回転領域材料

モーションモジュールの機能の1つ、回転領域によって、ポンプ・タービン・ミキサーなど、回転機械の解析を行うことができます。

回転領域は、回転する装置を囲む「形状」です。解析が開始してから終了するまで、回転領域は中心線の周りを回転し、回転領域内の固体もすべて回転します。

回転領域の回転定義方法には3種類あります:

回転解析の設定と実行についての詳細

回転領域を適用するには

回転領域を適用する場合、材料タスクダイアログ上の種類プルダウンメニューより回転領域を選択します。

  1. 材料クイック編集ダイアログを開きます。次の方法があります:
    • マウス左ボタンで部品をクリックし、状況依存ツールバーの編集アイコンをクリックします。
    • 部品を右クリックし、編集...をクリックします。
    • デザインスタディバーの材料ブランチの下にある部品名を右クリックし、編集...をクリックします。
    • 材料状況依存パネルで編集をクリックします。
  2. 1つ以上の部品を選択します。
  3. 材料データベース名メニューからデータベースを選択します。
  4. 種類メニューより、回転領域を選択する。
  5. 名前メニューから材料を選択します。
  6. 回転軸を指定するには、回転軸の行でポップアウトダイアログを開き、グローバルX、Y、Z軸のいずれかを選択します。あるいは、サーフェス選択ボタンをクリックし、サーフェスを選択します。この軸は選択サーフェスに対して垂直になります。
  7. 適用をクリックします。

回転の中心は、回転領域のジオメトリに基づいて自動的に計算されます。したがって、回転領域と固体(またはカットアウト)の動翼が同じ中心を持つことが重要である。

注: 回転領域内の固体には固体材料が指定されなければなりません。回転領域内に含まれるすべての固体は回転します。
注: 回転領域に定義される流体特性は隣接する流体領域で定義された材料特性に自動的に決定される。従って、回転領域に接する全ての流体領域では同一の流体材料を定義しなければならない

回転領域材料の適用例

回転領域を作成および編集するには

  1. 材料パネルで材料エディタをクリックし、材料エディタを開きます。
  2. リストボタンをクリックします。
  3. カスタムデータベースを右クリックし、新規材料を選択します。回転領域を選択します。名前を指定します。
  4. 解析の種類を、既知の回転速度、既知の駆動トルク、自由回転から選択します。
  5. 定義したい物性値のボタンをクリックする。
  6. それぞれの物性値について、変化方法を選択し、適切な値と単位を入力し、適用をクリックします。
  7. 必要に応じて、[保存]をクリックします。
  8. OK をクリックします。材料クイック編集ダイアログを開くと、新しい材料を使用できます。

デフォルト材料データベースには、すべての材料タイプに対して最低でも1つのインスタンスが含まれています。新しい材料を作成する際は、デフォルト材料を例として用いるのが便利です。これらの材料は読み取り専用であるため、材料エディタによりオリジナルをカスタムデータベースにコピーし、その内容を変更します。既存材料からの材料の作成についての詳細

回転領域材料の作成例

解析の種類

回転領域を定義するパラメータは、実行する解析によって異なります。既知の回転速度・既知の駆動トルク・自由回転の3つの異なるシナリオがある。材料割当の種類は、前述の手順3の通り、プルダウンメニューより選択できる。

解析の種類 -- 既知の回転速度

回転速度を、ラジアン/秒またはRPMで入力する。

変化方法にテーブルを設定し、回転速度対時間に対するデータポイントを入力すると、可変回転速度を入力できます。

解析の種類 -- 既知の駆動トルク

この方法は、既知の駆動トルク(モーターなどの)によって回転する装置をモデル化する場合に有用です。トルクには、一定の値を入力するか、区分直線近似データテーブルを使用して、時間に依存して変化する値やRPMを入力する。

(指定したトルクの方向は、材料タスクメインダイアログ上で回転方向として設定されます。

装置に作用する抵抗トルクが存在する場合、既知のトルク値からその値を引きます。例えば、既知のモータートルクが100N-mで、抵抗トルクが5 N-mである場合、値は95 N-mとなります。

トルクに加えて、回転装置の慣性力も入力します。これは、一般的に、動翼および軸や軸に接続する物体(モーター、あるいは回転装置がタービンの場合はフライホイールなど)の回転の慣性力です。おおよその慣性力は、動翼・軸・柄のついた付属品の組合せ質量に、平均半径の2乗を掛けると、容易に決定できます。この手法は、装置が定常状態になるまで解析を行う場合に適しています。

詳細な回転速度の時刻歴を所得するために解析を行う場合、より正確な慣性力の値が必要となります。

解析の種類 -- 自由回転

この場合、動翼は、回転速度なしで動き始め、指定された流体荷重に基づいて「回転を開始する」。機械コンポーネントおよび動翼の慣性力を指定しなければなりません。正味の流体トルクが0のとき、一定の回転速度となる。

装置が自由に回転し、既知の抵抗トルクが存在する場合は、以下のように設定します。

  1. 解析の種類に既知の駆動トルクを設定します。
  2. 抵抗トルクを負の値として指定します。

この設定によって、周囲の流体のため装置に回転がつき、正味の流体トルクが0になるときに一定の回転速度が求められる。