ジュール熱の結果

この結果は、解析で使用される温度式のソース項を出します。最初にこの結果を確認して、ジュール熱が金型のどこで生成されているのか、その箇所が予測どおりかどうかを判別します。

この結果の取得

メッシュ タイプ:
  • Dual Domain
  • 3D
次を含む解析順序:
  • 冷却(FEM)

この結果は、既定ではスタディ タスク ペインに表示されません。代わりに、解析の実行後、[新規プロット] ([結果]タブ > [プロット]パネル > [新規プロット] > [プロット])をクリックして、新しいプロットとして作成できます。[ジュール熱]は、[利用可能な結果]に表示されます。

この結果の使用法

コイルの誘導電流は、金型とインサート内でジュール熱に上昇します。金型内の材料を注意深く選択すれば、誘導電流を使って、目標とする領域で熱を生じさせることができます。金属と金型のモデリングを正しく選択することで、インサートは必要な温度に加熱され、金型の温度は比較的低い状態になるのが理想的です。

図 1 は、成形品の上に直接配置されたニッケル インサート表面で生じるジュール熱の例を示します。ニッケルの材料特性により、誘導電流の影響で比較的速く加熱されます。

図 1: ニッケル インサート表面で生じるジュール熱

図 2 は、同じモデルの切断平面の金型/ニッケル インサートの組み合わせで生じる熱を示します。インサートは熱生成により適したニッケルでできているため、特に周囲の金型に比べてニッケル インサートの表皮効果の厚さにおいて、金型で使用される通常の金型鋼材よりも高い熱が生じます。

図 2: 金型とインサートで生じるジュール熱

確認事項

  • インサートが必要な温度まで加熱されている
  • 金型が比較的冷めた状態になっている
  • 温度プロットを見て、温度がジュール熱によって上昇していることを確認するパターンと位置が予想どおりでも不十分な場合は、境界条件の電流または周波数を上げることを検討してください。
  • ジュール熱分布が予想どおりに現れない場合は、誘導電流が適切な箇所で発生しているかを確認し、磁場を確認して、別の金型材料を選択するか、金型形状を変更します。