パラメトリック スタディ

パラメトリック スタディは、モデルの設計を最適化する目的で使用します。一般的な目標は、許容応力と変位基準を保持しながら、パーツまたはアセンブリの重量を最小限に抑えることです。

Autodesk® Inventor® で作成したモデルは、パラメトリック スタディ機能を使用して、線形静的応力解析を自動的に一括して実行できます。パラメータは、Inventor で定義した寸法変数です。設計を最適化するために変更するパラメータを 1 つまたは複数選択することができます。指定したパラメータ値のすべての組み合わせを解析し、重量、応力、および変位結果が比較されます。

重要: 現在、Autodesk Inventor と Simulation Mechanical 間の相互運用性において、パラメトリック スタディが成功するかどうかに影響を与える既知の制限事項があります。

パラメトリック スタディ コマンドを実行する前に、次のタスクを完了する必要があります

必要に応じて、次の追加タスクを実行することもできます。

これらのメッシュおよびシミュレーション タスクは、パラメトリック スタディの一部として、自動的に複数回実行されます。ただし、異なる設定または局部的な細分化が望ましいかどうかを判断するために、メッシュ サイズおよび品質を視覚化するのは有効です。また、初期シミュレーションを実行することで、基礎となる結果を得ることができ、パラメトリック スタディの適切な値の範囲を決定するのに役立ちます。

パラメトリック スタディを開始するには、[設定] [モデル設定] [パラメトリック スタディ]()コマンドをクリックします。スタディを完了する手順を次に説明します。

手順 1: 変動パラメータを選択する

1 つ目のウィンドウには、次の列に配置された、すべてのモデル パラメータが一覧表示されます。

[次へ]ボタンを押して手順 2 に進みます。またはダイアログ ボックスの左側に沿ったナビゲーション フレームの[設定/実行]をクリックします。

手順 2: パラメータを変更して解析を開始する

この手順では、前の手順で選択した変動パラメータが、ダイアログ ボックスに一覧表示されています。次の 4 つの方法のいずれかを使用して、各パラメータ値を指定できます。

  1. 1 つの数値(37.5 など)を入力します。
  2. セミコロンで区切った個別の数値のリストを入力します(例: 2.5; 2.75; 3; 3.5)。
  3. 値の範囲と値の合計数を次の構文を使用してを入力してください。

    開始値-終了値:値の数

    例: 5-10:3

    (5; 7.5; 10)に相当

  4. 値の範囲と増分値を次の構文を使用して入力してください。

    開始値-終了値|増分

    例: 10-16|2

    (10;12;14;16)に相当

注:

パラメータ値を指定した後、[実行]ボタンをクリックして、一連の解析を開始します。進行状況バーには、現在のスタディ全体と現在の反復の状況が示されます。進行状況バーの右側にある注釈は、完了した解析数、実行が必要な数、現在実行中のプロセス(メッシュ作成またはプロセッサによる解析など)、および(全体または現在の反復における)完了パーセントを示します。指定したパラメータのすべての組み合わせが解析されます。

実行中は、[実行]ボタンは[停止]に変わります。このボタンをクリックすると、現在の進行状況で、一連の解析が一時停止します。

解析が停止している場合、[リスタート]ボタンをクリックして、一連の解析を再開します。解析は、停止した場所から継続されます。完了済みの反復は再度計算する必要はありません。[リスタート]ボタンは、スタディを停止していない場合や、完了するまで実行した場合は、グレー表示されます。

実行が完了すると、スタディは自動的に手順 3 のダイアログ ボックスに移動します。

手順 3: フィルタを作成して結果を確認する

パラメトリック スタディのすべての反復が完了すると、結果サマリーが表示されます。各パラメトリック スタディの反復に対して、新しいモデル ファイルのセットが作成され、pStudy_x という名前のサブフォルダに配置されます。x は反復数を示します。これらのサブフォルダは、それぞれ modelname.pStudy という名前のフォルダにあります。modelname は元のモデルの名前です。modelname.pStudy フォルダは、元の modelname.fem ファイルと同じ場所に格納されます。

ダイアログ ボックスの上部には、次の 3 つの結果の上限値と下限値を示すテーブルが表示されます。

既定では、各結果の全範囲がテーブルに表示されます。

上限値と下限値のテーブルの下には、パラメータ値の各組み合わせに対する解析結果のサマリーが表示されます。列には次の情報が含まれます。

重要: パラメトリック スタディで一覧表示されるフォン ミーゼス応力の大きさは、平滑化結果に基づいています。平滑化された応力は、結果環境でも既定で表示されます。したがって、パラメトリック スタディの結果は、結果環境の対応する結果コンター プロットと一致します(既定の設定を使用した場合)。
注: パラメータの組み合わせによって無効なジオメトリとなった場合、または特定の反復でメッシュ作成または計算に失敗した場合は、次のイメージが[プレビュー]列に表示されます。

結果をフィルタするには

目標の設計ガイドラインから外れる結果が反復に含まれる場合、テーブルにフィルタを適用して、この反復を非表示にすることができます。フィルタを適用するには、次の操作の 1 つまたは複数を実行して、 [適用]ボタンをクリックします。

  • 3 つの結果のうち 1 つまたは複数の結果の[上限]を低減します。
  • 3 つの結果のうち 1 つまたは複数の結果の[下限]を増加します。

ユーザ指定の[上限]より大きい結果の反復、およびユーザ指定の[下限]より小さい結果の反復はすべて、結果サマリー テーブルから除外されます。

フィルタをオフにし、全範囲の結果に戻すには、 [無効にする]ボタンをクリックします。

注: フィルタを適用すると、無効な結果はテーブルから除外されます。次に、フィルタを無効にすると、この無効な結果はテーブルに復元されません。いったん非表示になった結果は、非表示のままになります。

パラメトリック スタディ結果を保存するには

結果サマリーを保存せずに、パラメトリック スタディを終了すると、結果の比較テーブルは失われます。ただし、modelname.Pstudy フォルダ内のモデルは保持されます。

[保存]ボタンをクリックして、目的のファイルの名前と場所を指定し、 [保存]をクリックします。結果テーブルは、.CSV (カンマ区切り値)テキスト ファイルに保存されます。CSV ファイルは、次の列で構成されます。

  • インデックス
  • 最大フォン ミーゼス応力
  • 重量
  • 最大変位
  • .fem ファイルへのパス
  • CAD パラメータ

単位は、適用される列の見出し行に示されます。

一般的な注意: