バネ要素には、2 種類の基本形状があります。1 つは、典型的なバネです。このバネは、モデル上の 2 つの節点を接続し、軸方向または回転方向に動きます。軸方向に動くバネの場合は、バネの剛性 k がバネ要素に適用されます。バネは距離 x だけ変形します。この距離は、バネ要素の軸力 F、およびバネの剛性によって決まります。バネが変形する距離は x=F/k という式で求めることができます。回転方向に動くバネの場合は、ねじり剛性 k t がバネ要素に適用されます。バネは、角度 ϑ だけ回転します。この角度は、バネに加えられるモーメント M、およびねじり剛性によって決まります。バネが回転する角度は、M/k t という式で求められます。
バネ要素のもう 1 つの形状は、バネの自由度です。このバネは、接続されている各節点の自由度を 1 つずつ互いに結合するためのものです。このバネの剛性値は、典型的なバネの説明に出てきた剛性値と同じになります。
バネ要素を使用するときは、まず、[要素定義]ダイアログの[一般]タブにある[バネのタイプ]領域で、パーツのバネのタイプを選択します。ほとんどの用途では、[バネ]タイプを選択すれば十分です。各節点において、さまざまな自由度から荷重を移動する場合は、[バネの自由度] タイプを選択します。次に、[バネ剛性]フィールドでバネ剛性を指定します。
[バネ]ラジオ ボタンを選択した場合は、バネに並進抵抗または回転抵抗を与えるかどうかを[要素タイプ]領域で指定します。[バネの自由度]ラジオ ボタンを選択した場合は、I 節点と J 節点で剛性を適用する自由度を、[I 節点]および[J 節点]領域で指定します。
バネの剛性の単位が表示されているとき、入力は表示単位系に基づいて変換されます。ただし、バネの自由度の各節点における自由度の種類が異なる場合、並進自由度と回転自由度を結合することの物理的意味を想像するのは困難なため、バネの剛性の単位は表示されず、入力の変換は行われません。
[解析タイプ]ドロップダウンを使用して、目的とする変位のタイプを設定します。[微小変形]は、運動がなく、小さなひずみしか受けないパーツに適しています。この場合、大きな変形の結果生じた非線形の幾何学的影響は無視されます (また、[高度]タブの[解析定式化]が[非線形材料に限る]に設定されます。)運動がある部分やひずみが大きな部分には、[大変形]が適しています。
バネ要素に対して使用する計算方法は、[高度]タブの[解析定式化]ドロップダウン ボックスで選択できます。[非線形材料に限る]オプションが選択されている場合、非線形材料モデルの効果は加味されますが、計算はすべて未変形のジオメトリに基づいて実行されます。[Total Lagrange法]オプションを選択した場合は、静的変数および動的変数すべてについて、変形されていないモデルの初期構成が参照されます。[Updated Lagrange法]を選択した場合は、静的変数および動的変数すべてについて、直近に計算されたモデルの構成が参照されます。
バネ要素は、結果環境ではラインまたは実際のバネのいずれかとして表示できます。バネとして描画するには、[要素定義]ダイアログの[可視化]タブで[ばねとして視覚化]チェック ボックスをオンにする必要があります。その後、バネの寸法を指定します。[開始長さ]フィールドの値、[終了 長さ]フィールドの値、および[コイルの数]と[ワイヤー直径]の積を合計した数値がバネ要素の長さより大きい場合、バネは結果環境に表示されません。[コイル直径]フィールドの値には、ワイヤの中心線に沿ったバネの直径が参照されます。[開始長さ]フィールドおよび[開始アタッチメントのタイプ]ドロップダウン ボックスでは、バネ要素の端の I 節点が参照されます。[終了 長さ]フィールドおよび[終了 取り付けタイプ]ドロップダウン ボックスでは、バネ要素の端の J 節点が参照されます。
バネのいずれかの端で連結点を指定する場合、方向を示す点を定義する必要があります。[X]、[Y]、[Z]の各フィールドに入力された座標が、この連結点が配置される平面の指定に使用されます。この点を通るバネ要素に垂直なベクトルが作成されます。連結点は、このベクトルに垂直な平面上に位置することになります。この座標が要素のラインに沿っている場合、バネは結果環境に描画されません。