CAD 設定とトラブルシューティング

Autodesk Simulation Mechanical ソフトウェアでは、各種市販の CAD パッケージから、CAD モデルを開くことができます。また、いくつかの特定の CAD ソリッド モデラに対しては、プログラム間で直接データ転送をして、ジオメトリ情報を取得できます。具体的には、次のパッケージから直接 CAD の転送を可能とするプログラム アドインが利用できます。

注: アスタリスク(*)でマークされた製品のアドインは、自動的にはインストールされません。Simulation Mechanical のインストールが完了した後、または関連付けられている CAD パッケージの 1 つを Simulation のワークステーションに追加した後、CAD 環境設定プログラムを手動で起動する必要があります。Simulation Mechanical インストール フォルダにある次のプログラムを探します(既定で c:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx)
SimMechConfig.exe

アドインのインストール プロセスを開始するには、この実行可能ファイルをダブルクリックします。ダイアログ ボックスが開き、使用可能な CAD アド インの一覧が表示されます。インストールするかどうかを指定するには、各アドインの横にあるチェックボックスを使用します。CAD パッケージの互換性のあるバージョンがシステム上に存在しない場合は、関連するオプションは無効になります。

自動プロセスが動作しない場合の対策として、いくつかのトラブルシューティングのヒントを以下に示します。各 CAD パッケージ用のセクション、さらに「一般的なトラブル シューティング」セクションも参照してください。

このページの情報は、Windows オペレーティング システムにのみ適用されます。

ほとんどのトラブル シューティング プロセスでは、コンピュータの管理者権限が必要になります。

Pro/ENGINEER および Creo Parametric のトラブルシューティング

Simulation Mechanical 用 Pro/ENGINEER または Creo Parametric アドインをインストールするために SimMechConfig.exe を実行する場合、次の 4 つの情報を入力する必要があります。

  1. 使用している Pro/ENGINEER バージョン。
    • Pro/E V2001 以降の 32 ビット版では、[Pro/ENGINEER 2001 (およびそれ以降)]を選択します。
    • Pro/E (Creo Parametric ではない)の 64 ビット版では、[64 ビット Pro/ENGINEER]を選択します。
    • Creo Parametric では、[Creo Parametric 1.0 および 2.0]を選択します。
  2. Pro/ENGINEER を起動する .bat または .exe ファイルのパス。[参照]をクリックして、必要なファイルを見つけます。Pro/ENGINEER または Creo Parametric のインストール フォルダ セット内の bin サブフォルダにあります。
  3. Pro/ENGINEER のメッセージ実行可能ファイル(pro_comm_msg.exe)のパス。[参照]をクリックして、必要なファイルを見つけます。
  4. Pro/ENGINEER のインストール フォルダのパス。[参照]をクリックして、必要なファイルを見つけます。
注: Pro/ENGINEER または Creo Parametric のバージョンに応じて、手順 3 および 4 のパスは、手順 2 でパスを指定するとすぐに自動的に入力される場合があります。

Pro/ENGINEER または Creo Parametric と Simulation Mechanical 間のリンクの詳細は、補助アプリケーション情報ウィンドウ内に表示されます。

[ツール] [ユーティリティ] [補助アプリケーション] [情報]に移動します。

EXE path: 行には、Simulation Mechanical への接続に使用される dll ファイルが示されます。表示される .dll ファイル名は、Pro/ENGINEER および Creo Parametric の異なるバージョン間で異なります。情報ウィンドウの一般的な内容を以下に示します。

==================================================
Auxiliary application Information
==================================================

Application 0: Autodesk Simulaiton for Creo
Exec path: C:\Program Files\Autodesk\Simulation 20xx\PEMnu81-win-x64.dll
Text path: C:\Program Files\Autodesk\Simulation 20xx
Version 29 - 2009440
Application is running.
注: 通常、Autodesk Simulation アドインは、[補助アプリケーション]ダイアログ ボックスには表示されません。したがって、そこからアドインを開始または停止することはできません。アドインが実行されている場合は、[補助アプリケーション]ダイアログ ボックスの[情報]をクリックしてアクセスする情報ウィンドウ内に、アドインは表示されます。

Pro/ENGINEER 2000 ~ Wildfire 5 (Creo Elements とも呼ばれる):

Wildfire 5 までの Pro/ENGINEER バージョンでは、現在のモデルの簡略化または Simulation Mechanical にモデルを転送するコマンドは、Autodesk Simulation プルダウン メニューにあります。Pro/ENGINEER と Simulation Mechanical 間のリンクは、Pro/E の config.pro ファイルと、Simulation Mechanical インストール フォルダ内の text サブフォルダにある protk.dat ファイルに存在します。Autodesk Simulatio プルダウン メニューが表示されない場合、または一部のユーザのみに表示される場合は、config.pro が正しいかどうかをご確認ください。イントラリンクを使用していると、ユーザによっては、別の config.pro ファイルがネットワークからコピーされていることが問題になることがよくあります。

注: 標準の Pro/ENGINEER インストールでは、config.pro ファイルが複数インスタンス存在する可能性が高くなります。Pro/ENGINEER インストール フォルダ内の text サブフォルダにある同ファイルには、Autodesk Simulation への接続に必要なデータが含まれています。

次の行が、config.pro ファイルに含まれている必要があります。

!BEGIN SETUP
!============================= 
!== Setup == 
!============================= 
PROTKDAT C:\Program Files\Autodesk\Simulation 20xx\text\protk.dat 
!END ALGOR SETUP 

C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx は、Autodesk Simulation Mechanical のインストール場所のパスです。既定のインストール パスと異なる場合は、適切なパスに置き換えます。

イントラリンクと Pro/ENGINEER(64 ビット版)を使用している場合は、環境変数 PATH に agsdb_ar.dll (agsdb_ar-win-x64.dll)ファイルの 64 ビット版があるフォルダのパスが含まれている必要があります。現在の Simulation Mechanical バージョンでは、i86 (32 ビット)、およびこのファイルの x64 (64 ビット)版はどちらも最上位のプログラム インストール フォルダにあります。既定のパスは、C:\Program Files\Autodesk\Simulation 20xx です。環境変数の設定については、IT 部門に相談してください。

Autodesk Simulation のアドイン アプリケーションが情報ウィンドウに表示されない場合は、次の手順を試してください。

  1. Pro/ENGINEER で、[ツール] [補助アプリケーション] [登録]に移動します。
  2. protk.dat ファイル(通常、C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx¥text パスにあります)にナビゲートして開きます。
  3. [アプリケーション]ウインドウで Autodesk Simulation エントリをハイライト表示し、[開始]をクリックします。
  4. これで Autodesk Simulation メニュー項目が表示され、Pro/E との接続が確立されます。

上記の手順後に Autodesk Simulation プルダウン メニューが Pro/ENGINEER にロードされた場合は、以前に誤った config.pro ファイルが使用されていたことになります。

Autodesk Simulation プルダウン メニューが Pro/ENGINEER になお表示されない場合、または Autodesk Simulation Mechanical で Pro/E モデルを開く際にエラーが発生した場合は、オートデスクの技術サポートまでご連絡ください。

Creo Parametric 1 および 2:

Creo Parametric 1 および 2 では、現在のモデルの簡略化、または Simulation Mechanical にモデルを転送するコマンドは次の場所にあります。

[ツール] [ツールキット] [ツール] [Autodesk Simulation]

Autodesk Simulation のアドイン アプリケーションが情報ウィンドウに表示されない場合は、次の手順を試してください。

  1. Creo Parametric では、[ツール] [ユーティリティ] [補助アプリケーション] [登録]に移動します。
  2. 適切な protk.dat ファイルにナビゲートして選択します。
    注: 標準の Creo Parametric インストールでは、protk.dat ファイルが複数インスタンス存在する可能性が高くなります。検索するファイルは、text サブフォルダ(たとえば、C:¥Program Files¥PTC¥Creo 2.0¥Common Files¥M110¥text)にあります。protk.dat ファイルの内容は、次のテキストに類似したものとなります。
    NAME Autodesk Simulation for Creo
    EXEC_FILE C:\Program Files\Autodesk\Simulation 2016\PEMnu81-win-x64.dll
    TEXT_DIR C:\Program Files\Autodesk\Simulation 2016
    STARTUP dll
    REVISION 81
    unicode_encoding false
    END
  3. [開く]をクリックします。確認のダイアログ ボックスが表示されたら、[OK]をクリックします。
  4. [補助アプリケーション]ダイアログ ボックスで、アドイン名が選択されていることを確認し、[開始]をクリックします。

次の問題のいずれかが発生した場合は、オートデスクの技術サポートまでご連絡ください。

  • 必要な protk.dat ファイルが存在しない。
  • Creo Parametric で Autodesk Simulation メニューがなお表示されない。
  • Autodesk Simulation Mechanical から Creo モデルを開く際にエラーが発生する。

Rhinoceros のトラブル シューティング

インストール後、最初に起動した際に Rhinoceros の .3dm ファイルを開こうとしても、モデルが開けない場合があります。これが発生するのは、転送するモデルを開く前に Rhinoceros で CAD 転送プラグインをアクティブにする必要があるためです。対策は簡単です。

  • 再度 .3dm ファイルを開くと、正常に動作します。

SolidWorks のトラブル シューティング

[Autodesk Simulation Mechanical 20xx]タブが、SolidWorks リボンに表示されない場合は、SolidWorks で[オプション] [アドイン]ダイアログ ボックスを選択します。[Autodesk Simulation Mechanical アドイン]が有効になります。[Autodesk Simulation Mechanical アドイン]がリストに表示されない場合は、表 1 にリストされているファイルを登録してください(詳細については、このページ末にある「ファイルを登録する方法」を参照)。

ファイルを登録すると、[Autodesk Simulation SolidWorks アドイン]が[ツール]: [アドイン]メニューから利用できるようになります。

SpaceClaim のトラブル シューティング

まず、手動で SimMechConfig.exe プログラムを実行し、SpaceClaim の設定プロセスが完了していることを確認します。この CAD アプリケーション設定ユーティリティへの既定のパスは、C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx です。

SpaceClaim に[Autodesk Simulation メッシュ]タブが表示されない場合は、[SpaceClaim オプション]ダイアログ ボックス([アプリケーション]メニュー: [SpaceClaim オプション])の[アドイン]コマンドにチェックを入れます。SpaceClaim の[Autodesk Simulation InCAD]にチェックが入っており、[ステータス]が有効になっていることをご確認ください。[Autodesk Simulation]がリストに表示されない場合は、表 1 にリストされているファイルを登録してください(詳細は「ファイルを登録する方法」を参照してください)。

一般的なトラブルシューティング

インタフェース内で、CAD プラグインが[オプション]ダイアログ ボックスの[CAD インポート]タブに一覧表示されます。リボンでこのダイアログ ボックスを表示するには、[ツール]タブ [オプション]パネル [アプリケーション オプション]コマンドを選択します。プラグインがアクティブでない場合は、ソフトウェアは対応する CAD ファイルを直接転送することはありません。

Autodesk Simulation Mechanical ソフトウェアはさまざまなプログラム(exe、dll、ocx など)で構成されています。これらのファイルは登録すると、Windows によって場所が検索されます。次のようなメッセージが表示される場合は、Autodesk Simulation プログラムをすべて登録することで問題を解決できる場合があります。

  • プログラム、コンポーネント、コマンドまたは機能が見つからない
  • DLL または OCX の読み込み中にエラーが生じる
  • ファイルを登録する必要がある
  • 汎用プログラムが機能停止に陥る(ソフトウェアの起動時など)
  • その他、登録の問題とは判断しにくい不明瞭なエラー(アプリケーションまたはオブジェクト限定の FEM2ESH エラーによる Error # 32797 が発生するなど)

Simulation Mechanical プログラムのファイルは、次の手順で regall.bat を実行することで登録されます。regall.bat の実行には管理者権限が必要なのでご注意ください。

  1. [Windows エクスプローラ]、[マイ コンピューター]、または[コンピューター]を使用して、Simulation Mechanical インストール フォルダの内容を表示します(既定のパスは C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx)。
  2. Windows XP の場合は、regall.bat ファイルをダブルクリックします。Windows 7 または 8 の場合は、regall.bat ファイルを右クリックし、[管理者として実行]を選択します。
  3. 登録中、DOS コマンド プロンプト ウインドウが表示されますが、しばらくすると(約 1 分)閉じられます。Simulation Mechanical ソフトウェアを実行し、問題が解決されたかどうかを確認します。

以下の手順でファイルを個別に登録することもできます。

ファイルを登録する方法:

Autodesk Simulation メニューまたはオプションが CAD プログラムに表示されない場合は、適切なファイルが登録されていないことが問題である可能性があります。表 1 には、各モデリング ツールに登録するファイルがリストされています。ファイルの登録に関して問題がある場合は、IT 部門に相談するか、次の手順に従ってください。

  1. Windows の [スタート]から[ファイル名を指定して実行]ウインドウに移動し、既存のコマンドを削除します。
  2. regsvr32 と入力します(末尾に半角スペースを入れます)。
  3. [マイ コンピュータ]または Windows Explorer を開き、登録するファイルを見つけます。そのファイルを[ファイル名を指定して実行]ウインドウにドラッグします。これでコマンドは regsvr32 "C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx¥algorsw2.dll" のようになります(20xx はソフトウェアのバージョンを示しています)。ファイル パスにスペースがあるため、引用符でパスを囲む必要があります。引用符がないと、スペースは区切り文字と解釈されます。
  4. [ファイル名を指定して実行]ウインドウの[OK]をクリックします。これでファイルが正しく登録されます。

表 1: CAD 設定と関連するファイル

CAD パッケージと形式 登録するファイル(注 2 を参照) 登録する必要のないファイル
Autodesk Inventor AlgInvnt.dll、CImpAInv.dll InvtHost.exe
Pro/ENGINEER CImpProE.dll、PEMnu*.dll なし
Rhinoceros CImpR3dm.dll なし
SolidWorks AlgorSW2.dll、CImpSWrk.dll なし
SpaceClaim AlgSC2008.dll、AlgSC2009.dll、CImpSpaceClaim.dll なし
  一般ファイル形式  
ACIS ファイル(.sat) CImpAcis.dll なし
IGES ファイル(.iges、.igs) CImpIges.dll なし
STEP ファイル(.step、.stp) CImpStep.dll なし

表 1 の注:

  1. 特に指定のない限り、表 1 のファイルは、Autodesk Simulation Mechanical インストール フォルダ(C:¥Program Files¥Autodesk¥Simulation 20xx など)にあります。
  2. 表 1 のファイルの多くには、32 ビット版と 64 ビット版があります。表のファイル名は一般名です。完全なファイル名は、-win-ix86.dll(32 ビット版)または -win-x64.dll(64 ビット版)となります。CAD ソフトウェアに 64 ビット版がない場合は、32 ビット版をご使用ください。
  3. 一般的に、ファイル名は関連付けられた CAD パッケージと同様なものになります(特に指定のない限りは DLL)。CImp は、転送プロセスの必ず Autodesk Simulation 側、Alg は必ず CAD 側に関連します。ホストの実行ファイルは、技術的な理由から特別な対応が必要なごく一部のパッケージ用です。
  4. 一部の DLL は、登録または登録解除の際にファイルの作成と削除が行われます。