ディストリビュート CAM について

ディストリビュート CAM は、ツールパス計算の負荷をローカル ネットワーク上の他の使用されていないワークステーションに分散し、計算時間を大幅に短縮できるテクノロジ機能です。Inventor CAM は、個々のワークステーション上で優れたツールパス計算パフォーマンスを実現する、最新のマルチコア テクノロジを完全にサポートしています。ただし、複雑なパーツを数百もの操作で加工するときは、ツールパス計算の完了に依然として時間がかかる場合もあります。ディストリビュート CAM を使用すると、ツールパスの生成時にネットワーク上で使用可能なすべてのワークステーション リソースを自動的に利用することができます。Inventor CAM が実行されているワークステーション上で、すべてバックグラウンドで実行されます。追加の設定は不要です。ディストリビュート CAM でのツールパスの生成時に、ツールパスの更新の進行状況を確認することもできます。

計算時間が大幅に短くなることで、ユーザによる検討が必要な設計変更やツールパスの改良に時間をかけることができます。

注: ディストリビュート CAM を有効にするには、フローティング ライセンスが必要です。ディストリビュート CAM の詳細については、認定販売パートナーに問い合わせてください。

ディストリビュート CAM を使用すると、ワークステーションをより効率的に利用することができます。ディストリビュート CAM は、下図のように、さまざまな設定で使用することができます。



1 台の高性能ワークステーションを活用することで、他の 4 台のワークステーションにおける計算時間を短縮



すべてのワークステーションを共有して、計算時間を短縮



Inventor CAM [タスク マネージャ]では、有効になっている[サーバ]列に、利用中のワークステーションが表示されます。この場合、ローカル ワークステーションに加え、4 台の異なるワークステーションでツールパス計算が実行されています。

ディストリビュート CAM は、使用可能な場合に自動的に使用されます。ディストリビュート CAM は、必要に応じて、Inventor CAM [タスク マネージャ]の右クリック メニューから手動でオン/オフを切り替えることができます。ディストリビュート CAM では、使用可能なすべての処理リソースを追跡し、ツールパス計算を負荷分散するのに最適なワークステーションを選択できます。



ディストリビュート CAM のメニュー

ディストリビュート CAM は、負荷分散計算をホストするワークステーションに小規模なインストールを行うだけで済みます。インストールは、個別にダウンロードして実行できます。ワークステーションで実行され計算がアクティブになってない場合、ディストリビュート CAM のリソース使用量はごくわずかです。さらに、ワークステーションをローカルで他の目的で使用している場合、ディストリビュート CAM は自動的に一時オフになります。



ディストリビュート CAM の監視ステータス



ディストリビュート CAM の監視メニュー