収縮補正とは、金型を作成するときの、金型メーカーが指定した収縮許容値のことです。
たとえば、次のようになります。
成形品の長さが 100 mm であり、金型メーカーが 2% の収縮を予期している場合、作業者は実際のキャビティ寸法が 102 mm になるように切り取り、収縮後の最終的な成形品の長さが 100 mm となることが期待されます。実際に発生する収縮の量は、保圧の程度、ゲートが固化する速さ、材料の温度とプロパティ(一部の材料は他の材料より収縮量が多い)によって異なります。したがって、金型メーカーからの 2% の収縮予測は、経験に基づく推測にすぎません。
予測される長さを 2% (98.3 * 1.02 = 100.27 mm)拡大するには、等方性収縮補正を 2% に指定します。これで、変位量結果を表示する際に、0.27 mm (100.27 mm - 100 mm)の変位量値が表示されます。元の成形品の設計と比較すると、成形品はターゲット寸法の 0.27 mm 以内にあり、これは許容差内です。
金型メーカーが成形品寸法を異なる % 値で異なる方向に拡大している場合は、異方性収縮補正を使用します。
収縮補正係数が不明な場合、または使用すべき補正係数の提案を望む場合は自動収縮補正を使用します。Synergy は、反り解析からの変位量の予測により、元の設計寸法に可能な限り緊密に一致する成形品をもたらす表示倍率(収縮補正)を示します。当然ながら、収縮は成形品の異なる領域(ゲートの近くとゲートから遠く)では異なる可能性があるため、変位をどこでもゼロにするのはおそらく不可能でしょう。ただし、自動オプションでは均一な収縮補正係数が選択され、変位量の値が可能な限り削減されます。自動収縮補正は適用すべき補正係数の決定に反りの結果を利用するため、反り予測に影響するすべての入力値に依存します(成形条件、材料データ、収縮データ(利用可能な場合)、ソルバー タイプ(3D、DD または Midplane など))。