プリント基板材料の使用

プリント基板材料を割り当てるには

  1. 材料クイック編集ダイアログを開きます。次の方法があります:
    • マウス左ボタンで部品をクリックし、状況依存ツールバーの編集アイコンをクリックします。
    • 部品を右クリックし、編集...をクリックします。
    • デザインスタディバーの材料ブランチの下にある部品名を右クリックし、編集...をクリックします。
    • 材料状況依存パネルで編集をクリックします。
  2. 1つ以上の部品を選択します。各PCBは、実際のPCBと同じ物理的寸法および形状を持つ3次元のボリュームとしてモデル化する必要があります。PCB内の内部層はモデル化しません。
  3. 材料データベース名メニューからデータベースを選択します。
  4. 種類メニューからプリント基板を選択します。
  5. 名前メニューから材料を選択します。
  6. [適用]をクリックします。

PCB材料を指定する際、方向データは必要とされません。Autodesk® CFD が部品の相対的な寸法に基づいて厚さ方向および平面方向を自動的に判断します。

プリント基板材料を作成するには

  1. 材料パネルで材料エディタをクリックし、材料エディタを開きます。
  2. リストボタンをクリックします。
  3. カスタムデータベースを右クリックし、新規材料を選択します。プリント基板を選択します。名前を指定します。
  4. 定義したい物性値のボタンをクリックする。
  5. それぞれのプロパティに対して適切な値と単位を入力し、適用をクリックします:

    ステップ 5-a: PCB の総厚さ

    全PCB厚さを指定する。このステップでは、プリント基板の物理的な全厚さを指定します。

    1. PCBの総厚さボタンをクリックします。
    2. 厚みフィールド内に単位と併せてプリント基板の厚みを入力します。PCBの厚さには、一定変化方法以外を設定できない。
    3. 適用をクリックして値を保存します。

    この厚さは、CADモデルまたは実際の装置から容易に入手できます。この値、および配線パターン層厚さの合計値を用い、絶縁層の厚さが自動的に計算されます。

    ステップ 5-b: 配線パターンと層厚

    配線パターンと層厚を定義します。このステップでは、配線パターンを構成しているソリッド材料をソリッド材料ライブラリから選択します。この材料は一般的には銅であり、ソリッド材料ライブラリの中にデフォルトとして用意されています。さらに、各層の厚さおよび金属比率も指定します。

    1. 配線パターンと層厚ボタンをクリックします。
    2. 材料ドロップダウンメニューから配線パターン材料を選択します。このメニューには材料データベースに保存されているソリッド材料がすべてリストアップされます。銅はPCBトレース層で最も一般的に使用されている材料です。可変特性を有する材料を選択した場合、このPCB材料の熱伝導率には中間値が使用されます。この特性値は、解析を通じて一定です。(以下を参照)
    3. 各層に1行入力し、 厚さ 金属比率 を指定します。例えば、ある層の 35%が銅である場合は、% Metalの列に35を入力します。
    4. 挿入ボタンをクリックして行を追加し、削除ボタンで行を削除します。
    5. 「.csv」フォーマットの2列で構成される表は、読み込みボタンをクリックすることでインポート可能です。同様に、保存ボタンをクリックすることで入力データを「.csv」ファイルに保存可能です。
    6. 被覆率指数 は、面内熱伝導材料の基板内における銅の配置および濃度の影響を考慮するために使用する重み関数です。デフォルト値は 2 です。 1 は細長い格子またはグリッドに最適であり、2 はスポットまたはアイランドに適用可能です。

      被覆率指数の説明:

        XY平面にあるPCBを例にとります。

        X方向に走る平行な銅配線層が1つあります。配線の幅はすべて同じで、配線幅と同じ間隔で均一に配置されています。被覆率は50%となります。

        X方向の配線層の熱伝達率は、銅が基板全体を覆っていた場合の半分の値になります。X方向の実効被覆率指数は1と等しくなります。

        対照的に、Y方向の熱伝達はFR4層の平面内値のおよそ2倍になります。直列の抵抗はより高い値に支配されるためです。(銅とFR4の熱伝達率の差は3桁違います)。この場合被覆率指数は約4.5と等しくなります。

        実際のPCBではY方向の条件ほど悪くありません。通常、交差する配線やグランド面、ビア等の伝導経路が存在するためです。そのため、代表的な多層PCBでランダムな配線長、配線方向を持つ様々なケースで被覆率指数2を使った実験式を使ったいくつかの論文があります。

        従って、多層で配線方向がランダムな代表的基板については2を使うことを推奨します。

        規則的なグリッド、アレイに従った配線を持つ基板(メモリカード等)には1を使用します。

    7. 適用をクリックすることにより、等価物性値が計算され利用可能になります。

    リストにない材料を使用するには、このダイアログを閉じ、材料タスクダイアログで固体材料に切り替えま。固体材料エディタを使用して希望の固体材料を作成します。この材料がPCB材料のドロップダウンメニューで使用可能になります。

    ステップ 5-c: 絶縁

    絶縁材料を定義します。絶縁材料を構成しているソリッド材料をソリッド材料ライブラリから選択します。この材料は、ソリッド材料データベース内にPCB_プラスチック薄板の名前の下にリストされています。

    一般的に絶縁層は、PCB に剛性を与えるガラス強化ポリマーであり、銅層を上下から挟み込んでいます。このステップでは、絶縁層を構成しているソリッド材料をソリッド材料データベースから選択します。

    1. [基盤材質]ボタンをクリックします。
    2. 基板材質ドロップダウンメニューから絶縁材料を選択します。このメニューには材料データベースに保存されているソリッド材料がすべてリストアップされます。FR4はPCBトレース層で最も一般的に使用されている材料です。
    3. 適用ボタンをクリックして材料を有効化します。
    4. OKボタンをクリックして終了します。

    可変特性を有する材料が選択された場合、x方向の伝導率に対する値のみがPCBの絶縁材料に対して使用されます。この特性値は、解析を通じて一定です。注意:絶縁材料に対し、熱伝導率の異方性はサポートされていない。

    リストにない材料を使用するには、このダイアログを閉じ、材料タスクダイアログで固体材料に切り替え、ます。固体材料エディタを使用して希望の固体材料を作成します。この材料がPCB材料のドロップダウンメニューで使用可能になります。

  6. 必要に応じて、[保存]をクリックします。
  7. OK をクリックします。材料クイック編集ダイアログを開くと、新しい材料を使用できます。

デフォルト材料データベースには、すべての材料タイプに対して最低でも1つのインスタンスが含まれています。新しい材料を作成する際は、デフォルト材料を例として用いるのが便利です。これらの材料は読み取り専用であるため、材料エディタによりオリジナルをカスタムデータベースにコピーし、その内容を変更します。既存材料からの材料作成についての詳細

CFD 2015 またはそれ以前の「ローカル」データベースのカスタム PCB 材料を使用するには

「ローカル」データベース内にカスタム PCB 材料を含む CFD 2016 以前のデザイン スタディ ファイルを CFD 2016 で開く場合は、次の手順を実行して、材料がシミュレーション モデルに正しく適用されるようにします。

  1. [材料エディタ]を開き、PCB 材料を選択します。
  2. [OK]をクリックします。(または、PCB 材料を[マイ マテリアル]などの材料データベースに保存します)。
  3. 部品に PCB 材料を再適用します。

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PCB 材料の作成例

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