[非線形材料モデルによる静解析]の場合、[解析パラメータ]ダイアログに[Nastran]タブが表示されます。このタブには、Nastran 非線形解析プロセッサ パラメータが含まれています。これらのパラメータは、Nastran プロセッサを使用して解析するモデルにのみ適用されます。これらは、SimMech ソルバーには影響しません。
注: Autodesk Simulation Mechanical の Nastran パラメータの実装は、Autodesk Nastran エディタまたは Autodesk Nastran In-CAD 製品で利用できる入力オプションのすべてをサポートしているわけではありません。使用可能な Nastran パラメータ オプションのサブセットが提供されています。
パラメータ
- CONTACTSTAB
- タイプ: AUTO / 実数(浮動小数点数)
- 既定: AUTO
- 説明: 表面接触解析の安定化オプション。
- 既定の設定の[AUTO]は、大きい初期ギャップ(ギャップ ≥ モデルの参照寸法 * 1.0E-04)のあるモデル内のすべての表面接触を自動的に検出し、安定化します。安定化剛性をコントロールするために、自動計算される安定化剛性に乗算するスケール係数を指定することができます。
- LGDISP
- タイプ: ON / OFF
- 既定: ON
- 説明: 大きい変位およびフォロア力効果および剛性差の使用をコントロールします。
- 既定の設定の[ON]は、大きい変位およびフォロア力効果および剛性差を含みます。LGDISP を[OFF]に設定すると、大きい変位およびフォロア力効果および剛性差は含まれません。
- NLAYERS
- タイプ: 1 より大きい整数
- 既定: 10
- 説明: 四角形および三角形要素の非線形材料層の数を指定します。
- NLAYERS の値が大きいほど高精度になりますが、計算時間と必要なストレージが大きくなります。
- NLCOMPPLYFAIL
- タイプ: ON/OFF
- 既定: OFF
- 説明: 非線形複合プログレッシブ層破損解析(PPFA)オプション。
- 既定の[OFF]に設定すると、PPFA は実行されません。[ON]に設定すると、ユーザが指定した破壊理論(PCOMP バルク データ エントリの[FT]フィールド)が失敗する複合材料は、MAT1 および MAT8 バルク データ エントリで指定した減少スケール係数に基づいて、材料剛性が減少されます。
- NLINDATABASE
- タイプ: DELETE / STORE / UPDATE
- 既定: DELETE
- 説明: 非線形データ(荷重、変位、応力、ひずみなど)のストレージと取得をコントロールします。
- 既定の[DELETE]の場合、プログラムが正常に終了すると、すべての非線形データは削除されます。[STORE]に設定すると、非線形データベースはモデル結果出力ファイルとして、同じ基本名に増分番号、荷重スケール係数表示、およびファイル拡張子 .TDB が付いた単一のファイルに保管されます。[UPDATE]に設定すると、非線形データベースが取得されて保管されます。
- NLTOQUAD
- タイプ: ON / OFF
- 既定: ON
- 説明: 引張のみのクアッド要素のサポートをコントロールします。
- [OFF]に設定すると、PSHELL バルク データ入力の設定および解析タイプに関係なく、引張のみのクアッド要素のサポートはオフになります。
- SLINEKSFACT
- タイプ: AUTO / 実数(浮動小数点数)
- 既定: AUTO
- 説明: スライド線と表面接触解析で使用される初期ペナルティの値を指定します。
- 初期ペナルティの値は、k * SFACT * | SLINEKSFACT | を使用して計算されます。ここで k は、対角弾性剛性マトリックス係数に基づいて各スレーブ節点に対して選択した値です。SFACT は、BCONP および BSCONP バルク データ エントリの SFACT フィールドで指定します。SLINEKSFACT の値は、モデルのすべての接触領域に適用されます。既定の設定の[AUTO]は、収束で問題が発生した場合、モデルのペナルティの値を自動的に調整します。
- SLINEMAXPENDIST
- タイプ: AUTO / 0.0 より大きい実数う(浮動小数点数)
- 既定: AUTO
- 説明: 最大スライド線と表面接触要素の干渉距離を指定します。
- このパラメータの主な目的は、設定でジオメトリに複雑で大規模な変更が行われた場合に、接触セグメントが誤ってアクティブになるのを防ぐことです。既定の設定の[自動]は、最大接触面またはスライド線の参照長さを使用します。
- SLINEMAXACTDIST
- タイプ: 0.0 より大きい実数(浮動小数点数)
- 既定: 1.0E+30
- 説明: 最大スライド線と表面接触要素の有効距離を指定します。
- このパラメータの主な目的は、ほとんど動かない、またはまったく動かないことが予期される場合に、不必要な接触セグメントの生成を防ぐことです。
- 既値の設定の 1.0E+30 は、無制限に移動することができる接触を生成します。ほとんど動かない、またはまったく動かないことが予期される場合(ボルトで締結されているなど)、小さい値に設定すると、接触の生成が隣接する要素に制限され、最適なパフォーマンスを得るために推奨されます。ゼロの値は、すべてのマスターおよびスレーブ節点が併置されている場合にのみ使用できることに注意してください。
- SLINEOFFSETTOL
- タイプ: AUTO / 実数(浮動小数点数)
- 既定: AUTO
- 説明: 表面溶接要素をオフセット結合要素に自動変換する場合の許容差を指定します。
- SLINEOFFSETTOL より小さい初期接触距離の溶接接触は、オフセット溶接接触に変換されます。既定の設定の[AUTO]は、1.0E-03 を乗じたモデル参照寸法に基づきます。指定した値は実際の距離であり、正規化されないことに注意してください。一部のモデル(非常に大きい、非常に小さい、または大きいギャップがある)では、既定の SLINEOFFSETTOL の値が適切ではないことがあります。この場合、この値を明示的に定義することをお勧めします。自動表面接触の生成(ASCG)では、MAXAD フィールドで CONTACTGENERATE ケース コントロール コマンドが指定されていると、SLINEOFFSETTOL が MAXAD に設定されることに注意してください。
- SLINESLIDETYPE
- タイプ: DYNAMIC / STATIC / AUTO / DISABLE
- 既定: DYNAMIC
- 説明: 接触ペナルティ剛性の更新方法を選択します。
- 既定の[DYNAMIC]に設定すると、近接剛性ベース更新法が選択されます。[STATIC]に設定すると、変位ベース剛性更新法が選択されます。どちらに設定しても、正規化された SLINEMAXDISPTOL パラメータによって既定の TMAX の値(最大許容干渉量)が決定されます。
- SLINESTABKSFACT
- タイプ: 実数(浮動小数点数)
- 既定: 0.0
- 説明: 非線形静解析で表面接触を安定化させるために使用します。
- ゼロより大きい値に設定すると、接触面の間に法線および面内の安定化剛性が追加されます。既定値の 0.0 は、この機能を無効にします。値が 1.0 の場合、剛性は閉じたギャップ剛性値とほぼ同じになります。安定化剛性は、次を使用して、各サブケースの各完全増分で減少されます。
- ここで、
は、指定された SLINESTABKSFACT の値に基づく初期安定化剛性で、
が現在の増分 i の安定化剛性です。