レッスン 3: 高度なマテリアル設定

前のレッスンでは、シーン カラーのオブジェクトを指定しました。ここでは、既存のマテリアルの詳細部分を強化します。

シーンを開く

レッスン 2 が完了している場合は、編集したシーンをこのレッスンで使用できます。レッスン 2 が完了していない場合は、advanced.mb という名前のシーン ファイルを開くことができます。

このファイルは、GettingStarted2020LessonData¥Rendering ディレクトリにあります。

シーンには、台座の上にスカルプチャが配置され、そこにボールが置かれています。シーンが照らされて、モデルに色が付いています。

ハイパーシェードを開く

ハイパーシェード(Hypershade)には、シーン内のすべてのマテリアルが表示されます。アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で各マテリアル タブを手動で選択しなくても、すべてのマテリアルを追跡して、編集できるようにすると便利です。
  1. ステータス ラインで、ハイパーシェード(Hypershade)ウィンドウを選択します。

サーフェスに不完全さを追加する

スカルプチャの上に置かれたボールのように完全なサーフェスは、ほとんどありません。ボールに不完全さを追加するために実行できる作業がいくつかあります。まず、ボールに汚れを追加しましょう。

  1. ハイパーシェード(Hypershade)ウィンドウで ball_surface を選択します。

  2. コート(Coat)が表示されるまで下にスクロールし、コート(Coat)設定の右側にあるパレット ボタンを選択します。

  3. ノイズ(Noise)を選択します。

  4. ここで、しきい値(Threshold)を 0 に、振幅(Amplitude)と比率(Ratio)を 1 に設定します。

  5. ノイズ タイプ(Noise Type)を薄い雲(Wispy)に設定します。

  6. 必要に応じて、sculpt_base に同じ操作を行います。

これで、ボールのサーフェスの上に不規則な模様が作成されました。ボールのサーフェスを変更して、でこぼこに見えるようにすることができます。

  1. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で ball_surface を選択します。
  2. ジオメトリ(Geometry)が表示されるまで下にスクロールし、バンプ マッピング(Bump Mapping)の右側にあるパレット ボタンを選択します。

  3. ノイズ(Noise)を選択します。

    注: これで、非常にでこぼこに見えるようになりました。バンプ深度(Bump Depth)を小さくすると、設定の強度をいつでも下げることができます。
  4. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)に表示された bump2d1 タブで、バンプ深度(Bump Depth)を 0.1 に設定します。

  5. 必要に応じて、該当するマテリアルにこれらの手順を繰り返して、sculpta_base にバンプ マップを適用することもできます。

作業領域を使用する

ハイパーシェード(Hypershade)には、作業領域(Work Area)で行うことができる、非常に印象的なテクニックがいくつかあります。作業領域(Work Area)ノード エディタ(Node Editor)と同様に機能し、マテリアルの外観を作成するために必要なすべての要素にアクセスすることができます。このレッスンでは、作業領域(Work Area)で実行できる、シンプルな 2 つの操作について説明します。はじめに、ボールのバンプ マッピングの可視性を切り替えます。

  1. ハイパーシェード(Hypershade)ウィンドウには、作業領域(Work Area)タブがあります。

    注: 目的のマテリアル ノードを簡単に見つけられるように、このタブは常に整理しておくことをお勧めします。
  2. グラフをクリア(Clear Grap)ボタンを選択します。

  3. マテリアル(Materials)リストで ball_surface を選択してから、選択したノードをグラフに追加します(Add Selected Nodes To Graph)ボタンをクリックします。

    注: これはノードです。マテリアルの入力と出力が表示されます。ただし、現時点では、ball_surface に接続されている他のノードはいずれも表示されません。
  4. 入力と出力接続を表示(Show Input and Output Connections)ボタンを選択します。

    注: これで、適切に表示されます。これで、ball_surface に接続されているすべてのノードが表示されるようになりました。選択したノイズがバンプ マップ ノードに入力されて、ball_surface に接続される仕組みを確認します。ここで、ノードがさまざまなノードの他のパーツに与える効果を有効にしたり、効果を停止したりできます。ユーザはこの方法で、バンプ マッピングの影響を切り替えることができます。
  5. bump map ノードの出力法線(Out Normal)の値を ball_surface ノードの法線カメラに接続する線をドラッグします。ボールをパース ビューで見てみます。

この 2 つのアトリビュートを結ぶ線を接続解除して再接続することにより、エフェクトのオン/オフを切り替えることができます。この方法は、すばやく比較する場合に便利です。

作業領域(Work Area)のもう 1 つの便利な機能は、テクスチャをバンプ マップとして使用できることです。

  1. ball_surface を選択し、ベース カラー(Base Color)の右側にあるパレット ボタンをクリックします。

  2. ファイル(File)を選択します。
  3. 新しいアトリビュート エディタ(Attribute Editor)タブの参照ボタンをクリックして、GettingStarted2020LessonData\Rendering フォルダにある sphereeye.jpg ファイルをテクスチャに割り当てます。

    注: テクスチャが表示されますが、球に影響する他の要素がすべて含まれているため、非常に見づらくなっています。ただし、作業領域(Work Area)を使用して、テクスチャに何らかの定義を設定することができます。
  4. 作業領域(Work Area)で ball_surface を選択し、入力と出力接続を表示(Show Input and Output Connections)ボタンをクリックします。
  5. テクスチャが ball_surface のベース カラー(Base Color)アトリビュートに接続されます。

  6. 出力アルファ値(Out Alpha)の右側にある緑色の円をドラッグし、バンプ マップ ノードの[バンプ値](Bump Value)までドラッグします。

バンプ マッピングがテクスチャと一致するようになって、追加された定義が目に適用されました。追加された定義をテクスチャに適用する場合は、この方法が便利です。

レンダリング設定

これでシーンが完成したので、最終レンダリングを行います。最終レンダリングを行う前に、レンダー設定を更新することが重要です。レンダリングにかかる時間は大幅に長くなりますが、見栄えもはるかによくなります。ここでは、レンダー設定の調整方法を示します。
  1. ステータス ラインでレンダー設定(Render Settings)ボタンをクリックします。

    注: 新しいレンダー設定(Render Settings)ウィンドウには、多くのオプションが用意されています。このレッスンでは、単一の高品質な .jpeg 形式のレンダリングを行います。
  2. イメージ フォーマット(Image Format)で、形式を jpeg に切り替えます。

  3. イメージ サイズ(Image Size)が表示されるまで下にスクロールし、プリセット(Presets)で HD_720 を選択します。

  4. Arnold レンダラ(Arnold Renderer)タブに切り替えて、サンプリング(Sampling)で次の値に合わせて設定を変更します。カメラ (AA)(Camera (AA)): 5、拡散反射光: 4、鏡面反射光(Specular): 4、透過(Transmission): 4、SSS: 3、ボリューム間接光(Volume Indirect): 4

最終レンダリングを行う場合には、これらの設定から始めることをお勧めします。これらの設定を使用してレンダリングすると、非常に長い時間(数時間)かかることに留意してください。専用のレンダリング システムを使用している場合でも、アニメーション ムービー スタジオで 1 つのフレームをレンダリングするのに数時間かかります。

レッスンを終えて

これまでの 3 つのレッスンが完了したのでと、次の操作方法について理解が深まりました。

このトピックに関するビデオ チュートリアルについては、Maya の学習チャネルで「ロケットのライティングとシェーディング」を確認してください。