Maya 2017 Update 1 の新機能

Maya Update の概要

Maya 2017 では Maya のメンテナンスと更新の方法が大きく変更されました。この変更は、新機能やお客様から報告された不具合の修正をよりすばやくご利用いただくためのものです。

Service Pack や Extension などの従来の形式にかわり、これからは Maya Update がリリースされるようになります。Update には不具合の修正と新機能が含まれます。
注: Maya API のバイナリ互換性は 2017 の更新では修正されません。ただし、新機能が有効になるように API が拡張される可能性はあります。

Update は、Mac と Linux オペレーティング システム向けには Maya のダウンロード ページから製品のフル インストールが提供されます。Windows オペレーティング システムでは、Maya Update は追加インストールとして Autodesk デスクトップ アプリに表示されます。各更新には、それ以前の更新に含まれるすべての修正と機能が含まれています。Maya 2017 の既存のバージョンと Update バージョンを同時に実行することはできません。

また、Maya ヘルプ自体も更新ごとに新しいものに変更されます。各更新の具体的な内容については、ヘルプでそれぞれの新機能欄をご覧ください。お客様がソフトウェアを Update のリリースごとにアップグレードしていない場合、変更された最新のヘルプ トピックの情報がお使いの Maya のバージョンに適合しない可能性があります。こうした状況は Maya テクニカル ドキュメント、API ガイド、Maya ユーザ ガイド、あるいはその他のリソースでも生じる可能性があります。

グラフ エディタ(Graph Editor)の更新

グラフ エディタ(Graph Editor)ツールバーおよび接線(Tangent)メニューの接線ウェイトのロック(Lock Tangent Weight)および接線ウェイトの解放(Free Tangent Weight)オプションは、接線の長さのロック(Lock Tangent Length)および接線の長さの解放(Free Tangent Length)に名前が変更されました。

接線の長さがロックされている場合、グラフ ビュー内の接線の色は黒に変わります。

時間変更を元に戻すプリファレンス

元に戻す(Undo)プリファレンス取り消し可能な時間変更(Undoable Time Changes)オプションをオフにすることで、元に戻すスタックに時間変更を追加できるようになりました。(既定では、隣接するすべての時間変更コマンドは一度に元に戻されます。)

アニメーションのパフォーマンス

Windows NVIDIA ドライバ 386.68 以降で OpenCL が再有効化されました。

カラー管理

新規シーンのカラー管理を有効または無効にするオプション

新規シーンのカラー管理を既定で有効にするかどうかは、新規シーン オプション(New Scene Options)カラー管理が有効(Color Management enabled)設定によって決まります。

OCIO コンテキストの切り替えのサポート

カラー管理に OpenColorIO 設定ファイルを使用している場合は、Maya を再起動しなくても、OCIO コンテキスト環境変数を変更して影響を確認することができます。この操作を行うには、MEL または Python コマンドを使用して環境変数を変更してから、カラー管理のプリファレンスを更新します。

たとえば、設定ファイルで SHOT という名前の、現在 abc123.spi1d に設定されているコンテキストを使用している場合に、これを ijk456.spi1d に変更するとします。この場合は、スクリプト エディタ(Script Editor)内で次の MEL 行を実行できます。
putenv "SHOT" "ijk456.spi1d"; 
colorManagementPrefs -refresh;

レンダリング

アウトライナ(Outliner)のレンダリングの設定(Render Setup)にある「検索... (Find in ...)」マーキング メニューが強化されて、コレクションに必要なノードを検索しやすくなりました。ノードは識別しやすいようにプロパティ エディタ(Property Editor)内でハイライトされます。コレクションの間にノードが存在する場合は、最初に折り畳まれていたレイヤが自動的に展開されます。これらのメニューを使用して、コレクション内でライトを検索することもできます。

API

PySide

Maya 2017 は PySide2 を使用します。スクリプト内で PySide を使用するには、次のように PySide からモジュールを読み込みます。こうすると、Maya 2017 と Maya 2017 より前のバージョンの両方に対してスクリプトの互換性が維持されます。

try:
    from PySide2.QtCore import * 
    from PySide2.QtGui import * 
    from PySide2.QtWidgets import *
    from PySide2 import __version__
    from shiboken2 import wrapInstance 
except ImportError:
    from PySide.QtCore import * 
    from PySide.QtGui import * 
    from PySide import __version__
    from shiboken import wrapInstance 

詳細については、Maya Developer Kit の devkit/pythonScripts フォルダ内にある PySide の例を参照してください。

ライティング

プラグイン ライトで light 分類が使用されている場合に、ライトを Maya のライトと同様に動作させるには、intensitycoloremitDiffuse、および emitSpecular のライト アトリビュートを含める必要があります。アトリビュートは静的または動的に設定できます。

light 分類の詳細については、Maya 開発者用ヘルプの「ビューポート 2.0 API」 > 「Maya ビューポート 2.0 API ガイド」 > 「プラグイン エントリ ポイント」 > 「登録」セクションを参照してください。

Maya Developer Kit

最新の開発キットのサンプルは、https://apps.exchange.autodesk.com/MAYA/ja/Home/Index の Autodesk Exchange からオンラインで入手できます。