カメラで被写界深度効果を生成できます。被写界深度はマルチパス効果です。カメラの[パラメータ](Parameters)ロールアウトでこれを有効にします。被写界深度は、カメラの焦点位置(つまり、ターゲットまたはターゲット距離)からの距離に応じてフレームの領域をぼかすことで、カメラの被写界深度をシミュレートしています。
マルチパスの被写界深度(DOF)
上: 焦点は中距離に合っており、近くまたは遠くのオブジェクトはブラーされる。
左下: 焦点は近くのオブジェクトに合っており、遠くのオブジェクトはブラーされる。
右下: 焦点は遠くのオブジェクトに合っており、近くのオブジェクトはブラーされる
ビューポートで被写界深度をプレビューできますが、最初にプログレッシブ レンダリングを無効にする必要があります。
シェーディング ビューポート、およびワイヤフレーム ビューポートでのマルチパス被写界深度のプレビュー
重要: これは、既定値のスキャンライン レンダリングのための効果です。他のレンダラーには独自の被写界深度効果があります。
ヒント: 複数のカメラ パスによる可視効果を減らすには、アンチエイリアシング フィルタを[ブレンド](Blend)に設定し、[幅](Width)の値を 4.0 ~ 5.0 に、[ブレンド](Blend)値を 0.1 前後に設定します(アンチエイリアシング フィルタを選択し、[既定値のスキャンライン レンダリング](Default Scanline Renderer)ロールアウトで設定を調整します)。また、その効果の[通過のブレンド](Pass Blending)領域にある[ディザ強度](Dither Strength)の値を 0.2 前後まで減らします。
注: 被写界深度レンダリング効果もあります。
注: マルチパス被写界深度パラメータはアニメートできます。
[焦点の深度](Focal Depth)領域
- ターゲットまでの距離を使用
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、カメラからターゲットまでの距離を各パスでカメラをオフセットするポイントとして使用します。チェックマークが付いていない場合、[焦点の深度](Focal Depth)の値を使用してカメラをオフセットします。既定値ではチェックマークが付いています。
- 焦点の深度
- [ターゲットまでの距離を使用](Use Target Distance)にチェックマークが付いていない場合、カメラがオフセットされた位置から深度を設定します。範囲は 0.0 から 100.0 までで、0.0 はカメラの位置、100.0 は最大距離(事実上、無限大)を表します。既定値は 100.0 です。
[焦点の深度](Focal Depth)の値が小さいと、ブラーが大きくなります。[焦点の深度](Focal Depth)の値が大きいとシーンの遠方がブラーされます。通常、[焦点の深度](Focal Depth)をカメラの[ターゲットまでの距離](Target Distance)の代わりに使用するとシーン全体がブラーされる傾向があります。
[サンプリング](Sampling)領域
- マルチパスを表示
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、レンダリングしたフレーム ウィンドウに複数のレンダリング パスが表示されます。チェックマークが付いていない場合、フレーム ウィンドウには最終結果だけが表示されます。このコントロールは、カメラ ビューポートでの被写界深度のプレビューには影響しません。既定値ではチェックマークが付いています。
- オリジナルの場所を使用
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、最初のレンダリング パスがカメラの元の位置になります。チェックマークが付いていない場合、最初のレンダリング パスは、その後に続くすべてのパスと同様、オフセットされます。既定値ではチェックマークが付いています。
- 総マルチパス数
- 効果の生成に使用されるパスの数です。値を大きくすると、効果がより正確になりますが、レンダリング時間が長くなります。既定値は 12 です。
- サンプル半径
- この半径でシーンがブラーに移る位置を決めます。この値が大きいほど、被写界深度ブラーの効果が大きくなり、均等な効果が得られます。値が小さければ効果が小さく、均等でなくなります。既定値は 1.0 です。
- サンプル バイアス
- ブラーが[サンプル半径](Sample Radius)に向かう重みや離れる重みです。この値が大きいほど被写界深度ブラーの効果が大きくなり、均等な効果が得られます。値が小さければ効果が小さく、均等でなくなります。使用できるのは、0.0 ~ 1.0 の範囲の数です。既定値は 0.5 です。
[マルチパスのブレンド](Pass Blending)領域
複数の被写界深度パスはディザリングでブレンドされ、この領域のパラメータで制御できます。
これらのコントロールは、被写界深度効果のレンダリングだけに適用され、ビューポートでのプレビューには適用されません。
- 重みを平均化
- パスをランダムな重みと組み合わせて、ストリーキングなどの不具合が発生しないようにします。[重みを平均化](Normalize Weights)チェック ボックスにチェックマークが付いている場合、重みが平均化され、結果が滑らかになります。チェックマークが付いていない場合、この効果は少しシャープになりますが、通常は目が粗くなります。既定値ではチェックマークが付いています。
- ディザ強度
- レンダリング パスに適用するディザリングの量を制御します。この値を大きくすると、ディザリングの量が多くなり、(特に、オブジェクトのエッジ部分の)効果をより粗くすることができます。既定値は 0.4 です。
- タイル サイズ
- ディザリングに使用するパターンのサイズを設定します。この値の単位はパーセントで、最小値は 0、最大値は 100 です。既定値は 32 です。
[スキャンライン レンダリング パラメータ](Scanline Renderer Params)領域
これらのコントロールでは、マルチパス シーンをレンダリングするときに、アンチエイリアシングやアンチエイリアス フィルタを無効にすることができます。これらのレンダリング パスを無効にすると、レンダリング時間を短縮できます。
これらのコントロールは、被写界深度効果のレンダリングだけに適用され、ビューポートでのプレビューには適用されません。
- フィルタリングを使用不能にする
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、フィルタリング パスが使用不能になります。既定値ではチェックマークが付いていません。
- アンチエイリアシングを使用不能にする
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、アンチエイリアシングは無効になります。既定値ではチェックマークが付いていません。