ジオメトリの統合は、パフォーマンスの改善を目的としたレンダリング フレームワークの一部です。その主要な目的の 1 つは、これまで一般的に小さなバッチと呼ばれてきたハードウェア レンダリング上の問題を回避することです。この問題はつまり、それぞれの描画(レンダー項目ごと)にはそれに関連付けられた一定量のオーバーヘッドがあるということです。オーバーヘッドの量が描画されたジオメトリの量に対して大きい場合、パフォーマンスが低下する可能性があります。
レンダー項目(MRenderItem)は、レンダリング可能なプリミティブであり、グラフィックス カードで実際にレンダリングされるものです。詳細については、「レンダリング フレームワーク」と「データ クラス」を参照してください。
その名が示す通り、「統合」はレンダー項目を、一致するジオメトリ プロパティおよびシェーディング アルゴリズムとともに結合または合併します。理想的には、結果としてレンダリング可能オブジェクトの量を少なくし、オーバーヘッドの量を削減します。たとえば、1 つまたは複数のレンダリング可能オブジェクトをシェードのない線セグメントで描画する場合に、そのそれぞれが数個のセグメントしか持たない場合、これらは統合できます。
したがって、Maya DAG オブジェクトやコンポーネントは、必ずしもレンダリング可能オブジェクトに対して 1:1 で変換されるわけではありません。
前のパイプライン図を再考すると、次のように変更できるでしょう。
図 8: 2 つのレンダー項目を統合して 1 つの項目にする場合の例。
レンダー項目が決定した後、「統合」によってこれらを統合して新しいレンダー項目を生成することができるかどうかが決定されます。そしてこれらの新しい項目が適切に描画されます。