寸法スタイルに優先設定を定義することにより、現在の寸法スタイルを変更しないで、寸法記入システム変数を一時的に変更できます。
寸法スタイルの優先設定を定義するということは、現在の寸法スタイルの特定の設定を変更することです。つまり、現在の寸法スタイルは変更せずに、寸法記入システム変数を変更できます。
個々の寸法または現在の寸法スタイルに対して、寸法スタイルの優先設定を定義できます。
寸法特性の中には図面や寸法記入のスタイルに共通のものがあるため、これらの特性は永続的な寸法スタイルの設定として保存するのに適しています。それ以外の寸法特性は、通常は個別に使用され、優先設定として適用する方が効果的です。たとえば、一般的に 1 つの図面で使用される矢印は 1 種類であるため、矢印の種類を寸法スタイルの一部として定義しておくと便利です。一方、寸法補助線の省略は、通常は個別に行うため、寸法スタイルの優先設定を適用した方が便利です。
寸法スタイルを一時的に変更する方法はいくつかあります。ダイアログ ボックスでオプションを変更することも、コマンドのプロンプトに対してシステム変数の設定を変更することもできます。変更した設定を元の値に戻すと、優先設定は変更前の状態に戻ります。優先設定を元に戻すか、別の寸法スタイルを現在のスタイルとして設定しない限り、その寸法スタイルを使用してそれ以降に記入するすべての寸法に優先設定が適用されます。
任意のプロンプトに対して寸法記入システム変数の名前を入力することで、寸法記入中に現在の寸法スタイルの設定を一時的に変更できます。次の例では、寸法線の色を変更します。優先設定を元に戻すか、別の寸法スタイルを現在のスタイルとして設定しない限り、それ以降に記入される寸法に変更が適用されます。
コマンド: dimoverride
優先する寸法記入変数名を入力 または [優先設定をクリア(C)]: dimclrd
寸法記入変数の新しい値を入力 <BYBLOCK>: 5
優先する寸法記入変数名を入力: 別の寸法記入変数の名前を入力するか、[Enter]を押します。
オブジェクトを選択: オブジェクト選択方法を使用します。選択を終了するには[Enter]を押します。