Advanced Material Exchange では 3 つの破断基準が使用されます。既定では、損傷の開始を予測するために多項式応力破断基準が使用されます。Advanced Material Exchange では、この基準に関連するパラメータが .sif ファイルに格納されます。HIN ファイルを使用して、多項式応力破断基準のパラメータを調整するか、MCT または最大有効応力破断基準に切り替えることができます。*DAMAGEINITIATION キーワードの前に、有効な*MATERIAL または *ENVIRONMENT キーワードを設定する必要があります。
*DAMAGEINITIATION, TYPE=[POLYSTRESS/MCT/MAXEFFSTRESS]
ここで、多項式応力基準の係数を修正する場合は TYPE=POLYSTRESS を使用し、MCT 破断基準に切り替える場合は TYPE=MCT を使用し、最大有効応力破断基準に切り替える場合は TYPE=MAXEFFSTRESS を使用します。
TYPE=POLYSTRESS を使用する場合は、繊維配向テンソルの 1 番目の固有値について、値の範囲にわたって係数 A11、A22、A33、A12、A13、および A23 を指定できます。範囲は、1.0 (完全位置合わせ)から 0.333333 (3D ランダム)までの取り得る値に及ぶことができます。破損係数の一意のセット(bin)はそれぞれ、*BIN キーワードを使用して、*DAMAGEINITIATION キーワードの子として定義します。
*DAMAGEINITIATION, TYPE=POLYSTRESS *BIN, EIG1=EIGENVALUE A11,A22,A33,A12,A13,A23
ここで、EIGENVALUE は、データ行で定義された破損係数のセットに関連付けられた繊維配向テンソルの 1 番目の固有値を示します。各 *DAMAGEINITIATION キーワードの中では、*BIN キーワードの数に制限はありません。例:
*DAMAGEINITIATION, TYPE=POLYSTRESS *BIN, EIG1=1.0 A11,A22,A33,A12,A13,A23 *BIN, EIG1=0.99 A11,A22,A33,A12,A13,A23 *BIN, EIG1=0.985 A11,A22,A33,A12,A13,A23 ... *BIN, EIG1=0.362 A11,A22,A33,A12,A13,A23 *BIN, EIG1=0.341 A11,A22,A33,A12,A13,A23 *BIN, EIG1=0.333333 A11,A22,A33,A12,A13,A23
データ行で定義された破損係数は、.sif ファイルに格納されている値を上書きします。モデルの各積分点では、繊維配向テンソルの最大固有値の値に基づいて、最も近い破損係数のセットが使用されます。
TYPE=MCT を使用する場合は、係数 A1、A2、および A4 をデータ行で指定する必要があります。
*DAMAGEINITIATION, TYPE=MCT A1,A2,A4
TYPE=MAXEFFSTRESS を使用する場合は、許容される最大有効応力をデータ行で指定する必要があります。
*DAMAGEINITIATION, TYPE=MAXEFFSTRESS maxeffstress
各オプションの使い方を示した次の例を参考にしてください。
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1 *DAMAGEINITIATION, TYPE=POLYSTRESS *BIN, EIG1=0.712 0.00084398, 0.000249862, 0.000249862, 0.000780995, 0.000780995, 0.000780995 *BIN, EIG1=0.7 0.000865139, 0.000251631, 0.000251631, 0.000770134, 0.000770134, 0.000770134 *BIN, EIG1=0.65 0.000312021, 0.000312021, 0.000312021, 0.00135684, 0.00135684, 0.00135684
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1 *DAMAGEINITIATION, TYPE=MCT 0.0026, 0.0036, 0.0025
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1 *DAMAGEINITIATION, TYPE=MAXEFFSTRESS 150.0