基本的なレベルでは、熱快適性は熱伝達のエネルギー バランスによって計算されます。熱伝達の輻射、対流、および伝導の影響は、居住者から発生する熱とのバランスが調整されます。相対湿度や居住者の衣服といったその他のファクタも、一定の影響を及ぼします。
居住者に流入する熱や居住者から流出する熱という観点で熱快適性を簡単に表すと次のようになります。
熱快適性の計算結果は、居住者が寒すぎるのか(負の熱快適性)または暑すぎるのか(正の熱快適性)という評価になります。得られる結果の数値は平均輻射温度、予測平均投票、および予測不満足率です。
平均輻射温度(MRT)は、居住者の吸収率と放射率が放射性の黒体と同じ場合に得られる温度です。これは、人体を取り巻くすべての物体の面積重み付けの平均温度です。
MRT をグローバル スカラーとして結果平面にプロットし、等値面によって居住者の空間全体の温度分布を可視化します。
PMV は、多人数のグループの投票の平均値を 7 つの点の温度感覚尺度で予測する指標です。
値 |
感覚 |
-3 |
寒い |
-2 |
涼しい |
-1 |
若干涼しい |
0 |
どちらでもない |
+1 |
若干温かい |
+2 |
温かい |
+3 |
暑い |
PMV を使用して、居住者に対する部屋の設計の影響を評価します。PMV の表示に最適な場所はモデルのサーフェスです。PMV をプロットするには、モデルを右クリックして[グローバル結果]を選択し、それをメニューから選択します。
この図では、速度は結果平面にプロットされ、PMV はサーフェスにプロットされています。
PMV の値は、居住者があまり快適ではなく、左腕と左足が実際に冷たいことを示しています。
PPD は、PMV によって定められた温度条件に不満な人の割合の量的予測を確立する指標です。PPD は PMV 範囲の終端で最高になります。
この図は同じシナリオの PPD を示しています。
PPD は左腕と左足で最高となり、この居住者について PMV が何を示したのかを裏付けます。
快適性温度とは、空気の温度と平均放射温度(MRT)を平衡させて予測平均票(PMV)が 0 になる温度です。これが最適な熱的快適性になります。
居住者が放射と対流の合計で実環境と同じ量の熱を交換する均一温度です。
参考文献
熱快適性, Fanger, P.O, Danish Technical Press, 1970 (再発行版 McGraw-Hill, New York, 1973)