中間繊維配向テンソル(オーバーモールディング): 結果

中間繊維配向テンソル結果は、オーバーモールディング成形品の、時間の経過とともに指定した方向に繊維が整列する確率の展開を示します。

この結果は、次のメッシュ タイプに対する[充填]または[充填+保圧]を含む解析から生成します。

中間繊維配向テンソル(オーバーモールディング)結果は、次の場合に生成されます。
  • オーバーモールディング成形品に対して繊維充填材料が選択されている。
  • [プロセス設定ウィザード: 充填設定]ダイアログ ボックスで[繊維配向解析(繊維充填材料の場合)]オプションが有効にされている。
  • [ファイバー ソルバー パラメータ]ダイアログ ボックスの[中間繊維配向結果を出力]オプションが有効にされている。

結果を理解する

中間繊維配向テンソル(オーバーモールディング)結果は、オーバーモールディング成形品の、時間の経過とともに指定した方向に繊維が整列する確率の展開を示します。

図 1: 経時的中間繊維配向テンソル

図 1 は、青(低い確率)テンソルの増加、次に減少を示して、射出サイクル全体でどのように繊維配向テンソル結果が変化するかを図示しています。

プロファイル結果の出力も有効になっている場合、Midplane 解析と Dual Domain 解析でも、中間時点での成形品の肉厚方向のさまざまな位置での繊維配向テンソルを表示することができます。3D 解析は、表面平面または切断平面上にのみ表示することができます。

図 2: 肉厚方向の中間繊維配向

図 2 は、左から右に、Dual Domain 解析の場合の、成形品の中央から表面までの繊維配向テンソルを示します。

この結果の表示方法は 2 つあります。次のとおりです。

主方向
ほとんどの繊維が整列する方向は、第 1 主方向と呼ばれます。1 に近い値は、この方向に繊維が整列する確立が高いことを示します。第 1 主方向は、材料の流動方向とほぼ同一ですが、必ずしも同一である必要はありません。

図 3: 主方向の中間繊維配向結果

第 2 および第 3 主方向は、第 1 主方向に基づき、第 1 主方向に対して垂直です。これらの値も、それぞれの方向に繊維が整列する確立を示します。

これは確率結果であるため、3 つの主方向すべての確率の合計は 1 と等しくなります。

テンソル成分

デカルト座標系を基準とした繊維の整列は、テンソル成分を選択することによって表示できます。これは、3x3 のマトリクスと考えることができます。デカルト座標系は、グローバル座標系またはユーザによって定義されたローカル座標系である場合があります。マトリクスの対角の値は、常に最大 1 となります。非対角の値は、座標軸からの整列の変化量を表します。

図4: グローバル座標系の Txx、Tyy、Tzz 方向の中間繊維配向結果

Midplane および Dual Domain の結果

オーバーモールディング成形品の経時的繊維配向テンソルと成形品肉厚方向の繊維配向テンソルの両方を調査できます。 ([結果]タブ > [プロパティ]パネル > [プロット プロパティ ])をクリックし、[アニメーション結果の選択]ドロップダウン リストから[単一データセット]を選択します。[時間]および[肉厚方向表示位置]の値を変えることにより、経時的繊維配向と成形品肉厚方向の繊維配向の両方を理解することができます。

3D 結果

この結果は、表面または切断面での、射出サイクル中の繊維配向テンソルの変化のみをアニメーション化します。

結果を使用する
繊維充填材料の異方性特性により、材料が繊維方向で硬くなるにつれて、不均一な収縮となる場合があります。次のようにして、望ましくない収縮を最小限にすることができます。
  • 重要領域での繊維配向を変更するために、射出位置を変更する
  • フロー リーダーおよびデフレクターを導入して流動を指示する
  • 可能であれば、流動方向の変化がより緩やかになるように、壁の厚さや位置を変更する