MTD ベースの運動学

各マシンは、マシンの運動学モデル と呼ばれる数学的モデルで表現されます。このモデルには、Autodesk Manufacturing Post Processor Utility に使用される情報が含まれています。この情報は、CLDATA ファイル(モデル座標)から取得された座標を マシン座標 に変換するために使用されます。この変換は、逆運動学問題 と呼ばれます。

この問題の解決が、ポストプロセッサーの主要目的であり、多軸軌道の処理時には、更に複雑になります。マシン運動学を表すために、Autodesk Manufacturing Post Processor Utility は、MTD 形式 と呼ばれる マシンデータ形式 を使用します。この形式のマシン運動学は、MTD モデル と呼ばれます。MTD ベースのマシン運動学的表現は、3 軸、4 軸、5 軸クラスによる運動学的表現よりもはるかに効果的で、3 回転軸を持つ 6 軸マシンを含む、いかなる設定のプログラムでも作成が可能です。

マシンのジオメトリは、CAD システム内で定義される *.dmt トライアングル メッシュ ファイル、または、パラメトリック プリミティブ(ボックス形状、および、円錐形)で定義されます。

独自の MTD モデルを作成する場合、既存の MTD モデルから開始して編集を行うと、最適な結果が得られます。

[マシン] タブ > [ファイル] パネル > [インポート] をクリックし、既存の全 MTD ファイルを表示します。

警告: 数学的モデルとあわせて提供されているサンプル MTD ファイルにより、多様なマシンの基本特性を確認することができます。これらのファイルを使用し、加工中のマシンの移動方法を学習することができます。これらのファイルでは、マシンの寸法は正確に作成されず、作業ボリューム内でインストールされるオプションの設備は削除されています。 結果として、これらのファイルの干渉チェックでは、実際に生じる干渉の検出に失敗する場合があります。干渉チェック機能を重視する場合、実際に使用するマシンの正確な寸法、および、設定に一致するように、MTD ファイルを調整しなければなりません。

干渉チェックの改良方法については、.mtd ファイルの編集方法(干渉チェック改良) を参照してください。