AutoCAD 2018 の新機能の概要

対象製品: 2018.1 Update 以降

AutoCAD 2018 Update (AutoCAD 2018 および AutoCAD 2017 Update リリースを含む)で行われた変更の概要は次のとおりです。

AutoCAD 2018.1 Upgrade

AutoCAD 2018 Update リリースの主な機能強化の概要は次のとおりです。

ビューおよびビューポート

現在のレイアウト上のレイアウト ビューポートを自動的にサイズおよび尺度設定するとともに、モデル ビューを簡単に作成、取得、配置できるようになりました。レイアウト ビューポートを選択すると、2 つの追加のグリップが表示されます。1 つはビューポートを移動するためのグリップ、もう 1 つは一般的に使用される尺度のリストから表示尺度を設定するためのグリップです。

主要なコマンドとシステム変数: MVIEW[浮動ビューポート管理]、NEWVIEW[ビューを新規作成]

3D グラフィックス パフォーマンス

ワイヤフレーム、リアリスティック、シェード表示スタイルは、テストされた DWG ファイルの内容に応じて引き続き向上しています。たとえば、使用した 6 つの大規模なベンチマーク モデルのフレーム毎秒のパフォーマンスの中央値は、AutoCAD 2018 に比べて AutoCAD 2018 Update では 37% 向上しました。

主要なコマンドとシステム変数: 3DORBIT[3D オービット]、ZOOM[ズーム]、PAN[画面移動]、VSCURRENT[ビューポート表示スタイル]

高解像度(4K)モニタのサポート

AutoCAD 2018.1 Update では、高解像度モニタのサポートが引き続き改善されています。高解像度(4K)ディスプレイでの高画質表示に対応するよう、200 以上のダイアログ ボックスや他のユーザ インタフェース要素が更新されました。[画層状態を編集]ダイアログ ボックス、[表を挿入]ダイアログ ボックス、Visual LISP エディタは、その一例です。

サイバー セキュリティ

潜在的なセキュリティ エクスプロイトは、引き続き調査、特定、封鎖されています。オートデスクの多くのエンジニアリング リソースが投じられ、サイバー犯罪者や対外情報機関の活動の増加に対応しています。サイバー セキュリティの脅威が絶え間なく加速しているため、AutoCAD セキュリティ機能チームは、AutoCAD ベースの製品の更新プログラムが利用可能になったら、それらのすべてをインストールすることを強くお勧めします。

外部参照画層のプロパティの機能強化

外部参照の優先設定をより柔軟にコントロールするために、[画層設定]ダイアログ ボックス([画層プロパティ管理]からアクセス)に、外部参照画層のプロパティを管理するための新しいコントロールが追加されました。システム変数 VISRETAIN を使用して、外部参照画層のプロパティへの優先設定を保持するオプションをオンにした場合、再ロードする外部参照画層のプロパティを指定できるようになりました。各種の画層プロパティ オプションは、新しいシステム変数 VISRETAINMODE で指定したレジストリに保管されます。[画層プロパティ管理]には、外部参照に関連付けられた画層に優先設定が含まれたときを示す新しい状態アイコンも追加されました。

主要なコマンドとシステム変数: LAYER[画層管理]、VISRETAIN、VISRETAINMODE、XREFOVERRIDE

お試しください...

ヘルプのホーム ページに、「お試しください」という新しい見出しが追加されました。その下のリンクをクリックすると、トピックが 2 つのセクションから構成されていることがわかります。

トピック「お試しください」には、次のリンクをクリックしてアクセスすることもできます: お試しください...

AutoCAD 2018 および 2017 Update

AutoCAD 2018 および AutoCAD 2017 Update リリースの主な機能強化の概要は次のとおりです。

高解像度(4K)モニタのサポート

カーソル、ナビゲーション バー、UCS アイコンなどのユーザ インタフェース要素は、高解像度(4K)モニタで正しく表示されます。ほぼすべてのダイアログ ボックス、パレット、ツールバーが、Windows の表示スケールの設定に正しく調整されます。オペレーティング システムの制限により、最良の結果を得るには Windows 10 および DX11 対応のグラフィックス カードをご使用ください。

PDF 読み込み

SHX 文字を含む AutoCAD 図面から生成された PDF ファイルでは、文字がジオメトリ オブジェクトとして格納されます。PDFSHXTEXT[PDF SHX 文字変換]コマンドを使用して、SHX ジオメトリを文字に変換し戻すことができます。このコマンドには、最適マッチの SHX フォントを使用するオプションが含まれるようになりました。TXT2MTXT[文字をマルチ テキストに変換]コマンドが、行間を均一にするオプションを含むいくつかの改善で強化されました。

主要コマンド: PDFIMPORT[PDF 読み込み]、PDFSHXTEXT[PDF SHX 文字変換]、TXT2MTXT[文字をマルチ テキストに変換]

表示性能

改善された点は次のとおりです。

  • ハッチングの表示とパフォーマンスが改善されました。
  • サポートされているグラフィックス カードのアンチエイリアシングと高品質グラフィックスの設定が、互いに独立してコントロールできるようになりました。
  • オフスクリーン オブジェクト選択は、どのような場合にも正常に動作します。
  • オブジェクトを作成したり編集したときに表示されるオレンジ色のラバーバンド線は、[オプション]ダイアログ ボックスの[表示]タブの[色]ボタンから任意の色に設定できるようになりました。

主要システム変数: LINESMOOTHING、HQGEOM、SELECTIONOFFSCREEN、OPTIONS

外部参照パス

外部参照のパスの既定の種類が、[相対]に設定されるようになりました。2 つの新しいパス オプション([新しいパスを選択]と[検索と置換])が使用可能です。その他の機能は次のとおりです。

  • 見つからない外部参照のパスを修正する際、他の見つからない参照ファイルにも同じパスを適用できるようになりました。
  • ホスト図面を新しい場所に保存すると、外部参照の相対パスを更新するように求めるプロンプトが表示されます。
  • [外部参照]パレットの[パスの種類を選択]オプションでは、1 つの外部参照が選択されている場合には、現在のパスの種類が反映されるようになりました。現在のパスの種類は変更できません。どのパスの種類が現在の種類であるかが通知されるだけです。
  • 名前のないファイルに、パスの種類が[相対パス]である参照をアタッチすることができます。

主要なコマンドとシステム変数: EXTERNALREFERENCES[外部参照パレット]、REFPATHTYPE

3D グラフィックス パフォーマンス

3DORBIT[3D オービット]を使用しているとき、および 3D 表示スタイルが[ワイヤフレーム]、[リアリスティック]、[シェード]であるときの画面移動やズームの性能がさらに改善されました。最良の結果を得るためには、64 ビットのコンピュータおよび互換性のあるグラフィックス カードを使用することをお勧めします。

主要コマンド: 3DORBIT[3D オービット]、ZOOM[ズーム]、PAN[画面移動]、VSCURRENT[ビューポート表示スタイル]

DWG 形式の更新

DWG 形式は、特に多数の異尺度対応オブジェクトやビューポートを含む図面を開いたり、保存操作の効率を向上するために更新されました。さらに、3D ソリッドおよびサーフェスの作成では、セキュリティと安定性が向上した最新のジオメトリ モデラ(ASM)が使用されるようになりました。

主要コマンド: OPEN[開く]、QSAVE[クイック上書き保存]、SAVEAS[名前を付けて保存]