MES では、3つの解析の定式化が可能です。
- 線形または材料非線形のみの解析: 要素の変位はほんのわずかだと想定され、歪みも極めてわずかなものです。線形解析に関しては、材料は等方性か直行異方性の線形弾性で、材料非線形のみの解析に関しては、材料の応力・歪みの種類は非線形になります。
- ラグランジュの定式化 (Total): この定式化は大きな変位、大きな回転、小さな歪みを含む弾塑性の解析に効果的です。ラグランジュの定式化 (Total)の詳細に関しては、「技術解析(Bathe)の有限要素法」、または「NAFEMS 非線形有限要素解析への入門(Hinton)」をご参照ください。
- ラグランジュの定式化 (Updated): この定式化は大きな変位、大きな回転、大きな歪みを含む弾塑性の解析に効果的です。ラグランジュの定式化 (Updated)の詳細に関しては、「技術解析(Bathe)の有限要素法」、または「NAFEMS 非線形有限要素解析への入門(Hinton)」をご参照ください。
線形解析は、いかなる非線形も認めません。一方、材料非線形のみの解析は、材料の非線形性を含みますが、幾何非線形性を含みません。ラグランジュの定式化(Total/ Updated)は、すべての非線形性を含むことができますが、使用すべき定式化は本質的に使用する材料モデルによって決まります。
ラグランジュの定式化: Total vs Updated
- 両者とも、大きな変位、回転、歪みに対応します。
- Total-ラグランジュは、第 2 ピオラ・キルヒホッフ応力とグリーン・ラグランジュ歪みの観点から定式化されており、
- Updated-ラグランジュは、コーシー応力とアルマンジの歪みの観点から定式化されています。
- Total-ラグランジュは、大きな変位、大きな回転、小さな応力の解析に効果的です。
- 幾何学的剛性の変化が予測される場合は、Updated-ラグランジュ法を選択する必要があります。Updated-ラグランジュ法は、大きな応力の解析により効果を発揮します。