Maya を初めて使用する場合のチュートリアル

このレッスンでは、以下の方法について学習します。

レッスンの準備

注: このチュートリアルでは、Maya インストールに Arnold レンダラが含まれていることを前提としています(Arnold は、Maya のインストール時に既定で含まれています)。Arnold がインストールされていない場合は、コンピュータ設定で Maya インストールに[修正]または[修復]を選択することで追加できます。

カメラを移動する

  • タンブル: [Alt]キー(Windows)または[Option]キー(Mac)を押しながら左クリックしてマウスをドラッグすると、注視点を中心にカメラを回転できます。
  • トラック: [Alt]キー(Windows)または[Option]キー(Mac)を押しながら中マウス ボタンをクリックしてマウスをドラッグすると、カメラのパースに対してカメラを上下左右に画面移動できます。
    注: 2 ボタン マウスでは、[Command]キーを押しながら左クリックしてマウスをドラッグすると、中マウス ボタンと同じ効果を得ることができます。
  • ドリー: [Alt]キー(Windows)または[Option]キー(Mac)を押しながら右クリックしてマウスをドラッグすると、カメラを内側または外側に移動できます。

円錐を作成する

  1. ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフに切り替えます。
  2. ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフのポリゴン円錐(Polygon Cone)ボタンをクリックします。
  3. ツール ボックス(Toolbox) (ホットキー: [E])の回転ツール(Rotate Tool)を選択して、上下が逆になるように円錐を回転します。これは次のように行います。
    • 赤または青のハンドルをドラッグして、軸を中心に手動で円錐を回転します。[J]キーを押したままドラッグすると、15 度の増分単位でスナップし、180 度の精密な回転を簡単に行うことができます。スナップは、スケーリングや移動の場合も機能します。
    • アトリビュート エディタ(Attribute Editor)または右上隅にあるチャネル ボックス(Channel Box) ()を開き、[pCone1]を選択して、回転 X(Rotate X)または回転 Z(Rotate Z)の回転アトリビュートを 180 に変更します。
  4. ツール ボックス(Toolbox) (ホットキー: [R])でスケール ツール(Scale Tool)を選択し、(緑のマニピュレータをドラッグして) Y 軸に沿って円錐をスケーリングし、アイスクリームのコーンのような形状にします。
  5. ツール ボックス(Tool Box)で、4 ビュー(Four View)を選択します(ホットキー: [Spacebar])。

    これにより、上面、パースビュー、前面、側面の 4 つの既定のカメラがすべて同時に表示されます。各ビューポート(Viewport)パネルの下部にカメラ名が表示されます。

  6. 移動ツール(Move Tool) (ホットキー: [W])を選択し、「前面(-Z)」パネルで円錐を移動してグリッド上に直立させます。
    注: 4 ビュー(Four View)では、パースビューとともに前面ビュー、側面ビュー、および上面ビューが表示されます。パースビュー以外のビューでは、オブジェクトの移動方向は 2 次元に限定されるため、正確に編集する場合に便利です。
  7. 「パース」ビューにカーソルを置き、[Spacebar]キーをもう一度押して拡大します。
  8. pCone1 を選択した状態で、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)(下図の一番右の垂直な列に表示される)に移動し、名前を「pCone1」から「Cone」に変更します。
    注: オブジェクトに名前を付ける機能は、多数の異なるオブジェクトを含むシーンを作成する場合に非常に重要です。アウトライナ(Outliner)ですべてのオブジェクトの名前を表示して、個別に選択することができます。

アイスクリームのスクープを作る

  1. ビュー パネル(View Panel)メニューでシェーディング > ワイヤフレーム(Shading > Wireframe) (ホットキー: [4])を選択します。すべてのオブジェクトがワイヤフレームで表示されるようになりました。これは、オブジェクトを通して透視する場合に便利です。
  2. ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフのポリゴン球(Polygon Sphere)ボタンを選択します。

  3. 球を移動(ホットキー: [W])およびスケール(ホットキー: [R])して、円錐に合わせます。

    カメラ ツール(タンブル(Tumble)、トラック(Track)、ドリー(Dolly))を使用して、さまざまな角度から円錐を表示し、すべてが整列されていることを確認してください。

  4. ここで、別のスクープを作成する必要があります。球ボタンを再度使用するか、[Shift]キーを押しながら上に移動して、元の球のクローンを作成します。
  5. この球を移動(ホットキー: [W])およびスケール(ホットキー [R])して、最初のスクープの上に小さな別のスクープがあるようにします。
  6. ビュー パネル(View Panel)メニューに移動し、シェーディング > すべてをスムーズ シェード(Shading > Smooth Shade All) (ホットキー: [5])を選択して、シェーディング表示に戻ります。
  7. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、スクープの名前を「pSphere1」と「pSphere2」から「Scoop1」と「Scoop2」に変更します。

詳細を追加する

これで、プリミティブ オブジェクトの移動と操作の方法について理解を深めました。よりリアルなディテールを得るには、これらのプリミティブを構成する要素を変更する必要があります。ここでは、それぞれの球のコンポーネントを個別に変更して、アイスクリームに似た形状にしてみましょう。

下部のバルジを追加するには

  1. 右上隅()にあるモデリング ツールキット(Modeling Toolkit)を開きます。
    1. このツールキットの上部のマルチコンポーネント(Multi-Component)の下に、オブジェクト選択(Object Selection)頂点選択(Vertex Selection)エッジ選択(Edge Selection)フェース選択(Face Selection)UV 選択(UV Selection)が配置されています。
    2. エッジ選択(Edge Selection)を選択します。
      注: マウスの右ボタンをスクープの上に置いたままカーソルをエッジ(Edge)までドラッグして、選択モードを変更することもできます。

  2. スクープ上の円錐の縁の上にあるエッジ ループを選択します。 エッジを 1 つずつ選択する代わりに、1 つのエッジをダブルクリックして、ループのすべてのエッジを一度に自動的に選択できます。
  3. スケール ツール(Scale Tool) (ホットキー: [R])を使用して、円錐の縁のサイズと一致するようになるまでエッジ ループのサイズを大きくします。
  4. スケールしたエッジ ループが非常にシャープに見えることがあります。エッジ ループをスムーズにするには、[3]キーを押して球をスムーズ メッシュ(Smooth Mesh)モードで表示します。上部のスクープにも同じ操作を行います。
    注: スムーズ化されていない元の表示に戻すには、スクープを選択して[1]キーを押します。
  5. 移動ツール(Move Tool) (ホットキー: [W])を使用してエッジを下げ、円錐の縁に接続します。
  6. 次に、2 番目のスクープの一番下に表示されているエッジを選択して下に移動し、最初のスクープに接続します。
これで完全な球体のアイスクリームができあがりました。ここで、最初と 2 番目のスクープに滴を追加します。

滴を作成するには

  1. 4 ビュー(Four View) (ホットキー: [Spacebar])に移動します。
  2. 前面(-Z)パネルで、ワイヤフレーム モードをアクティブにします(シェーディング > ワイヤフレーム(Shading > Wireframe)またはホットキー[4])。
    注: パースビューを使用して滴を作成することもできますが、最初のスクープのカーブと滴を一列に揃えるのは、前面ビューまたは側面ビューを使用した方がずっと簡単です。
  3. モデリング ツールキット(Modeling Toolkit)を使用するか、マウスの右ボタンを押したままスクープの上にカーソルを移動することにより、エッジ選択モードから頂点選択モードに変更します。
  4. 前面(-Z)パネルで、2 番目のスクープ上の引き下げたエッジのリング上にある、右端または左端の頂点を選択します。
  5. 移動ツール(Move Tool) (ホットキー: [W])を使用して、最初のスクープのカーブに沿って頂点を引き下げ、滴のような外観にします。
  6. ここで、4 ビュー(Four View)の側面(-X)パネルに切り替えて、このパネルのシェーディングもワイヤフレームに変更します。

  7. 側面(-X)パネルで、下部のスクープのエッジ上にある左端または右端の頂点(円錐の縁の近くに移動したエッジ リング沿いにある頂点)を選択します。
  8. この頂点を円錐のエッジに沿って下にドラッグするには、移動ツール(Move Tool)を使用します。
  9. この上の頂点を選択し、円錐から下にドラッグして、2 つの頂点を滴のような外観にします(パースビュー ウィンドウを使用して、移動した頂点の横にある頂点ではなく、真上にある頂点を選択します)。
    注: 最初の頂点を滴のような外観にするには、2 番目の頂点の移動に応じて、最初の頂点を調整しなければならない場合があります。ギザギザに見える場合は、スムーズ メッシュ(Smooth Mesh)がオンになっていることを確認します(ホットキー: [3])。

スクープの外観をよりリアルにするには、完全な球にならないようにメッシュを調整する必要があります(デジタル的に完全な形状は、不完全に見えます)。ソフト選択(Soft Select)を使用してこの操作を行うと、徐々にソフトになるエフェクト領域上で複数のコンポーネントを一度に変換することができます。

スクープをさらにリアルにするには

  1. モデリング ツールキット(Modeling Toolkit)フェース選択(Face Selection)モードに変更し、いずれかのスクープのフェースを選択します。
  2. [B]キーを押して、ソフト選択(Soft Select)をオンにします。メッシュがカラーのグラデーションに変わり、ソフト選択(Soft Select)がオンになっていることが示されます。
    注: 黄色の領域は移動、回転、スケール操作の影響を完全に受けますが、暗い領域はほとんど影響を受けません。[B]キーを押しながらクリックしてドラッグすると、ソフト選択(Soft Select)の半径を調整できます。半径が大きすぎる(スクープ全体が黄色に変わる)場合は、[B]キーを押しながら中マウス ボタンでドラッグして 0 から開始することができます。
  3. 移動ツール(Move Tool) (ホットキー: [W])を使用してフェースを内側に押し込み、くぼみを作成します。
  4. 満足のいく結果が得られるまで、他のフェースを使用してくぼみみをさらに作成します。
  5. 注: スクープの外観がこの例と若干違っていても、心配はいりません。自分のやり方で行ってください。
  6. 滴を入念にチェックして、スクープまたは円錐に密着していることを確認します。

カラーを追加する

これでモデルの構築が終了したので、マテリアルをいくつか追加して、モデルに色を追加します。
注: このチュートリアルの残りの部分では、Maya インストールに Arnold レンダラが含まれている必要があります(既定では含まれています。Maya のコピーに Arnold の機能が表示されない場合は、インストール中に Arnold を選択解除した可能性があります)。

円錐にマテリアルを割り当てるには

  1. マウスの右ボタンを押しながら円錐の上にカーソルを移動し、マーキング メニューの新しいマテリアルの割り当て...(Assign New Material...)まで右マウス ボタンでドラッグします。
  2. 新しいマテリアルの割り当て(Assign New Material)ウィンドウで、標準サーフェス(StandardSurface)を選択します。
  3. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、ベース カラー セクション内の白いカラー フィールドをクリックし、色を明るい茶色/黄色に変更します。
  4. スペキュラ(Specular)ウェイト(Weight)を 0 に設定して、光沢を抑えます。
  5. 標準サーフェス(StandardSurface)フィールドでマテリアルの名前を「cone_MAT」に変更します。

光沢のあるマテリアルを除いて、スクープにこのプロセスを繰り返します。

スクープにマテリアルを割り当てるには

  1. マウスの右ボタンを押しながら最初のスクープの上にカーソルを移動し、マーキング メニューで新しいマテリアルの割り当て...(Assign New Material...)を選択します。
  2. 標準サーフェス(StandardSurface)を選択します。
  3. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、ベース カラーをアイスクリームのフレーバーの色に変更します。
  4. 今回は、アイスクリームのスペキュラのウェイトを 0 に設定しないでください。
  5. マテリアルの名前を「scoop1_MAT」に変更します。
  6. 2 番目のスクープにこれらの手順を繰り返します。
    注: 2 番目のスクープを同じフレーバーにする場合は、マウスの右ボタンを押したままこのスクープ上にカーソルを移動して、既存のマテリアルの割り当て > scoop1_MAT(Assign Existing Material > scoop1_MAT)を選択します。こうすることで、新しいマテリアルを割り当てる代わりに、同じマテリアルを再利用することができます。

見てわかるとおり、スペキュラの値だけを残しても、スクープの光沢の量が円錐よりも大きくなることはありません。アイスクリームで反射するライトがまだ作成されていないためです。

ライティング

マテリアルの適用が終了したら、円錐をライトで照らしてレンダリングします。ライトを追加すると、モデルによりリアルな反射と屈折が作成されます。レンダリングすると、最終シーンの高品質なイメージが生成されます。

シーンをライティングおよびレンダリングするには

  1. Arnold シェルフに切り替えます。
    注: Arnold シェルフが表示されない場合は、Maya のインストール中に Arnold を選択解除した可能性がります。Arnold for Maya ダウンロード領域にアクセスして、Arnold for Maya の最新のインストーラを入手することができます。
  2. SkyDome ライトを作成(Create SkyDome Light)を選択します。

    これにより、オブジェクトの周囲に均一なライティングのドームが作成されます。

  3. ライティングを含むシーンを表示するには、ビューポート パネルのすべてのライトの使用(Use all lights)をオンにします。また、テクスチャ(Textures)シャドウ(Shadows)スクリーン スペース アンビエント オクルージョン(Screen space ambient occlusion)、およびマルチサンプル アンチエイリアシング(Multisample Anti-Aliasing)をオンにして、さらに高品質の結果を得ることもできます。
  4. ここで最終イメージをレンダリングするには、ステータス ライン(Status Line)現在のフレームのレンダー(Render Current Frame)ボタンをクリックします。
    注: ライティングが明るすぎるか、暗すぎる場合は、スカイドームを選択し、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)強度(Intensity)設定を調整することができます。
  5. イメージを保存するには、レンダー ビュー(Render View)ウィンドウのファイル > イメージの保存...(File > Save Image...)に移動します。

    カラー管理イメージ - 埋め込まれたビュー トランスフォーム(Color Managed Image - View Transform Embedded)オプションをオンにした状態で(イメージの保存(Save Image)ファイル ウィンドウの右側)、.jpg または .png 形式で保存することをお勧めします。

概要

おめでとうございます。Maya の最初の学習手順を完了しました。トッピングを追加する、コーンを変更してワッフル コーンにする、エリア ライト(Area Lights)を追加するか照準を合わせてより印象的なレンダリングを行うなどの操作を行って、シーンを自由に試してください。
  • このレッスンを完了したので、次の方法についての理解が深まりました。
  • ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフを使用して 3D プリミティブ オブジェクトを作成する
  • オブジェクトを移動、回転、スケールする
  • [Spacebar ]キーを押すかツール バーを使用してビュー パネルを変更する
  • [4]キーを使用してワイヤフレーム モードに変更するか、[5]キーを使用してシェーディング モードに変更する
  • モデリング ツールキット(Modeling Toolkit)を使用するか、右クリックして表示されるマーキング メニューを使用して、個々のコンポーネントを選択および編集する
  • [B]キーを押してソフト選択(Soft Select)を使用する、および[B]キーを押しながらマウスをドラッグして範囲を調整する
  • マテリアルを割り当てる
  • Arnold シェルフを使用してシーンにライトを追加する。
  • ステータス ライン(Status Line)現在のフレームのレンダー(Render Current Frame)ボタンを使用して、イメージをレンダリングする

さらに演習を行う場合は、次の方法を試してください。