NASTRAN

Autodesk Simulation Mechanical では、[エクスポート] [他社 FEA]コマンドを使用して、MSC Nastran 形式でモデルをエクスポートします。さらに、[開く]ダイアログ ボックスを使用して、MSC Nastran モデルをインポートします。

または、Simulation Mechanical のモデルを Autodesk Nastran エディタに直接エクスポートできます。その場合、モデルの変換は NEi / Autodesk Nastran 規則に従います。この代替 Nastran モデル出力機能の詳細については、「Autodesk Nastran エディタにモデルをエクスポートする」ページを参照してください。
さらに、Nastran エディタのシミュレーション結果を、Nastran エディタ モデルの元となった Simulation Mechanical モデル内に戻して[合併]することができます。詳細については、「Simulation Mechanical で Nastran エディタ結果を表示する」ページを参照してください。

このページの各表には、要素タイプ、材料モデル、荷重、拘束、各表で使用される対応する Nastran カードを一覧表示しています。この情報は、サードパーティ FEA (Nastran)と Autodesk Nastran エディタ両方の Nastran 変換ワークフローに適用されます。

線形材料モデルによる静解析

NASTRAN のアイテムをインポートするとどのように処理されるかについて、次の表で説明します。反対に、Simulation Mechanical の項目が NASTRAN 入力ファイルに変換される場合の情報として見ることもできます。ただし、いくつかの例外について表の下に列挙してあります。

  NASTRAN Autodesk Simulation Mechanical
トラス要素 PROD/CROD または CONROD 線形トラス
ビーム要素  PBAR/CBAR 線形ビーム (CBAR からはオフセットおよびエンド リリースもインポートされます)
  PBEAM/CBEAM 一定の断面特性を持つ線形ビーム(最初の断面特性セットが使用されます)
  PLOAD1 線形ビームの分布荷重
ギャップ要素 PGAP/CGAP ギャップ要素
プレート要素 PSHELL/CQUAD4/CQUADR/CTRIA3/CTRIAR (MID1 および MID2 フィールドに値が指定されている) 線形プレート(材料特性は、下で説明する MAT タイプに応じて異なります)
  PSHELL/CQUAD8/CTRIA6 (MID1 および MID2 フィールドに値が指定されている) 線形プレート(中間節点は変換されません)
 
MAT1
等方性材料モデル
 
MAT2
材料が直交異方性材料モデルの場合、直交異方性材料モデルが使用されます。異方性の場合、材料特性は変換されません。
 
MAT8
直交異方性材料モデル
  PLOAD4 垂直方向の圧力または表面力(パーツ全体に対する圧力方向には、最初の要素の方向を使用します)
膜要素 PSHELL/CQUAD4/CQUADR/CTRIA3/CTRIAR (MID1フィールドのみに値が指定されている) 線形膜(材料特性は、下で説明する MAT タイプに応じて異なります)
  PSHELL/CQUAD8/CTRIA6 (MID1 フィールドのみに値が指定されている) 線形膜(中間節点は変換されません)
 
MAT1
等方性材料モデル
 
MAT2
材料が直交異方性材料モデルの場合、直交異方性材料モデルが使用されます。異方性の場合、材料特性は変換されません。
 
MAT8
直交異方性材料モデル
  PLOAD4 垂直方向の圧力
薄い複合材 PSHELL/CQUAD4/CQUADR/CTRIA3/CTRIAR 薄い線形複合材(直交材料軸を持つ MAT8 カードからの材料特性のみが変換され、中間節点は変換されません)
  PLOAD4 垂直方向の圧力
ブリック(ハイブリッド メッシュ)および 4 面体要素 PSOLID/CHEXA/CPENTA/CPYRAM (または CPYRA)1 /CTETRA 線形ブリックおよび 4 面体(材料特性は下記の MAT タイプに応じて異なります。すべての中間節点が存在する場合、これらは変換されます。中間節点の 1 つが存在しない場合は、中間節点は変換されません)。
 
MAT1
等方性材料モデル
 
MAT9
材料が直交異方性材料モデルの場合、直交異方性材料モデルが使用されます。異方性の場合、材料特性は変換されません。
 
MATT1
温度依存等方性
 
MATT9
材料が直交異方性材料モデルの場合、直交異方性材料モデルが使用されます。異方性の場合、材料特性は変換されません。
  PLOAD4 垂直方向の圧力
剛体要素 RBE2 剛体要素
その他の要素タイプ PSHEAR/CSHEAR CSHEAR 要素および特性は、PSHELL カードおよび CQUAD4 カードと同様にインポートされます。
接触 CONTACTGENERATE 既定の接触タイプとオプションが定義されます。一致するメッシュを含む接着/溶接接触の場合、このカードは使用されません。代わりに、パーツが交わる箇所で節点がマージ、接続が確立されます。
BSCONP 明示的に定義された接触ペアの接触タイプ(PTYPE)およびオプション(摩擦など)を指定します。
 
BSSEG
2 つの表面の面セグメントを定義します。
PTYPE 1 から PTYPE 10
くい込みタイプ。このパラメータの値は、次の接触タイプを示します。
  • 1: 非対称一般接触
  • 2: 対称一般接触
  • 3: 非対称溶接接触
  • 4: 対称溶接接触
  • 5: 非対称双方向スライド接触
  • 6: 対称双方向スライド接触
  • 7: 非対称分離/スライドなし接触
  • 8: 対称分離/スライドなし接触
  • 9: 非対称オフセット溶接接触
  • 10: 対称オフセット溶接接触
  MPC 多点拘束(スマート接着接触用)。
節点荷重および節点拘束 FORCE 節点力
  MOMENT 節点モーメント
  SPC 変位の大きさがある場合は節点変位境界要素として変換され、ない場合は節点境界条件として変換されます。
  SPC1 節点境界条件
  SPCD 節点変位境界要素
  CELAS2 バネ要素
  TEMP 節点温度
本体荷重 GRAV 加速度/重力
  RFORCE 遠心力
  TEMPD 既定の節点温度

サポートされる結果タイプ: Simulation Mechanical では、NASTRAN OP2 ファイルの結果を変換することも、NASTRAN OP2 ファイルに結果を変換することもできます。

次に示す結果は、NASTRAN ファイルから変換されます。

次に示す結果は、NASTRAN ファイルに変換されます。

固有値解析および線形座屈解析

NASTRAN のアイテムをインポートするとどのように処理されるかについて、次の表で説明します。反対に、Simulation Mechanical の項目が NASTRAN 入力ファイルに変換される場合の情報として見ることもできます。ただし、いくつかの例外について表の下に列挙してあります。

NASTRAN Simulation Mechanical
EIGRL、EIGR 解決される振動数または座屈モードの数

サポートされる結果タイプ: Simulation Mechanical では、NASTRAN OP2 ファイルの結果を変換することも、NASTRAN OP2 ファイルに結果を変換することもできます。

次に示す結果は、NASTRAN ファイルから変換されます。

非線形材料モデルによる静解析

非線形解析では、線形および非線形材料モデルどちらもサポートされます。サポートされる線形要素と材料タイプ、サポートされる荷重と拘束、対応する Nastran カード、および変換された結果については、上記の「線形材料モデルによる静解析」セクションを参照してください。非線形解析での 1 つの用語の例外は、Simulation Mechanical はプレートではなくシェル要素を使用することです。

次の表には、非線形 Nastran モデルでサポートされている、追加の非線形要素、材料モデル、解析パラメータが一覧表示されています。この情報は、Nastran プロセッサを使用して Simulation Mechanical で解析したモデル、Autodesk Nastran エディタにエクスポートしたモデル、および Nastran デッキにエクスポートしたモデル([エクスポート] [他社 FEA])に適用できます。

  NASTRAN Autodesk Simulation Mechanical
ブリック(ハイブリッドメッシュ)および 4 面体要素 PSOLID/CHEXA/CPENTA/CPYRAM (または CPYRA)1 /CTETRA 非線形ブリックおよび 4 面体(使用できる非線形材料モデルを以下に一覧表示)
 
MAT1、MAT4、MATS1
等方硬化をともなうフォン ミーゼス材料モデル
 
MAT1、MAT4、MATS1
移動硬化によるフォン ミーゼス材料モデル
ビーム要素 CBAR/PBAR 非線形ビーム(使用できる線形および非線形材料モデルを以下に一覧表示)
 
MAT1 および MAT4
等方性材料モデル
 
MAT1、MAT4、MATS1
等方硬化をともなうフォン ミーゼス材料モデル
 
MAT1、MAT4、MATT1、TABLEM1
温度依存等方性材料モデル
接触
PTYPE 1 から PTYPE 4
PTYPE 9 / PTYPE 10
くい込みタイプ。このパラメータの値は、次の接触タイプを示します。(このリストには、非線形静的応力解析でサポートされるすべての接触タイプが含まれています。)
  • 1: 非対称一般接触
  • 2: 対称一般接触
  • 3: 非対称溶接接触
  • 4: 対称溶接接触
  • 9: 非対称オフセット溶接接触
  • 10: 対称オフセット溶接接触
非線形解析パラメータ パラメータ
CONTACTSTAB
表面接触解析の安定化オプション
INTOUT
中間結果出力要求
LGDISP
大きい変位およびフォロア力効果および剛性差の使用をコントロールします。
NINC
増分数
NLAYERS
四角形および三角形要素の非線形材料層の数を指定します
NLCOMPPLYFAIL
非線形複合プログレッシブ層破損解析(PPFA)オプション
NLINDATABASE
非線形データ(荷重、変位、応力、ひずみなど)のストレージと取得をコントロールします。
NLTOQUAD
引張のみのクアッド要素のサポートをコントロールします
SLINEKSFACT
スライド線と表面接触解析で使用される初期ペナルティの値を指定します。
SLINEMAXPENDIST
最大スライド線と表面接触要素の干渉距離を指定します。
SLINEMAXACTDIST
最大スライド線と表面接触要素の有効距離を指定します。
SLINEOFFSETTOL
表面溶接要素をオフセット結合要素に自動変換する場合の許容差を指定します。
SLINESLIDETYPE
接触ペナルティ剛性の更新方法を選択します。
SLINESTABKSFACT
非線形静的解析で表面接触を安定させるために使用されます(法線と面内の安定化剛性を追加)。

定常熱伝導解析

NASTRAN のアイテムをインポートするとどのように処理されるかについて、次の表で説明します。反対に、Simulation Mechanical の項目が NASTRAN 入力ファイルに変換される場合の情報として見ることもできます。ただし、いくつかの例外について表の下に列挙してあります。

  NASTRAN Autodesk Simulation Mechanical
ロッド要素 PROD/CROD または CONROD 熱伝導ロッド
 
MAT4
等方性材料モデル
 
MATT4
等方性温度依存材料モデル
プレート要素 PSHELL/CQUAD4/CQUADR/CTRIA3/CTRIAR 熱伝導プレート(材料特性は、下で説明する MAT タイプに応じて異なります)
 
MAT4
等方性材料モデル
 
MATT4
温度依存等方性材料モデル
 
MAT5
直交異方性材料モデル
 
MATT5
温度依存直交異方性材料モデル
ブリック(ハイブリッドメッシュ)および 4 面体要素 PSOLID/CHEXA/CPENTA/CPYRAM (または CPYRA)1 /CTETRA 熱伝導ブリック(材料特性は、下で説明する MAT タイプに応じて異なります)
 
MAT4
等方性材料モデル
 
MAT5
直交異方性材料モデル
 
MATT5
温度依存直交異方性材料モデル
熱荷重 QBDY1 熱流束
  CHBDYG/RADBC/RADM 輻射
  CHBDYG/CONV/PCONV/MAT4 熱伝達
  QVOL 内部発熱
  TEMP 環境温度
  TEMPD 既定の節点温度
接触 CONTACTGENERATE 既定の接触タイプとオプションが定義されます。一致するメッシュを含む接着/溶接接触の場合、このカードは使用されません。代わりに、パーツが交わる箇所で節点がマージ、接続が確立されます。
BSCONP 明示的に定義された接触ペアの接触タイプ(PTYPE)およびオプション(摩擦など)を指定します。
BSSEG
2 つの表面の面セグメントを定義します。
PTYPE 1 から PTYPE 4
PTYPE 9 / PTYPE 10
くい込みタイプ。このパラメータの値は、次の接触タイプを示します。(このリストには、定常熱伝導解析でサポートされるすべての接触タイプが含まれています。)
  • 1: 非対称一般接触
  • 2: 対称一般接触
  • 3: 非対称溶接接触
  • 4: 対称溶接接触
  • 9: 非対称オフセット溶接接触
  • 10: 対称オフセット溶接接触
  MPC 多点拘束(スマート接着接触用)。
熱解析パラメータ パラメータ
SIGMA
ステファン - ボルツマン定数
タブ
絶対温度に対するスケール係数

サポートされる結果タイプ: Simulation Mechanical では、NASTRAN OP2 ファイル形式の結果を変換することも、NASTRAN OP2 ファイル形式に結果を変換することもできます。

次に示す結果は、NASTRAN ファイルから変換されます。

次に示す結果は、NASTRAN ファイルに変換されます。

一般的な注意:

ほとんどの場合、Simulation Mechanical の項目は、NASTRAN の同等な要素に変換されます。ただし、次のような例外があります。

1 注: ピラミッド要素は、エクスポートされた Nastran デッキ内で CPYRAM カードによって表されます。Nastran デッキをインポートすると、CPYRA 要素は CPYRAM 要素と同等とみなされます。