解析を実行して最初の破損を確認します。
進行性破損解析での最初の試みとして、厚さ方向のメッシュ密度には表面板当たり 1 要素、コア用に 1 要素とし、サンドイッチ構造の厚さ方向には合計で 3 要素を使用します。この場合、C3D8R (低減積分要素)が使用されます。
EP1_1elemFace_1elemCore.inp
次の表は、3 つのモデルが予測する、各タイプの破損イベント時の荷重レベルを示します。局所的な母材破損および局所的な繊維破損を予測するために使用される基準の詳細については、『理論マニュアル』を参照してください。表について強調すべきことは、母材破損および繊維破損の荷重レベルが、局所的な母材破損または繊維破損が最初に検出されたときの荷重を示すということです。この母材破損または繊維破損の最初のインスタンスは、モデルの要素の 1 つに含まれる材料層の 1 つの中の単一のガウス積分点で発生することに注意してください。数千(あるいは数百万)のガウス積分点を含む大規模な複合構造の場合、複合構造の剛性全体で容易に評価できる変化を検出するには非常に多くの局所的な構成破損が必要です。
グローバル構造破損はさまざまな方法で定義することができますが、この例の問題を扱う目的で、グローバル破損を、「複合構造の全体的な垂直荷重 - 変位曲線における大きな断続」と定義します。複合構造の全体的な垂直変形の量は、「問題の説明」セクションの図で「0°」とラベル付けされた荷重適用点で垂直変位を使用することにより測定されます。荷重ヘッドとアダプタはリジッドであると考えられるため、荷重 - 変位曲線の大きな断続は、特定の荷重増分中に発生する局所的な材料破損の非常に急速な成長(広がり)を示しています。これによって、複合構造の剛性全体が大きく劣化します。
以下のプロットは、複合構造に対する全体的な垂直荷重 - 偏差曲線を示します。構造の全応答は荷重レベルが 57% に達するまで線形で、そのレベルに到達するとグローバル構造破損が発生することに注意してください。以下の表に示すように、最初の局所的な母材破損は荷重が 49% に到達すると発生し、最初の局所的な繊維破損は荷重が 57% に到達すると発生しました。ただし、49% から 57% の荷重範囲で発生したすべての局所的な破損は、複合構造の全体的な荷重 - 偏差応答における視覚的に検出可能な変化を生成するのには十分でありませんでした。荷重が 57% から 58% に増えると、局所的な破損の大きな重なりが発生します。この破損の重なりは十分に大きく、複合構造の垂直剛性が 92%も低減します。このタイプの振る舞いは、壊れやすい複合材料で構成される構造には一般的なもので、複合構造の全体的な応答がグローバル構造破損が発生するまでほぼ線形に変化します。
この最初の破損解析は、単に、後に続くモデリング作業の結果を比較するための基本レベルの予測を提供することを目的としています。