壁レイヤは、すべての流体壁面および流体とソリッドの界面に沿って要素レイヤを追加します。すべての壁面に沿ったスムーズな流れ分布を得られるように元のメッシュを補完します。これは、正確な流れと温度の予測に大変重要です。壁レイヤはマニュアル設定ではきわめて難しい小さなギャップ間にも適切なメッシュを適用します。
壁レイヤは、3D メッシュが構築される前にレイヤを作成します。診断アルゴリズムは、自動的に小さなギャップを検出して要素の衝突を回避します。各サーフェスを横断する要素レイヤーの高さは均一で、サーフェス上の最小長さスケールに基づく。サーフェス間のなだらかな変化により、モデル全体の要素高さに対してなだらかな変化を確保します。
レイヤーの均一性は、一部の解析の精度にとって重要です。例としては、乱流が壁面付近および細長い流路内の流れの影響を受けやすい流れが含まれます。細長い流路の場合、改善されたメッシュでは改善されていないメッシュよりも壁面付近の流れがほとんど乱れず、結果として流路全体の流れの均一性が改善されます。
[壁レイヤ]ダイアログを開くには、[メッシュ サイズ]クイック編集ダイアログまたは[自動メッシュ サイズ]状況依存パネルで[壁レイヤ]をクリックします。
[壁レイヤを有効にする]
壁のレイヤを切り替えます(既定ではオン)
[壁レイヤのブレンドを有効にする]
既定では、壁レイヤの領域と隣接メッシュとの間の遷移は、顕著な異方性から等方性に瞬時に行われます。[壁レイヤのブレンドを有効にする]オプションを使用してこの領域の遷移を緩やかにすることができます。
これで、特定のシミュレーション(特に新しい乱流モデルを取り入れたもの)で解の安定性と正確性が向上しました。
[レイヤー数]
プリズム要素のレイヤーの数をコントロールします。
[厚み係数]
レイヤー厚みを管理する。レイヤー高さは、そのサーフェスの局所的な等方性の長さスケールをこの係数に掛けることにより決まる。レイヤーがより薄かったり総厚さが減少した場合には、この係数を小さくする。
[レイヤー グラデーション]
壁レイヤの成長率をコントロールするには、[レイヤ グラデーション]を使用します。壁レイヤの数が増えると、多くのケースでレイヤの厚みが均一になる傾向があります。グラデーションにより、壁面に最も近いレイヤーを構造化されていない隣接要素に最も近いレイヤーよりも小さくすることができます。
壁面の熱流束の精度と SST k-ω乱流モデルを使用した熱流束の精度を高めるには、この設定を使用します。
レイヤー数が 5 よりも大きい場合は、[レイヤー グラデーション]の値を[自動]から何らかの値に変更する必要があります。これは、壁の近くの要素の厚さと乱流 Y+ の値を減らすのに効果的な方法です。SST k-ω乱流モデルで外部空気力学をシミュレートするときは、Y+ の値が小さいことが正確な流れの予測に不可欠です。
また、フラグ マネージャの mesh_enhance_gradation で値を変更することもできます。
壁レイヤは 3D メッシュに先立って構築されるため、メッシュ生成後に特定の解析設定を変更すると、メッシュ全体を再生成しなければならなくなります。保存された反復または時間ステップから解析を続行すると、その結果は新しいメッシュにマッピングされます。
メッシュの再生成が必要な解析設定の変更には、以下が含まれます。