トラス要素は節点を 2 つ持つ部材であり、XYZ 座標系の中で任意の方向に配置することができます。トラス要素は軸方向の力のみを伝達する要素で、通常は 3 つの自由度(DOF)を持ちます(部材の各端には全体座標に関して 3 つの並進成分がある)。
3 次元(3D)のトラス要素は面積が一定とみなされ、線形弾性解析、材料的非線形解析、および幾何非線形解析(大変形解析)などに使用することができます。大変形解析で使用される Updated Lagrange 法では、微小ひずみを前提として要素の応力が計算されます。
3D トラス要素を拘束要素として使用することにより、構造の境界上で非ゼロ変位 uO を指定できます。この場合、そのトラス要素に対する剛性 k を非常に大きな値(モデル内の最大剛性の 10 6 倍)に設定し、構造に対してはトラス要素により定義されるのと同じ方向に荷重 k x uO を加えます。
図 1: 3D トラス要素
トラス要素に対して最初に指定する必要があるパラメータは、断面積です。断面積は、[要素定義]ダイアログの[一般]タブにある[断面積]フィールドで指定します。また、[材料モデル]ドロップダウン ボックスで、材料モデルを選択する必要もあります。[線形]オプションが選択されている場合、解析全体を通して使用されるヤング率およびポアソン比はただ 1 つです。[曲線]オプションが選択されている場合は、応力 - ひずみデータ点を入力することにより応力 - ひずみ曲線を定義する必要があります。
減衰効果を加味する場合は、[ダッシュポット係数]フィールドでダッシュポット係数を指定します。ダッシュポットとは、ショック アブソーバのような線形減衰装置で、エンジニアの間では不要な運動や振動を緩和する目的で頻繁に使用されます。ダッシュポット係数は運動を妨げる減衰力に適用され、節点間の相対速度に比例します。減衰効果を計算に加味する場合は、[高度]タブの[減衰効果を含む出力]チェック ボックスをオンにする必要もあります。
[解析タイプ]ドロップダウンを使用して、目的とする変位のタイプを設定します。[微小変形]は、運動がなく、小さなひずみしか受けないパーツに適しています。この場合、大きな変形の結果生じた非線形の幾何学的影響は無視されます (これにより、[高度]タブの[解析の定式化]が[非線形材料に限る]に設定されます) 。[大変形]は、運動や大きなひずみを受けるパーツに適しています ([高度]タブの[解析定式化]を、解析に必要な設定にすることも必要です。)
[高度]タブの[解析定式化]ドロップダウン ボックスで、トラス要素に対して使用する定式化の方法を選択します。[非線形材料に限る]オプションが選択されている場合、非線形材料モデルの効果は加味されますが、計算はすべて未変形のジオメトリに基づいて実行されます。[Total Lagrange法]オプションを選択した場合は、静的変数および動的変数すべてについて、変形されていないモデルの初期構成が参照されます。[Updated Lagrange法]を選択した場合は、静的変数および動的変数すべてについて、直近に計算されたモデルの構成が参照されます。
トラス要素では、力またはひずみの存在下でイベントを開始できます。こうした荷重の大きさは、[高度]タブの[初期軸方向の力]フィールドおよび[初期の軸方向ひずみ]フィールドで指定できます。
解析中、各要素に対する応力の結果を時間ステップごとにテキストのログ ファイルへ書き込むようにする場合は、[詳細な応力出力]チェック ボックスをオンにします。ただしこの場合には、大量の出力が生成されることがあります。