進行性疲労解析の荷重履歴を指定する

複合材料構造の疲労寿命を予測します。

あらゆる疲労解析アルゴリズムと同様に、複合材料の疲労寿命を正確に予測するためには、荷重履歴情報を入力する必要があります。しかし、多くの疲労解析アルゴリズムとは異なるのは、複合材料構造の疲労寿命を予測する場合に、時間履歴情報も必要な点です。疲労解析機能を使用した荷重履歴の指定を容易にするために、Helius PFA では、疲労荷重の解析ステップと荷重履歴を記述する HIN ファイル(.hin)が必要となります。

HIN ファイルによってサポートされる多数のキーワードに加えて、*FATIGUE キーワードが追加され、次に示す疲労解析の実行に必要な情報を指定できるようになりました。

*FATIGUE, STEP=FATIGUE_STEP_ID
*BLOCK, REPEATS=NUM_REPEATS
P1/Pmax , t1
P2/Pmax , t2
Pn/Pmax , tn

*FATIGUE キーワードは、その後の記述が疲労荷重履歴の指定であることを示します。荷重履歴は解析の FATIGUE_STEP_ID で指定します。ここで FATIGUE_STEP_ID は入力ファイル内の連続したステップを表します。ステップ名ではありません。STEP パラメータが *FATIGUE キーワードから省略されている場合は、疲労ステップは 2 であると仮定されます。STEP キーワードを使用して、解析の後の方のステップで疲労解析を実行する前に、複数の静的なステップを適用することができます。 たとえば、荷重ステップが 2 つある解析を考えてみます。最初のステップを MECHANICAL_LOAD_STEP、2 番目のステップを FATIGUE_LOAD_STEP とします。この例では、HIN ファイルの最初の行は次のようになります。

*FATIGUE, STEP=2

これは荷重履歴を FATIGUE_LOAD_STEP に適用するためです。次の例では荷重ステップが 3 つある場合を考え、1 番目を THERMAL_LOAD_STEP、2 番目を MECHANICAL_LOAD_STEP、3 番目を FATIGUE_LOAD_STEP とします。この例では、HIN ファイルの最初の行は次のようになります。

*FATIGUE, STEP=3

*BLOCK キーワードでは、指定された荷重ブロックに関する情報を入力します。このブロックは、あらゆる荷重履歴の基礎となります。REPEATS パラメータは、この特定のブロックが荷重履歴で適用される回数を指定します。この値が省略された場合は、既定値の 1 が使用されます。*BLOCK キーワードの直後には、一連の荷重とタイム スタンプがあります。各データ行は、疲労解析の最初のステップでで適用される最大負荷との比率、および荷重履歴内の対応する時間で構成されます。データ行は、このブロックの荷重履歴が閉じられるまで、必要に応じて何回も繰り返すことができます(つまり、同じ荷重率を達成し、ブロックの荷重履歴を繰り返すことが可能です)。

*BLOCK キーワードは、荷重履歴全体を完全に定義するために、必要に応じて何回でも繰り返すことができます。複数の * BLOCK キーワードを使用する場合、前のブロックの完了と同時に後に続く各ブロックがその荷重履歴を開始しているかを確認する必要があります。つまり、2 番目のブロックは、最初のブロック(および繰り返し)が終了するまで開始できません。

荷重履歴と対応するキーワードの例を、次に示します。

対応するキーワードは、次のようになります。

*FATIGUE, STEP=2
*BLOCK, REPEATS=3
0.1, 0.0
0.3, 0.01
0.1, 0.013
*BLOCK, REPEATS=2
0.05, 0.041
1.0, 0.051
0.05, 0.061
注: 荷重履歴の定義は近似化されますが、各ブロックの定義は、より大きなタイム スタンプを使用して同じ荷重率を定義することで閉じられます。2 番目の *BLOCK コマンドは、1 番目の *BLOCK コマンドの終了(0.013 * 3 回 = 0.039)から時間 0.041 で開始されます。

注: 進行性疲労機能は、Linux クラスタではサポートされていません。