サスペンション バランス モデル

粉末濃度モジュールでは、粉末の分離効果を予測するためにサスペンション バランス モデル(SBM)を利用しています。

このモデルでは、粒子垂直応力の勾配を粒子移動の原動力と見なしています。その結果、せん断に起因する粉末の分離と、上流から下流への粉末濃度の対流の、両方を考慮することができます。

SBM では流体と粒子を 2 つのフェーズとしてモデリングしていますが、完全な Navier-Stokes 方程式で解決されるのは流体と粒子の混合物、つまり懸濁液(サスペンション)のみです。輸送方程式に似た、粒子フェーズの質量バランス方程式を 1 つ追加して使用しています。

Moldflow では、SBM モデルを次の 4 つの支配方程式で定義しています。

流体の質量保存

[1]

説明

  • はサスペンション密度
  • は時間
  • は速度ベクトル

運動量保存

[2]

説明

  • は圧力
  • は粘性応力テンソル
  • は重力加速度度ベクトル

エネルギー保存

[3]

説明

  • は熱伝導率
  • は比熱容量
  • は、次のように定義される膨張率

粒子フェーズの質量バランス

[4]

説明

  • は粒子の体積率
  • は粒子の移動流束([5]で定義された一括モーションを基準)

[5]

説明

  • は沈殿妨害関数
  • はサスペンションの流体速度
  • は粒子半径
  • は粒子垂直応力([6]で定義)

[6]

説明

  • 粒子垂直応力の粘度([7]で定義)
  • テンソル は、[8]で定義された垂直応力の異方性を定義
  • はせん断速度([9]で定義)

[7]

[8]

[9]