アクチュエータ要素は、任意の方向に向けることが可能な単一の線です。アクチュエータ要素の 1 つの節点をマスタ、反対側の節点をスレーブと考えます。解析中、スレーブ節点は荷重曲線に従ってマスタ スレーブに対して遷移または回転し、、液圧シリンダまたはモータをシミュレーションできます。マスタ節点は拘束されるか、構造にアタッチされている必要があります。また、スレーブ節点は構造にアタッチされている必要があります。
解析で使用できるアクチュエータ要素には 3 つのタイプがあります。アクチュエータ要素のタイプは、[要素定義]ダイアログ ボックスの[アクチュエーションのタイプ]ドロップダウン ボックスで選択できます。
スレーブ節点のマスタ節点に相対する変位は、[要素定義]ダイアログの[変位]タブで指定します(このタブのコントロールは、[アクチュエーションのタイプ]ドロップダウン ボックスで[相対軸回転]オプションが選択されている場合は使用できません)。相対変位の制御に使用する荷重曲線を、[指定した長さ(荷重)曲線数]ドロップダウン ボックスで指定します。定数因子でさらに乗算する荷重曲線の場合、定数因子を[荷重曲線乗数]フィールドで指定します。
スレーブ節点のマスタ節点に相対する軸回転は、[要素定義]ダイアログの[回転]タブで指定します(このタブのコントロールは、[回転(荷重)曲線数のタイプ]ドロップダウン ボックスで[距離(変位)]オプションを選択した場合には使用できません。相対回転の制御に使用する荷重曲線を、[指定した回転(荷重)曲線数]ドロップダウン ボックスで指定します。定数因子でさらに乗算する荷重曲線の場合、定数因子を[荷重曲線乗数]フィールドで指定します。荷重曲線に使用する長さの制御と同様、時間ステップでのアクチュエータの回転の変化(回転数で測定)は荷重曲線乗数の変更と等しくなります。すなわち、
ϑ(t) = ϑ(t=0) + (LCM(t) - LCM(t=0)) x 乗数
ここで、ϑ(t)は時間 t でのアクチュエータの回転角度(回転数で測定)、LCM(t)は時間 t での荷重曲線乗数で、乗数は[荷重曲線乗数]フィールドで指定した定数因子です。
アクチュエータ要素の回転動作の制御に使用できるパラメータには 3 つあります。マスタ節点の軸回転に従うスレーブ節点の軸回転の場合、[要素定義]ダイアログ ボックスの[拘束]タブで、[要素両端の軸回転を結合]チェック ボックスをオンにします。このチェック ボックスは、アクチュエータの距離のみが制御されている場合に使用できます。アクチュエータの回転角度が制御されている場合は使用できません。アクチュエータ要素に垂直な 2 つの回転、またはマスタ節点に相対するスレーブ節点の平面回転は、[要素定義]ダイアログ ボックスの[拘束]タブで、[要素両端の面回転を結合]チェック ボックスをオンにすると、強制的に等しくすることができます。図 1 を参照してください。
図 1: アクチュエータの端点での回転の結合
既定では、アクチュエータ要素(黒)および構造(グレー)間の接続は、ボール ジョイントと同様に動作します。各端点の構造は、それぞれが独立して、3 つの方向すべてで回転できます。[要素の 2 つの端点の軸回転を結合]オプションがオンになっている場合、トルクは、各端点にアタッチされている構造の軸回転角度(青い矢印)が同一になるよう、アクチュエータに伝達されます。[要素の 2 つの端点の平面回転を結合]オプションがオンになっている場合、アクチュエータにアタッチされている構造の垂直回転角度(緑および赤矢印)が同一になるよう、運動率がアクチュエータに適用されます。
当然、アクチュエータにアタッチされた構造の回転は、ビームやシェル要素のように、構造の要素に自由回転角度がある場合にのみ制御できます。
アクチュエータ ジオメトリが更新される頻度を制御できます。ジオメトリは、各収束時間ステップ後に常に更新されます。各時間ステップの反復後にジオメトリを更新する場合、[要素定義]ダイアログの[高度]タブにある[ジオメトリの更新基準]ドロップダウン ボックスで[前回の反復]オプションを選択します。