Helius PFA を十分に利用するには、時間増分パラメータを修正します。
Helius PFA は、複雑な構造の進行性破損シミュレーションの全体的な収束率と安定性を著しく向上させます。 ただし、その優れた収束特性を十分に利用するには、Abaqus/Standard によって使用される非線解析プロセスを管理する既定の設定をいくつか変更する必要があります。このセクションでは、推奨される変更を行うために Abaqus/CAE を使用する方法について説明します。このセクションに含まれる情報は Abaqus/Explicit には適用されません。
進行性破損解析で望ましい時間増分パラメータを指定することを推奨します。この製品を使用することでより安定した収束が得られるため、進行性破損解析に必要となる時間増分の減少(またはカットバック)の量は、ソフトウェアなしで実現可能な減少の量よりもはるかに少なくなることが予測されます。この特性は、時間増分パラメータの選択に影響を及ぼす場合があります。これらのパラメータは、以下に示すように[Edit Step]ダイアログ ボックスの [Incrementation] タブで指定することができます。時間増分の最大許容数、最初の時間増分値、時間増分の最小許容値、および時間増分の最大許容量の 4 つの設定を変更することができます。
Helius PFA の粘性材料を使用する解析の場合は、[Extrapolation]パラメータを[None]に設定する必要があります。これは[Edit Step]ダイアログの[Other]タブで設定することができます。
また、Abaqus/Standard によって使用される非線形解析プロセスを管理する既定の設定をいくつか変更する必要があります。これらのソリューション制御パラメータは[General Solution Controls Editor]ダイアログ ボックスで変更できます。ダイアログ ボックスには、メイン ツールバーの
をクリックしてステップ モジュールからアクセスできます。[Time Integration]タブが選択された[General Solution Controls Editor]ダイアログ ボックを以下に示します。既定値が指定された 2 つのパラメータ(Io =4 および IR =8)があります。これらのパラメータは両方とも同じ大きな値(たとえば1000)に設定します(Io =1000 および IR =1000)。Io と IR の値を指定した後、[More]と表示された 3 つのタブのうち、最初のタブをクリックします。表示されるパラメータのリストでは、IP 、IC 、IL、および IS の値がそれぞれ 1000 に設定され、I T の値は 10 に設定されているはずです。Io、IR、IP、IC、IL、 および IS の大きく増加した値は、Abaqus/Standard が Helius PFA によって提供される改善された収束特性を十分に利用できることを保証します。有限要素解析の収束の振る舞いに対して Helius PFA が及ぼす影響についての詳細は、『理論マニュアル』の「進行性破損解析の収束の問題」のセクションを参照してください。
接触と誤った破損
Helius PFA を使用した分析に接触が含まれていると、上の解析コントロール セットは、接触が最初に確立されたときに誤った破損予測を生成する場合があります。そのため、最初のステップは上記の解析コントロールを含まない個別のステップで確立することを推奨します。