cm3 に CGS 単位系を使用する場合、表面張力と粘度では、dyn/cm (equivalently g/s2)とポアズ(P, or g/(cm·s))の CGS 単位が自動的に使用されます。これは、基本単位と派生単位の関係は、CGS と SI との関係と同じためです。このとき、重力のマグニチュード(Gravity Magnitude)は 980.0 に戻り、水の場合、密度(Density)は 1.0 で、表面張力(Surface Tension)は 72.0 になります。
実際には任意の単位を使用できます。同じ基本単位(長さや質量など)を一貫して使用し、速度、加速度、密度、表面張力、粘度のような派生単位に適切な値を使用している限り、シミュレーションはほぼリアルなものになります。
もう 1 つの方法としては 1.0 cm = 1.0 m のスケールを維持し、物理的なアトリビュートを既定に保ったまま非常に大きいオブジェクトや非常に小さいオブジェクトをモデル化します。この方法で結果にナビゲートして確認するには、カメラのクリップ プレーンを調整する必要があります。
距離やボクセル サイズが小さくなると速度が高速になるため、小さいスケールでシミュレートするときには、いくつかの特別な考慮事項があります。
具体的には、時間ステップ(Time Stepping)設定と転送ステップ(Transport Stepping)設定を大きくする必要があります(「Bifrost 順応性アトリビュート」を参照してください)。一部のケースでは、高速カメラをエミュレートするためにシーンのフレーム レートを大きくする必要があります。
一滴のように非常に小さいスケールでは、いくつか追加の調整をする必要があります。表面張力(Surface Tension)では、ステップを何度も繰り返しても、常に正確な結果が得られるとは限りません。そのため、リアルに見える結果にフェイクするために、非物理的な精度の値を使用するほうが効率的な場合があります。同様に、一部のケースでは、重力のマグニチュード(Gravity Magnitude)も小さくしたほうが効率がよくなります。
このようなスケールでは、結果に違いを与えない計算を避けるために、速度や水滴などを非アクティブにすることもできます。