線形熱膨張係数(オーバーモールディング)結果は、オーバーモールディング コンポーネントで温度変化によって発生する収縮を予測するために使用します。
これらの結果を作成するには、[繊維配向解析(繊維充填材料の場合)]オプションを選択し、フィラーまたは繊維データがある材料を選択する必要があります。このオプションは、
プロセス設定ウィザードの[充填+保圧設定]ページにあります。
ヒント: これらの結果は既定では表示されません。これらの結果を表示するには、

()をクリックし、
[利用可能な結果]リストからそれらを選択します。
繊維充填材料を使用した Midplane または Dual Domain オーバーモールディング解析では、線形熱膨張係数(CLTE)が繊維配向テンソルの 3 つの主方向で計算されます。次の 2 種類の結果が生成されます。
線形熱膨張係数(平均)(オーバーモールディング)結果
要素ごとにその要素の繊維配向テンソルと、肉厚方向の平均配向を使用して計算されます。3 つの方向すべてに対して CLTE データが計算されますが、データは第 1 および第 2 主方向の結果ファイルのみに書き込まれます。これらの結果は、第 3 主方向からのデータを使用しない、従来の残留歪収縮モデルによって使用されます。
- 第 1 主方向の線形熱膨張係数(平均)(オーバーモールディング)
- 第 2 主方向の線形熱膨張係数(平均)(オーバーモールディング)
線形熱膨張係数(オーバーモールディング)結果
オーバーモールディング コンポーネントの各要素に対して、解析の継続中、その要素の繊維配向テンソルを使用して、CLTEをラミネートごとに計算します。そのため、モデル内のラミネートごとに異なる熱膨張結果が生成されます。これらの結果は、CRIMS 収縮補正モデルおよび未補正残留応力モデルによって使用されます。各ラミネートの膨張係数は、既定のコンター プロットをアニメーション化することで確認できます。この場合、
肉厚方向表示位置上に結果がアニメーション化されます。
- 第 1 主方向の線形熱膨張係数(オーバーモールディング)
- 第 2 主方向の線形熱膨張係数(オーバーモールディング)
- 第 3 主方向の線形熱膨張係数(オーバーモールディング)
重要: これらの結果が表示されない場合は、収縮モデルを選択していることを確認します。

()をクリックし、
[アドバンス オプション])をクリックします。
[成形材料]に関連する
[編集]をクリックし、
[収縮特性]タブを選択します。収縮モデルを選択します。
この結果は熱荷重計算で使用するため、応力解析を開始する際には非常に重要です。
ヒント: モデルの単一のラミネートのコンター プロットを表示できます。これを実行するには、

()をクリックします。
[プロット プロパティ]ダイアログ ボックスが開きます。
[アニメーション]タブを選択し、
[アニメーション結果の選択]ドロップダウン リストから
[単一データセット]を選択します。
直交異方性仮定
繊維充填コンポジットの熱機械的特性計算は、繊維充填材料の特性は 3 つの直交主方向で異なるという直交異方性仮定に基づいています。この仮定の下に、9 つの独立した機械的定数と 3 つの独立した熱膨張係数があります。Midplane または Dual Domain 解析を行うモデルで必要な機械的定数は、反りのシェル構造解析の単純応力仮定に基づき、4 つのみ(第 1/第 2 主方向の引張弾性率、ポアソン率 v12、せん断弾性率 G12)で、これらの 4 つの定数のみが(平均)結果に使用されます。
[直交異方性セット]オプションが既定で設定され、結果が平均化されない限り、9 つの機械的定数(E1、E2、E3、v12、v23、v13、G12、G23、G13)と 3 つの CTE (第 1/第 2/第 3 方向における熱膨張係数)を同時に選択します。
注: [直交異方性セット]オプションにアクセスするには、
[充填+保圧]を含む解析順序が選択されている必要があります。
)をクリックします。
- [次へ] を必要に応じてクリックし、ウィザードの[充填+保圧設定]ページを開きます。
- [繊維配向解析(繊維充填材料の場合)]オプションを選択し、[ファイバー パラメータ]をクリックします。
- [コンポジット プロパティ計算オプション]をクリックし、[繊維充填プロパティ出力]ドロップダウン リストから、[直交異方性セット]を選択します。
この結果の使用法
それぞれの異なる主方向の結果を比較します。材料の膨張は、流動方向(第 2 主方向)に対して垂直な方向よりも、流動方向(第 1 主方向)の方が少なくなります。分子が第 1 主方向と第 2 主方向に整列している場合、それぞれの主方向で線形熱膨張係数は異なります。分子の整列がランダムの場合、各主方向における線形熱膨張係数は同じになることが期待されます。
平均結果は、特定の点での CLTE を確認して、異なる点の CLTE と比較するのに役立ちます。プロファイル結果は、肉厚方向の CLTE 値を詳しく確認するために使用できます。
ヒント: 
()をクリックし、この結果を XY プロットまたはパス プロットとして作成すると、特定の要素の線形熱膨張係数を確認できます。