トレランスと円弧保存 - トレランスを保持しながら、ツールパスの不要なポイントを自動的に除去します。不要なポイントが除去されるため、ポイントは等間隔にはなりません。
トレランスと円弧変更 - 前述のオプションと似ていますが、すべての円弧がライン セグメントで置換されます。円弧を適切に処理できないマシンに適しています。
再分布 - 新しいポイントを挿入できます。これによりポイント間の距離を一定に保ち、トレランスの保持に必要な場合のみ、追加のポイントを挿入します。このオプションを使用することでツールパスの作成には時間がかかりますが、加工時間は短縮されます。多数の等間隔のポイントを処理できるマシンに適しています。
プレビュー - グラフィック ウィンドウに、ツールパスのポイントが表示されます。
円弧フィット - XY、YZ、XZ 平面に含まれているツールパスに、円弧 / 直線近似を作成します。これにより 3D プログラムがさらにコンパクトになり、その結果、特定のタイプのパーツのサーフェスをより滑らかに仕上げることができます。
円弧 / 直線近似は、次の 3D ストラテジーに適用されます。
- 平行角度 が 0 に設定された、X 軸平行、Y 軸平行の荒加工と仕上げ
- 等高線荒加工と仕上げ
- ツールパスが平面上に並んだ面沿い仕上げ
ポイント分布詳細
ツールパスは、加工するサーフェスのトレランス内に配置された一連のポイントのつながりから作成されています。通常、トレランス 値が小さいほどより精密にサーフェスをたどらなければならないため、多数のポイントが生成されます。
ツールパスのポイント分布により、ツールパス内のポイント数を制御します。制御装置のポイント処理能力により、調整可能な出力オプションは異なります。古いタイプの制御装置では NC データから送信された大量の情報を処理できないため、多数のポイントの処理が難しくなります。近年の制御装置には優れたポイント処理能力が備わっていますが、マシンを円滑に動かすためには、ポイントがより均一に分布されていなければなりません。
ポイント分布では、次の点に注意します。
- トレランス 値は、元のツールパスと、ポイントを再分布したツールパスとの間の偏差の精度を制御します。例えば、 トレランス が 0.01 のツールパスを、トレランス ファクター 50% で再分布した場合、最終的なツールパスのトレランスは 0.005 から 0.015 までの間となります。つまり、最終的なツールパスのトレランスは、元のツールパスの トレランス (0.01) と、トレランス x トレランスファクター の値 (0.01 x 50% = 0.05) との和と差の範囲 (0.01 - 0.05 = 0.05 から 0.01 + 0.05 = 0.015 の間) になります。
- 新型の Heidenhain(TNC 530 など)や Siemens(840D など)の制御装置では、再分布 オプションの使用が推奨されています。その場合、ポイント間最大距離指定 オプションも選択して、最大長さ を 0.3 mm (0.012 インチ)に設定しておきます。これによりツールパスにポイントを挿入し、ポイント同士の距離が、最大ギャップ 0.3 mm で一定に保たれるようにします。この操作では、トレランスを保つのに必要な場合のみ追加のポイントが挿入されます。通常、平行加工や等高線荒加工など、シンプルな「2.5D タイプの 3D ツールパス」で使用されます。
- 新型の Fanuc 制御装置(31i など)でも前述の操作が推奨されていますが、0.5 mm 程度の、より大きなギャップを使用します。これらの制御装置では多くのポイントを処理することができますが、Heidenhain や Siemens に比べて処理に時間がかかるため、ギャップを大きくしなければなりません。通常、平行加工や等高線荒加工など、シンプルな「2.5D タイプの 3D ツールパス」で使用されます。
- 3D スパイラル タイプのツールパスでは、再分布 オプションの使用が推奨されています。ただし、ポイント間最大距離指定 オプションは選択しないでおきます。前述の「2.5D タイプの 3D ツールパス」を古いタイプのマシンで加工する場合も、このように設定します。
- 非常に古いマシンでは、トレランスを保持しながらツールパスの不要なポイントを除去する、トレランスと円弧保存 オプションの使用が推奨されています。トレランスと円弧変更 は トレランスと円弧保存 オプションと似ていますが、すべての円弧がライン セグメント(ポリライン)で置換されます。円弧を適切に処理できないマシンに適しています。
- 円弧フィット オプションは、可能な箇所に円弧が挿入されたツールパスを生成します。円弧を適切に処理でき、3 軸ツールパスのみ利用可能なマシンに適しています(2.5D ツールパスはなし)。
- 三角形ファクター % は、加工トレランスに相対するメッシュのサイズを定義します。値が小さいほどメッシュが細かくなりツールパスの計算に時間がかかりますが、精度は向上します。