デザイン スタディの自動化は、Autodesk® CFD プロセスの重要な部分です。デザインスタディの自動化スイート機能内のツールによって、操作効率が向上し、シミュレーションに基づく意思決定が容易になります。
- CAD から設計を作成または更新するには、 デザイン スタディ バー を起動します。
- CAD から起動する前に、完全なデザイン スタディを定義するには、 デザイン スタディ ビルダ を開きます。
- 設定を保存して再利用するには、 テンプレート を使用します。
- CAD エンティティに設定を自動的に割り当てるには、 ルール を作成します。
- 完全なデザイン スタディを実行するには、 ソルバ マネージャ を使用します。
- 実行中のシナリオのパフォーマンスを ソリューション モニタ で追跡します。
- 複数の設計の解析結果を比較するには、 ディシジョン センター を使用します。
自動化とカスタマイズを行うには、 アプリケーション プログラミング インタフェース(API) または スクリプト を使用します。
デザイン スタディ
デザインスタディ自動化の中心はデザインスタディです。これは、Autodesk® CFD のプロセスを 3 つの基本レベルで構成する階層構造になっています。
デザインスタディ
- Autodesk® CFD を使用するたびに、デザイン スタディが表示されます。
- 最もシンプルなデザインスタディは単一の解析のみを含んだものです。
- デザインスタディは、設計プロセスに重要な複数の変数を構造化したファイルシステムです。
- デザインスタディの名前はユーザ インタフェースの最上部のバーに表示されます。
- デザインスタディはマルチレベル エンジニアリング設計プロジェクトの定義、比較のフレームワークとなります。
- デザインスタディには設計とシナリオが含まれます...
設計:
- あらゆる一意の形状モデルは設計と呼ばれます。
- 設計を使って、CADシステム上で行われたジオメトリの変更の影響を理解します。
- CADシステムで作成されたジオメトリのバリエーション毎に新しい設計を作成します。
- 各設計は、それを参照する1つまたは複数のシナリオを持つことができます...
シナリオ
- シナリオとは、設計に含まれる個別の解析のことです
- 設計に含まれるすべてのシナリオは、同一のジオメトリを参照します
- 異なる設定(境界条件や材料等)の影響を理解するには、それぞれの設定に対して新しいシナリオを作成します。
基本的なデザイン スタディのプロセス
シナリオを起動し、設定し、1つまたは複数のシナリオからの結果を評価するための基本手順を紹介します。ここで紹介するシナリオを実行するのに必要な手順のまとめは、解析を手動で実行するためのアプローチを説明するものです。テンプレート、ルール、デザインスタディビルダー等のツールにより、ここで紹介する手順の多くを自動化することができます:
1. CAD から起動
CADシステムからモデルを転送する方法は主として2つあります。
デザイン スタディ マネージャ
設計スタディマネージャはCADモデルと設計スタディを連携させる対話形式のツールです。デザインスタディ、設計、シナリオの管理に使用します。[デザイン スタディ マネージャ]は CAD で行われたモデル変更を Autodesk® CFD で開いているデザイン スタディに反映します。
デザイン スタディ ビルダ
[デザイン スタディ ビルダ]を使用すると、モデルを Autodesk® CFD に送る前に CAD システム内でデザイン スタディを定義できます。CADエンティティグループは、モデルエンティティとCFDモデル設定をリンクします:
2. デザインスタディバーを使って設計およびシナリオを管理
デザインスタディバーはCFDモデルの定義、レビュー、変更を行うための、完全な対話型のツリーベースのツールです。これにはすべての設計と対応するシナリオがリストされます。シナリオや設計をクローン化することにより、それぞれ設定やジオメトリの変更の影響を調べることができます。
3. ディシジョンセンターで結果を評価、比較
ディシジョンセンターはデータを整理し、スマートな設計上の判断を行うのに使用します。複数の設計やシナリオの結果をグラフィカルな表示、テーブルやプロットを使って比較できます。
4. Autodesk® CFD Viewer を使用してコラボレート
Autodesk® CFD Viewerを使ってリモートに結果を表示したり、設計サプライ チェーン内の他のメンバーとシミュレーション結果を共有することができます。
自動化ツールを一緒に使用するには
多くの場合、最も効率的なアプローチは各種自動化ツールを一緒に使用することです。以下に例を示します。
ルールとテンプレート:
- ルールは、電子モジュール内で複数回使用されるチップに対して、発熱量を適用するために使用します。
- テンプレートでは、他のコンポーネントに割り当てる発熱量境界条件を追加します。
- これらを組み合わせると、ルールがチップの複数のインスタンスに自動的に熱荷重を適用し、テンプレートが他のコンポーネントに対する熱荷重を追加します。
テンプレートとデザイン スタディ ビルダ:
- 頻繁に実行する種類のシミュレーションのためにテンプレートを定義します。
- デザインスタディビルダーで、このテンプレートをデザインスタディの基盤としてインポートします。
デザイン スタディ ビルダとルール:
- デザインスタディビルダーにおいて、CADモデルでグループ化され、スタディ間で一意にすることが可能な設定を割り当てます。使用頻度の高いCADエンティティに対する設定の適用にはルールを用います。
- スタディ内のシナリオを設定後、それらをSolution Managerで実行します。
- ソリューションモニターでは、実行中の全シナリオの進行状況を監視します。