Helius PFA 粘性材料の定義

3 つのキーワード ステートメントを使用して、ユーザ定義の粘性材料を定義します。

Helius PFA 粘性材料は、複合材料と同様に *MATERIAL*DEPVAR*USER MATERIAL の 3 つのキーワード ステートメントを使用して定義されます。Helius PFA ユーザ定義の粘性材料を完全に指定する ANSYS 入力ファイルからの次の行を検討してください。

*MATERIAL, name=cohesive
*DEPVAR
9
*USER MATERIAL, constants=11
23, 1.0E+10, 1.0E+10, 1.0E+10, 1.0E+6, 1.0E+6, 1.0E+6, 100
200, 200, 1.25

どの Helius PFA 粘性材料でも、ユーザ材料定数の数は、8~11 の範囲内である必要があります。「付録 B」には、各ユーザ材料定数の詳細な説明があり、各定数の許容値の範囲、各材料を表すために使用する構成関係に各定数が与える影響などを参照できます。Helius PFA 粘性材料を使用した解析でよく定義される各ユーザ材料定数のリストと簡単な説明を次に示します。特定のユーザ材料定数の詳細な説明については、「付録 B」の該当セクションを参照してください。

  1. 損傷基準: この 1 番目のユーザ材料定数は、損傷の開始および損傷の進展基準を選択します。2 桁の整数で、10 の位は損傷の開始基準の選択を示し、1 の位は損傷の進展タイプの選択を示します。損傷の開始フラグは、最大表面力には 1 を、二次ベースの基準には 2 を指定できます。損傷の進展フラグは、変位ベースの軟化には 1 を、エネルギー ベースの軟化には 2 を、または混合モードべき乗則を使用したエネルギー ベースの軟化には 3 を指定できます。たとえば、1 番目のユーザ材料定数が 12 である場合、最大表面力の損傷の開始基準がエネルギー ベースの軟化法則とともに使用されます。
  2. 剛性: ユーザ材料定数 2~4 は、法線、第 1 せん断、第 2 せん断方向における材料剛性を指定します。
  3. 強度: ユーザ材料定数 5~7 は、法線、第 1 せん断、第 2 せん断方向それぞれに損傷が開始する前に、材料が保持できる最大表面力を指定します。
  4. 変位ベースの損傷の進展: 変位ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 破損時の有効な変位: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、完全な破損時と損傷の開始時の有効な変位の違いを定義します。
  5. エネルギー ベースの損傷の進展: エネルギー ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 合計破断エネルギー: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。数学的には、これは表面力-分離曲線の下側の領域です。
  6. エネルギー ベースの損傷の進展(混合モードべき乗則): 混合モードべき乗則を使用したエネルギー ベースの損傷の進展を選択した場合に、次のユーザ材料定数を定義する必要があります。
    • 法線方向モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 8 は正の数値で、純粋な法線方向モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • 第 1 せん断モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 9 は正の数値で、純粋な第 1 せん断モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • 第 2 せん断モードの破断エネルギー: ユーザ材料定数 10 は正の数値で、純粋な第 2 せん断モードの破損により散逸される合計エネルギー量を定義します。
    • べき乗則指数(Alpha): ユーザ材料定数 11 は、べき乗則関数で使用される正の指数で、損傷した粘性材料の軟化速度を決定するために使用されます。