カスタムの単位セット

有限要素モデルで使用する材料特性に対して、カスタム単位セットを定義します。

「Helius PFA 複合材料の定義」セクションの説明に従って、ユーザ材料定数 #1 に 5 の値を設定し、HIN ファイルに次のキーワードとデータ行を追加します。

*CUSTOM UNITS
Fconv, Lconv, Tconv, tconv

カスタム単位セットの例として、有限要素モデルをキロニュートン、センチメートル、度(華氏)、秒の単位を使用して作成したとします。この特定の単位系は、4 つの標準単位系の 1 つではないため、カスタム単位系とみなされます。したがって、任意の Helius PFA 材料の 1 番目のユーザ材料定数には、5 の値を割り当てる必要があります。ここで、対応する HIN ファイルに表示される力、長さ、温度、時間の変換係数を計算する必要があります。既定の単位ニュートンから目的の単位キロニュートンへの変換に必要な力の変換係数は、次のように計算されます。

既定の単位メートルから目的の単位センチメートルへの変換に必要な長さの変換係数は、次のように計算されます。

既定の単位 K から目的の単位°F への変換に必要な温度変化(ΔT)の変換係数は、次のように計算されます。

最後に、秒から時間への変換係数は 1.0 になります。すべての Abaqus/Standard および Explicit 解析で時間の変換が必要なわけではありません。したがって、この値は常に 1.0 に指定することをお勧めします。

説明したカスタム単位セットに対応する HIN ファイル内のエントリは、下記のように記述されます。

*CUSTOM UNITS
0.001, 100, 1.8, 1.0

この例では、Abaqus 入力ファイル内の *USER MATERIAL ステートメントの直後に記載されるデータ行は、次のように示されます。最初のユーザ材料定数(値=5)は、「カスタム」単位系が使用されることを示します。

*USER MATERIAL, CONSTANTS=16
5, 1, 1, 0, 0, 0, 0, 0, 
0, 0, 0, 0.1, 0.01, 0, 0, 0

¹ 番目のユーザ材料定数値を選択する場合、次の 2 つの点について注意する必要があります。まず 1 つ目は、Abaqus 出力ファイルに出力される応力結果はすべて、1 番目のユーザ材料定数に指定した単位で表示することです。たとえば、1 番目のユーザ材料定数が 3 (ポンド、インチ、ランキン温度の単位系を指定)である場合、Abaqus はすべての応力を lb / in² の単位で出力します。2 つ目は、Helius PFA の GUI ではカスタム単位がサポートされていないことです。