このダイアログ ボックスは、選択した熱可塑性材料の特性を表示/編集するために使用します。
[熱可塑性樹脂]ダイアログ ボックスの[レオロジー プロパティ]タブを使用して、熱可塑性樹脂のレオロジー(流動関連)プロパティを指定します。
注: プロパティ名が赤色で表示される場合は、そのプロパティがこの特定の材料についてはテストされていないことを示します。ただし、同等の一般グレードのテストの材料データが適切であることが判明しているので、この材料に割り当てられています。
ダイアログ ボックスの要素
- 既定の粘度モデル
- 流動シミュレーションで材料の粘度特性を正確にシミュレーションするには、数学的な粘度モデルが必要です。
マトリックス、Cross-WLF、および 2 次近似は、熱可塑性樹脂に使用される粘度モデルです。Autodesk Moldflow データベースの材料については、適切な既定の粘度モデルが選択されています。
粘度モデルを表示する必要がある場合は、[粘度モデル係数の表示]をクリックして、係数を表示します。
既定の粘度モデルを指定する必要がある場合は、ドロップダウン リストからモデルを選択します。
- ジャンクチャー ロス係数
- これは、各樹脂に固有な Bagley 補正定数、
および
です。固有データが存在しない場合は、標準値を使用してジャンクチャー ロスが成形品において重大であるかを確認します。 ジャンクチャー ロス係数とは、ランナーの端からゲートにかけてなど、直径が大きく変化するパスを樹脂が通過するときに発生する圧力損失を計算したものです。ソフトウェアではこの損失を、材料の Bagley 補正定数、
および
を使用して計算します。
選択した材料にジャンクチャー ロス係数がない場合は、標準値をジャンクチャー ロス係数として使用できます。
値の範囲は 0.00001~10(標準値 0.0001)で、
値の範囲は 2.5~1(標準値 2)です。ジャンクチャー ロスが成形品において重大であると分かった場合は、ジャンクチャー ロス係数を取得するため、Autodesk Moldflow Plastics Labs による材料の測定を強く推奨します。
- 転移温度
- 転移温度は、樹脂の固化温度です。この温度で、溶融から固体への転移が発生します。
転移温度は、非晶性樹脂についてはガラス転移温度(Tg)に相当し、結晶性樹脂については結晶化温度(Tc)に相当しています。
- テスト情報の表示/編集...
- この材料のデータ情報源、データの最終変更日、テスト実行日、およびデータ取得に使用したテスト方法を表示するには、このボタンをクリックします。
Autodesk Moldflow 材料データおよび材料テスト方法の詳細については、「材料テストとデータ フィッティング」を参照してください。
- Moldflow 粘度指標
- 単一点基準の粘度レベル(Pa. sec)です(指定の温度および 1000(1/s)のせん断速度において)。
たとえば、VI(240)125 は、せん断速度が 1000(1/s)で温度が 240℃ の状態で、材料の粘度が 125 Pa.s であることを意味します。
注: Autodesk では、一般的な樹脂ファミリー(PP など)のすべての樹脂の粘度指標を計算する際、材料比較を容易にするため、同じ温度が使用されます。
- メルト フロー レート(MFR)
- MFR は、特定の樹脂の流動性を示す ISO 規格の指標です。この値が高いほど、流動性が高いことを示します。
MFR は、ASTM 規格の MFI(メルト フロー インデックス)と同一です。
MFR を測定するには、まず材料をバレル内で既知温度で加熱します。既知重量がピストンの上部に加わり、ピストンはバレルの端にあるキャピラリー ダイに樹脂を押し出します。MFR は、特定の温度および圧力条件下で、所定の間隔でダイを通過する樹脂の質量です。
- 温度は MFR 測定時に材料を溶融する温度
- 荷重は MFR 測定時に材料をバレルから押し出すために使用する重量
- 測定 MFR は特定の材料のメルト フロー レート。10 分間あたりのグラム数(g/10 min)として測定される。これは、10 分間の間にダイに押し出される樹脂の質量を表す。
- 伸張粘度
- この材料に関して伸張粘度データが利用可能かどうかを指定します。
このオプションを選択すると、伸張粘度モデル係数を表示または編集できるボタンが表示されます。
注: 伸張粘度モデルを選択した場合、伸張粘度モデルは 3D 充填+保圧解析でのみ使用されます。.